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米国政府がウクライナで軍事的な緊張を高めることで最も痛手を被るのはドイツ
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202202140000/
2022.02.14 櫻井ジャーナル
ロシアのウラジミル・プーチン大統領は2月12日、ふたりの大統領の要請に応え、電話でウクライナ情勢などについて話し合った。対話の相手はフランスのエマニュエル・マクロン大統領とアメリカのジョー・バイデン大統領だ。
ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領は1月の下旬、ロシアの侵略が差し迫っているという間違った警告はウクライナの経済を危険な状態にすると記者に語っている。アメリカやイギリスの政府や有力メディアは危機を煽り、パニックを引き起こそうとしていると考えているようだ。この発言はバイデン政権を怒らせただろう。その直後、ウクライナの内務大臣は暴動を計画した人びとを逮捕したと発表している。
そうしたゼレンスキーの懸念を無視してバイデン政権は「ロシアが攻めてくる」と言い続け、国務省のネッド・プライス報道官は2月3日の記者会見で、ウクライナ軍が攻撃しているように見せかけ、ロシア軍の攻撃を正当化させようとロシアが計画していると語った。
アメリカが得意にしている偽旗作戦をロシアが行おうとしているというわけだが、それに対してAPのマット・リー記者は主張を裏付ける証拠を示すように求めた。
当然の質問だが、プライスはアメリカ政府の情報機関が機密解除した情報だという言うばかりで証拠は示せない。リー記者は主張と情報は違うと指摘、イラクを攻撃する前にアメリカ政府が宣伝していた「大量破壊兵器」の話を持ち出したが、それでもプライスは答えない。
アメリカ政府が持っていると主張する「情報」はウクライナ政府にも伝えられていないようで、ロシア大統領がアメリカやフランスの大統領と電話でウクライナ情勢について話し合った2月12日には「ロシアが2月16日から侵略してくる」という情報を教えてほしいと記者に質問している。ロシア軍が侵略してくると「報道」している記者への皮肉なのかもしれない。
戦争が始まれば戦場になるウクライナはアメリカが侵略したイラク、リビア、シリアのように破壊されるが、ゼレンスキーはそうした状況を作り出そうとしているのは西側だとしているわけだ。バイデン政権は2021年1月に誕生して以来、ウクライナへ武器/兵器を含む軍事物資を運び込む一方、ウクライナ周辺で挑発的な行動を繰り返してきた。
ウクライナの軍事的な緊張を高めようというアメリカ政府の行動で被害を被りつつある国のひとつがドイツ。アメリカがドイツを経由して軍事物資をウクライナへ運ぶことを拒否している。
そもそも、2014年2月にバラク・オバマ政権がネオ・ナチを使ってウクライナでクーデターを実行した目的のひとつはロシアからEUへ天然ガスを運んでいるパイプラインを押さえることにあった。そこでドイツ政府はロシアからEUへ天然ガスを運ぶ新たなパイプライン、「ノード・ストリーム2」の建設を計画、工事は終了している。
しかし、このパイプラインはまだアメリカの妨害で稼働していない。ウクライナでロシアが軍事的な緊張を高めているとアメリカ政府は主張し、それを理由にしてノード・ストリーム2を葬り去ろうとしている。
現在、ロシアの「戦略的同盟国」である中国は新たなエネルギー資源の供給源を増やさなけらばならない状況。つまり、ロシアとしては天然ガスの買い手は存在している。ノード・ストリーム2が葬られた場合、最も大きな痛手を受けるのはEU、特にドイツだろう。ここからアメリカ政府の本心を垣間見ることができると考える人もいる。
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