http://www.asyura2.com/21/kokusai30/msg/530.html
Tweet |
緊張が悪化し、直接対決に向かうイスラエルとイラン
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2021/05/post-c4e923.html
2021年5月 6日 マスコミに載らない海外記事
2021年4月29日
ウラジーミル・プラートフ
New Eastern Outlook
イランとの「核合意」へのアメリカの復帰可能性を背景に、テルアビブは、最近明らかにテヘランの核開発計画を傷つけ、この産業のみならず、イスラム共和国全体に損害を与えるため諜報機関の活動を強化している。同時に、イスラエル当局は、彼の前任者が2018年に離脱した核合意を復活させたいバイデン大統領の希望に対する不快感を隠そうとしていない。4月11日、ベンヤミン・ネタニヤフは、イランとその「衛星諸国」に対する戦いは、イランの軍備増強同様、ユダヤ国家の「途方もなく大きな課題」だと述べた。
イランを主な敵国と考え、イスラエルはテヘランの核施設を以前破壊工作し、サイバー攻撃から、昨年11月の重要な開発者の待ち伏せ攻撃を含め、核開発計画の多数のイラン核科学者を殺す直接の暗殺まで様々な方法を開発している。
ジョージ・W・ブッシュ大統領政権以来、イラン核開発計画を妨害する秘密協力の長い歴史で、イランに対する妨害行動で、テルアビブは常にワシントンの支援を得ている。おそらく、この共同作業で最も有名な作戦の一つは「オリンピック」という暗号名を付けられたオバマ政権時代のサイバー攻撃だった。結果的に、イランのナタンズ核センターで約千基の遠心分離機が運転中止となり、イランのウラン濃縮計画を何カ月間も遅らせた。
4月6日、両国間で進行中の宣戦布告なし海戦の形で、もう一つの対決が起きた。紅海のジブチ海岸近くで、ニューヨーク・タイムズによれば、イスラエル軍が、イラン船サヴィズ号に対する機雷攻撃を始めた。イラン側報道によると、この船はイランにとって「物流ハブ」役を演じるこの地域の海上警備と、地域で活動する海賊からイラン商用船舶を守るため、紅海とアデン湾に配備されていた。3月に、ウォールストリート・ジャーナルが報じたように、既に2019年以来、テルアビブが、少なくとも12隻のイラン船舶、特に石油製品をシリアに輸送する船舶に対する攻撃を実行していることを想起すべきだ。だが、その期間、アメリカとEU制裁を迂回し、イランからシリアに石油製品を輸送していたタンカーに対する数十の攻撃があったのだから、ウォールストリート・ジャーナルは「イスラエルが、これまで二年半にわたり、イランに対して行った経済戦争の氷山の一角」を明らかにしたにすぎないとイスラエル新聞ハーレツは主張している。結果的に、イランは何十億ドルもの損害を受けたと、イスラエルは指摘している。紅海からシリア海岸までの様々な地点で、イラン船舶は、あらゆる方法で攻撃されたことが書かれている。
サヴィズ号事件以外に、4月11日、イランのナタンズのシャヒード・アフマディローシャン原子力発電所で、もう一つの人為的事故があり、ニューヨーク・タイムズによれば、アメリカとイスラエル諜報関係者による犯行だ。
このような状況下で、テヘランは、またしても、攻撃が報いを受けずには済まないことをイスラエルに知らせるための対応で極めて困難な選択に直面している。当然のことだが、イランは、その報復が、欧米が核合意を復活するのを阻止しないことが確実な方法を見いださなければならないのだ。
4月12日、イラン外務省のサイード・ハティブザデ報道官は、ナタンズ・ウラン濃縮工場破壊工作に対し、イランはイスラエルに報復するつもりだと述べた。「この事件に対するイランの対応は適切なときに適切な場所での報復だ。もしこの発想の狙いが、イラン核能力を弱めることなら、それは逆効果だ。我々は故障したIR-1遠心分離機を先進的なものに置き換える。」同時に、イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣は、アメリカが核計画に関する現在の交渉で、イランに対する経済、核テロを手段に利用するのをやめければならないと述べた。
イスラエル秘密情報機関に対するイラン報復の現実を理解して、4月12日、イスラエル総保安庁(シャバック)とモサドは、国外でのイスラエル人誘拐や殺人計画というイラン諜報機関活動について、インターネットで国民に警告した。だがイランはイスラエル諜報工作員を一度も拉致しておらず、他方イスラエルは活発にそのような方法を使い、イラン核科学者のみならず多くの政界実力者をも誘拐し殺害していることを明確にすべきだ。
わずか数日後の4月13日、イラン通信社FARSは、非公式情報源を引用し、北イラクで「武装集団」が、イスラエル諜報機関モサドに属する諜報センターを攻撃し、数人のイスラエル兵士を殺害し負傷させたと報じた。
4月13日、イスラエル車両輸送船ハイペリオン・レイがUAE海岸付近で攻撃され、軽度の被害を受けたことも知られるようになった。
イラクでのイスラエル諜報センターやイスラエル船に対する攻撃は、イスラエル諜報機関によるナタンズ原子力発電所に対する攻撃や他の最近の破壊活動に対するイランの報復だったかもしれないと、アラブ・メディアは推測している。
それにもかかわらず、イスラエルは石油をシリアに輸送するイラン・タンカーに対し、宣戦布告無しの軍事行動を続けた。そして、4月24日土曜日、バニス近くのシリア沖で、石油輸送船で火事が発生した。シリア人権監視団によれば、3人が爆発で亡くなった。テルアビブとテヘラン間の宣言されない海戦の、これ以上の悪化を避けるため、ロシアはイラン石油タンカーや、シリア向けの様々な貨物船を防衛すると決めたと、軍情報部専門のDEBKAfileウェブサイトを引用して、イスラエル・テレビ局9TVが報じた。
先日イスラエル空軍は、再びシリアのイラン基地を攻撃した。これに応じて「不明な部隊」が、イスラエルに向けて旧式のソ連製対空ミサイルを発射し、一発がディモーナのイスラエル原子炉から約30キロの地点に着弾した。
最終的に、お互いの直接軍事行動をもたらしかねないので、イスラエル・イラン対決の最近のエスカレーションは中東地域だけに重要なわけではない。彼らの脅威は、二国がお互いの行動が、地域の国々のみならず、世界の大きな部分に非常に深刻な影響を及ぼしかねないそれぞれの原子力発電所を益々巻き込みつつある事実によって悪化している。
今日、既に両国とも互いの原子力発電所を難なく攻撃できることを示している。だがイスラエル攻撃は、現在のレベルのイラン核開発計画では、さほど壊滅的でない損害をもたらすが、イスラエルのディモーナ核センターへのイランによる攻撃は、この施設のプルトニウム原子炉に損害を与え、深刻な結果をもたらすだろう。
この状況で、世界共同体にとって、このようなイスラエルとイラン間の対立進行を止める必要性が、これほど緊急だったことはない。アメリカと全世界は、イスラエルがイランに対する挑発行動やイラン原子力発電所や核科学者に対する10年以上に及ぶ攻撃を奨励するのを止め、核合意更新を含め全ての問題を交渉で解決しなければならない。
ウラジーミル・プラートフは中東専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/04/29/israel-and-iran-tension-spiraling-into-a-direct-confrontation/
----------
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。