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ノルウェー・ノーベル委員会の政治的判断は相変わらず
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2021.10.10 櫻井ジャーナル
ロシアの新聞「ノーバヤ・ガゼータ」のドミトリー・ムラトフ編集長とフィリピンのマリア・レッサにノーベル平和賞が授与されるという。アメリカの私的権力に従わないロシアとフィリピンで政権と対立している「ジャーナリスト」が選ばれたわけだ。
言うまでもなく、「ノーベル平和賞」は極めて政治色が強い。古くは「棍棒外交」で侵略、殺戮、略奪を繰り返したテディ・ルーズベルト、核兵器を保有したがっていた佐藤栄作、チリやカンボジアでの大量殺戮の黒幕的な存在であるヘンリー・キッシンジャー、イルグンという「テロ組織」のリーダーだったイスラエルのメナヘム・ベギンも受賞している。
その後、CIAとの緊密な関係が明らかになっているポーランドの労働組合「連帯」のレフ・ワレサ、やはりCIAから支援を受けていたダライ・ラマ、CIAと連携していた人脈に周りを囲めれていたミハイル・ゴルバチョフも登場する。
バラク・オバマは大統領に就任した年に受賞したが、任期中にドローン(無人機)を使い、アメリカ人を含む多くの人を殺害、ムスリム同胞団やサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)を利用してアメリカへの忠誠度が低い国を侵略し、殺戮と略奪を繰り広げている。
その一方、2009年4月にオバマはプラハで核兵器のない世界を目指すと演説、16年5月に広島を訪問するというパフォーマンスを演じたが、2014年9月には、今後30年間に9000億ドルから1兆ドルを核兵器分野に投入する計画をオバマ政権は持っていると報道されている。オバマの翌年にはコロンビア大学の研究員から中国の反体制活動家になった劉暁波も受賞した。
そしてムラトフとレッサだが、「ノルウェー・ノーベル委員会」が言論の自由を重視しているわけではないだろう。世界中で侵略、破壊、殺戮、略奪を続けているアメリカの実態を明らかにしてきた人は少なくないが、そうした人は選ばれていない。
内部告発を支援してきたウィキリークスはアメリカの犯罪的な行為を明らかにした団体だが、その象徴的な存在であるジュリアン・アッサンジは現在は現在、イギリス版グアンタナモ刑務所と言われているベルマーシュ刑務所に入れられている。アメリカの司法当局の要請でロンドン警視庁の捜査官は2019年4月にロンドンのエクアドル大使館へ乗り込み、アッサンジを逮捕したのだ。
アメリカの当局がアッサンジを起訴するにあたり、最も重要な証人はシギ・トールダルソン。この人物はウィキリークスにボランティアとして参加していたが、後にFBIへの情報提供者になった人物だ。ウィキリークスはこの人物が寄付のうち5万ドルを横領したと疑っている。
アッサンジは2010年の初め、トールダルソンに対してアイスランド政府のコンピュータに侵入して情報を盗むように指示したなどと主張していた。ところが、ここにきてそれは嘘だとメディアに証言している。トールダルソンは第三者から書類を受け取り、チェックしないままアッサンジに渡したという。
ハッキング当時、トールダルソンは「サブ」と呼ばれていたヘクター・ザビエル・モンセガーと接触していた。この人物はハッキング・グループのリーダーだったが、逮捕される。懲役124年が言い渡される可能性があったが、司法取引でFBIへの情報提供者になっていた。アイスランド政府へのハッキングを仕掛けたのはFBIを後ろ盾とするサブだ。トールダルソンはFBIの罠にかかり、FBIの情報提供者になった。証言を変えたトールダルソンは9月24日にアイスランドで逮捕された。
アメリカの戦争犯罪を明らかにしたウィキリークスが「ノーベル平和賞」を授与されることはないだろう。アメリカはアッサンジを逮捕、刑務所に閉じ込め、「言論の自由」に止めを刺そうとしている。
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