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今年1月6日の議事堂への侵入事件で警備に当たった警官4名が自殺した背景
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202108050000/
2021.08.05 櫻井ジャーナル
2020年のアメリカ大統領選挙の開票結果に納得しないドナルド・トランプの支持者が年明け直後、ワシントンDCで抗議活動を展開した。数十万人が集まったと言われているが、そのうち数百人が1月6日に議事堂へ入り込んだ。その際、抗議活動に参加していた非武装のアシュリ・バビットが上院の議場へ入る通路で警官に射殺されている。
その一方、警備に当たっていた警官のうち2名、ジェフリー・スミスとハワード・リーベングッドが事件から間もなく自殺。7月1日には1月6日の出来事を調査する特別委員会が下院に設置されて公聴会が始まるが、7月10日にはキール・デフレイタグが、また7月29日にはガンサー・ハシダがそれぞれ自殺している。このふたりも1月6日に議事堂で警備に当たっていた警官だ。
抗議に参加した人びとは次々に逮捕され、中には変死した人もいるのだが、何人かは起訴されていない。しかも、FOXニュースのタッカー・カールソンによると、そのうちふたりは議事堂の占拠を組織した人物だという。そこで、このふたりはFBIのエージェント、あるいは協力者ではないかと見られているのだが、抗議活動を行ったグループにFBIの手先が潜入していたことはFBI側も認めている。
FBIも昔から潜入工作は行ってきた。例えば1950年代に戦争反対の国民を監視する目的でCOINTELPROというプロジェクトを始めたが、それと並行して反戦集会やデモに配下の者を潜入させ、平和運動を支援していた著名人を尾行し、電話を盗聴、郵便物を開封、さらに銀行口座の調査も実施していた。それ以上のことを行っていた可能性もある。(Anthony Summers, "Official and Confidential," Victor Gollancz, 1993(アンソニー・サマーズ著、水上峰雄訳、『大統領たちが恐れた男』、新潮社、1995年)
そのFBIは昨年10月、13名を逮捕した。そのうち6名はミシガン州知事のグレッチェン・ホイットマーを誘拐しようとしたという容疑。この知事はCOVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)の感染拡大を口実にしてロックダウン(監禁策)を強行しようし、そうした政策に反対する人びとから憎悪されていた。
そうした状況の中での事件で、誘拐計画があっても不思議ではないのだが、計画作成で積極的な役割を果たしたのはFBIが送り込んだ情報提供者やエージェントだったということに有力メディアは触れていない。
ホイットマーの事件ではドナルド・トランプ大統領を逮捕しろという合唱が始まるが、このトランプをFBIは憎悪していた。2015年の段階で欧米の私的権力は次期アメリカ大統領をヒラリー・クリントンにすると言うことで内定していたと見られているのだが、ネオコンがウクライナでネオ・ナチを使ったクーデターを実施したことでロシアと中国が急接近したことで状況が大きく変わる。
ネオコンはクーデターでウクライナを属国化し、EUとロシアを分断するつもりだったのだが、中国とロシアの接近は計算外だった。中国は完全にアメリカの支配下にあると信じ込んでいたのだ。ロシアと対決する道を進むと中国も相手にせざるをえなくなる。
そこで軌道修正を図ろうとする勢力が出てきたようで、2016年2月10日にヘンリー・キッシンジャーがロシアを訪問してウラジミル・プーチン大統領と会談している。そして出てくるのがドナルド・トランプ。こうした背景があるため、トランプはロシアとの関係修復を訴えた。それだけでなく、民主党の内部ではクリントンの好戦的な姿勢に反発した人びとがバーニー・サンダースを支持、民主党の幹部やヒラリー陣営はサンダース潰しを始める。この工作はウィキリークスなどによって暴かれてしまう。CIAとFBIはトランプ潰しを始めた。
クリントンを支持していたひとりで彼女の側近だったマイク・モレル元CIA副長官(2011年7月1日から9月6日、12年11月9日から13年3月8日の期間は長官代理)は16年8月、チャーリー・ローズのインタビューでロシア人やイラン人に代償を払わせるべきだと語る。その点について司会者はロシア人とイラン人を殺すという意味かと問うのだが、モレルはその通りだと答えた。
実際、2016年11月からロシアの幹部外交官らが死亡している。まずニューヨークのロシア領事館で副領事の死体が発見され、12月にはトルコのアンカラでロシア大使が射殺され、ロシア外務省ラテン・アメリカ局の幹部外交官が射殺され、KGB/FSBの元幹部の死体が自動車の中で発見された。
2017年1月にはギリシャのアパートでロシア領事が死亡、インドでロシア大使が心臓発作で死亡、そして2月にはロシアの国連大使だったビタリー・チュルキンが心臓発作で急死。モレル発言の前、2015年11月にはアメリカ政府が目の敵にしてきたRTを創設した人物がワシントンDCのホテルで死亡している。
バラク・オバマ大統領は2016年12月、人気を終える直前に外交官35名を含むロシア人96名を追放、ロシアとの関係をさらに悪化させ、軍事的な緊張を高めようとした。
それに対し、トランプに安全保障問題のアドバイスをしていたマイケル・フリン元DIA局長はロシアのセルゲイ・キスリャクと会い、オバマ政権がロシアに対して行っている「制裁」を話題にした。挑発に乗らないで自制して欲しいと伝えたようだ。アメリカの有力メディアはこれを問題にした。フリンはトランプ政権で国家安全保障補佐官に就任するが、2017年2月に解任されている。(今回、DIA局長時代の話は割愛する。)
そしてアダム・シッフ下院議員が2017年3月に下院情報委員会で「ロシアゲート」の開幕を宣言した。2016年の大統領選挙にロシアが介入したとする声明を出したのだが、証拠は何も示していない。そして、同年5月にマラーが特別検察官に任命されたのである。
シッフはMI6(イギリスの対外情報機関)のオフィサーだったクリストファー・スティールが作成した報告書を根拠にしたが、説得力がないことはスティール自身も認めている。トランプを排除する工作ではFBIのほか、CIAやMI6も暗躍している。
スティールに調査を依頼したのはフュージョンなる会社で、その会社を雇ったマーク・エリアス弁護士はヒラリー・クリントン陣営や民主党全国委員会の法律顧問を務めていた。
フュージョンを創設したひとりのグレン・シンプソンによると、同社は2016年秋にネリー・オーなる人物にドナルド・トランプの調査と分析を依頼している。
ネリーの夫であるブルース・オーは司法省の幹部で、このオーとシンプソンは2016年11月に会っている。その直後にブルースは司法省のポストを失い、フュージョンはスティールに調査を依頼することになる。
アメリカの電子情報機関NSAの不正を内部告発したことでも知られているウィリアム・ビニーも指摘しているように、ロシアゲートが事実ならすべての通信を傍受、記録しているNSAからその傍受記録を取り寄せるだけで決着が付く。特別検察官を任命する必要はない。
遅くとも2016年の段階でFBIはトランプを潰す工作をはじめている。その実態が知られるようになり、「ロシアゲート」は有耶無耶になるのだが、2020年の段階でもFBIはトランプを潰そうとしていたと言えるだろう。
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