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ウクライナ大統領の発言を無視してバイデン米大統領は軍事的緊張を高めている
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202202050000/
2022.02.05 櫻井ジャーナル
北京で冬季オリンピックの開会式が2月4日にあり、中国とロシアの同盟関係がアピールされた。それに合わせるかのように、アメリカのジョー・バイデン政権は両国に対する恫喝を続けている。
現在、バイデン政権はウクライナを完全に制圧しようと必死で、クリミアやドンバス(ドネツクやルガンスク)に執着しているようだ。バラク・オバマ政権は2014年2月にネオ・ナチを使ったクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒すことに成功したが、クリミアの住民はロシアと一体化することに成功、ドンバス(ドネツクやルガンスク)では軍事的な抵抗が続いているのだ。
ポーランドで伝えられていた情報によると、クーデターの主体になったネオ・ナチは2004年からバルト3国にあるNATOの訓練施設で軍事訓練を受けていたという。ネオ・ナチのグループにはシリアやチェチェンでの実戦経験のある人物も含まれていた。
2013年9月にはポーランド外務省がクーデター派の86人を大学の交換学生を装って招待、ワルシャワ郊外にある警察の訓練センターで4週間にわたり、暴動の訓練を受けたとも伝えられている。
その訓練には追跡技術、群集操縦、ターゲットの特定、戦術、指揮、緊張した状況における行動制御、警察のガス弾に対する防御、バリケードの建設、そして狙撃も学んだという。本格的な軍事訓練だと言えるだろう。
キエフでクーデターが始まると、負傷したクーデター部隊の戦闘員はポーランドへ運び込まれ、治療を受けたとも報道されていた。クーデター後、ポーランドで治安担当の大統領顧問を務めたこともあるイエルジ・ドボルスキがウクライナに乗り込み、ポーランドの軍事会社ASBSオタゴの戦闘員も東部での戦闘に参加していた。
しかし、ウクライナの軍や治安機関にはクーデターを拒否する隊員がいて、ドンバスの住民側に合流する。新兵主体のクーデター軍は劣勢になり、戦闘が続けば住民側の勝利は間違いなかったが、ロシア政府の意向もあって停戦になる。そして作成されたのが「ミンスク議定書」だ。2014年9月5日にOSCE(欧州安全保障協力機構)、ウクライナ、ロシア、ドネツク、ルガンスクの代表が調印しているが、この停戦をアメリカは認めない。ドンバスやクリミアを制圧するまでクーデターを終えるつもりはなさそうだ。
今年1月26日にロシア、ウクライナ、フランス、ドイツはパリでウクライナをめぐる問題を話し合い、事態を平和的に解決することで合意した。「ミンスク議定書」を尊重するということだ。
その会議から2日後、ボロディミル・ゼレンスキーはアメリカ政府を刺激する発言をしている。侵略が差し迫っているという間違った警告はウクライナの経済を危険な状態にすると主張、パニックを作り出そうとしないよう西側の記者に求めたのだ。
バイデン政権は2021年1月に誕生して以来、ウクライナへ武器/兵器を含む軍事物資を運び込む一方、ウクライナ周辺で挑発的な行動を繰り返してきた。ロシア軍を誘っているようだが、ロシア側は挑発に乗らない。そこで挑発をエスカレートさせることになる。
例えば、3月10日にNATO加盟国の軍艦がオデッサへ入港、同じ頃にキエフ政府は大規模なウクライナ軍の部隊をウクライナ東部のドンバス(ドネツクやルガンスク)やクリミアの近くへ移動させてロシアを挑発している。
4月に入るとアメリカ空軍は1週間の間に少なくとも3度、物資を空輸していると伝えられた。4月5日にはウクライナのゼレンスキー大統領はカタールを訪問、そのカタールの空軍は5機の輸送機を使い、トルコを経由でウクライナへ物資を運んでいるという。
そのトルコはウクライナでアメリカと連携、3月14日には少なくとも2機のC-17A輸送機がトルコからウクライナへ物資を輸送、トルコ軍兵士150名もウクライナへ入る。
4月10日にウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はトルコを訪れてレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と会談、その直後にトルコの情報機関は「ジハード傭兵」を集め始めている。
その直前、4月6日と7日にはNATO軍事委員会委員長のスチュアート・ピーチ英空軍大将がウクライナを訪問、9日にアメリカは「モントルー条約」に従い、トルコ政府へ自国の軍艦2隻が4月14日か15日に地中海から黒海へ入り、5月4日か5日まで留まるとると通告した。
その前にアメリカの軍艦2隻が4月14日か15日に地中海から黒海へ入り、5月4日か5日まで留まると通告されていたが、ロシアの反発が強いため、米艦船の黒海入りはキャンセル。
そうした中、ウクライナの国防大臣が辞意を表明し、その一方でネオ・ナチ「右派セクター」を率いるドミトロ・ヤロシュが参謀長の顧問に就任したと伝えられた。
6月28日から7月10日にかけてアメリカ軍を中心とする多国籍軍が黒海で軍事演習「シー・ブリーズ」を実施したが、これには日本も参加している。
シー・ブリーズに参加するために黒海へ入っていたイギリス海軍の駆逐艦「ディフェンダー」は6月23日にオデッサを出港した後、ロシアの領海を侵犯してクリミアのセバストポリへ接近。それに対してロシアの警備艇は警告のために発砲、それでも進路を変えなかったことからSu-24戦術爆撃機が4発のOFAB-250爆弾を艦船の前方に投下している。この爆弾は模擬弾ではなく実戦用。その直後にディフェンダーは領海の外へ出た。
当初、イギリス海軍は警告の銃撃や爆弾の投下はなかったと主張したが、問題の駆逐艦に乗船していたBBCの記者ジョナサン・ビールが周囲にロシアの艦船や航空機がいて、銃撃音や爆弾を投下した音を聞いたと伝えている。
6月24日にはオランダのフリゲート艦「エバーツェン」がクリミアへ接近したが、ロシア軍がSu30戦闘機とSu-24爆撃機を離陸させると、領海を侵犯しないまま、すぐに離れていった。
12月に入るとアメリカの偵察機が黒海の上空を何度も飛行、民間航空機の飛行ルートを横切るなど脅しを繰り返し、ウクライナ軍はアメリカ製の兵器を誇示してロシアを挑発している。その前にはアントニー・ブリンケン国務長官がロシアを恫喝、ロード・オースチン国防長官はウクライナを訪問していた。
一方、ウクライナの現政権は部隊をドンバスの近くへ移動させて軍事的な圧力を強めている。ゼレンスキー大統領は外国の軍隊が領土内に駐留することを議会に認めさせ、キエフ政権側で戦う外国人戦闘員にウクライナの市民権を与えることも議会は認めた。脅しのつもりだろう。
また、CIAがウクライナ軍の特殊部隊を秘密裏に訓練しているとする情報も伝えられている。この訓練は2015年、つまりウクライナでアメリカ政府がネオ・ナチを使ったクーデターを成功させた翌年にアメリカの南部で始められたという。
訓練を受けた戦闘員はドンバス周辺で活動することが想定されているはずだ。ウクライナ軍の活動をアメリカ政府は「ロシアの偽旗作戦」だと宣伝する可能性がある。そうしたストーリーをバイデン政権は宣伝している。
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