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二つの同時外訪、「両方に良い顔はできない」
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2021年4月30日 マスコミに載らない海外記事
2021年4月23日
コンスタンチン・アスモロフ
New Eastern Outlook
2021年4月2日-3日に行われた二つの重要な訪問は、その組み合わせが、北京とワシントンの紛争の中、ソウルの困難な状況を実証している。一方で、アメリカは、韓国の主要な軍事、政治同盟国であり、バイデン新大統領が狙う同盟再構築政策は、北朝鮮問題と中国「阻止」に関し、ワシントン-東京-ソウル三角形の三国間相互作用の更なる強化だ。他方、中国は北朝鮮の主要貿易相手国であり、北との相互作用は、北朝鮮を南北朝鮮間の協力に向ける可能性がある。
ソウルは、どちらの側とも関係を損なうのを避けたいと望んでいるので、韓国メディアは韓国の政策を綱渡りに例えることが多い。当然、これには、皆と良い関係を持つ必要がある。この政策の例証的表れが、同日の、韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)外務大臣が中国の王毅外務大臣面談と、国家安保室長の徐薫(ソ・フン)がアメリカ・日本の責任者との個別会談のための訪米だ。
中国訪問から始めよう。
4月2日-3日、中国の招待で鄭義溶外務大臣が廈門を訪問した。この外務大臣の最後の中国訪問は2017年11月で、2020年11月以来、両国外務大臣会談が初めて行われた。
ソウル出発前、韓国外務大臣は、朝鮮半島で永続的平和を作り出すソウルの取り組みを進歩させるため、中国との協力は「非常に重要だ」と記者団に述べ、この問題について韓国・中国間の議論は、うまく行っていると指摘した。
この会談は、地域における緊張のエスカレーションを防ぐためのソウル・北京間の協力、(習近平中国国家主席によるソウル訪問の可能性を含め)高官の相互訪問と、2022年、両国外交関係樹立30周年を記念する催しの準備を論じると予想されていた。加えて、最近の平壌による短距離弾道ミサイル発射後、アメリカ・北朝鮮間の非核化会談再開は近い将来ありそうにないため、鄭義溶と王毅は、朝鮮民主主義人民共和国に対するアメリカ政策と、その挑発的な動きや、この地域の永続的平和を構築する上での中国の関与に簡単に触れるはずだった。
保守派は即座に、この訪問を非難した。中央日報は、大半の韓国外務大臣が就任後、最初にするのは、ワシントンD.C.訪問なのに、鄭外務大臣は中国を訪問し、文在寅政権が、どれだけ中国に重要性を置くか示している。もし韓国外交官がきっぱり振る舞わなければ「韓国は何十年もの歴史ある同盟国から切り離され、中国に服従させられかねない」。
外相会談で、王毅は「韓国と中国は戦略的パートナーで、地域の平和と安定、グローバル・ガバナンスの共同開発と安全保障追求の上で、共通あるいは類似の立場にある」と述べた。両国を永遠の隣人と呼び、王はソウル・北京間の戦略上情報伝達の重要性を強調し、会談が非常に時宜に適っていると述べた。
王は両国は「開放性と包括性」を好み、「国際法に基づいて、国際秩序を維持し、多国間主義を擁護し、共通の利益を拡大するために協力する」ことを誓った。朝鮮民主主義人民共和国に関して、王は「中国は韓国とともに、対話を通した朝鮮半島問題の政治的解決プロセスのため努力する」と付け加えた。
鄭義溶も両国が朝鮮半島の完全非核化の共通目的を共有することを強調した。
中国の習近平国家主席の韓国訪問については、双方が「Covid-19の状況が安定し次第」実現することに同意した。だが中国の最終声明はこれに触れていなかった。
鄭と王は「韓国の地域の政治構想と中国の一帯一路構想の協力を継続的に探究する」ことにも同意した。
加えて、将来の二国間関係発展のロードマップを開発するため、上半期に合同委員会を設立することにも同意した、来年、ソウルと北京は両国の国交樹立30周年を祝う。両大臣は、今年前半に、外務次官レベルと、外交、防衛当局者が参加するに「2+2」会談で、戦略的対話を推進することに同意した。
この点に関し、コリア・タイムスは、中国が北に対する影響を及ぼすことができる唯一の国なので、ソウルは、平壌とワシントン間でこう着状態の非核化会談を復活させ、和平策定プロセスを達成するため、北京の協力を得ようとしていると指摘した。だが、アメリカと中国が、北朝鮮の核問題のような、地球規模の共通課題に関して、進んでお互いに協力するかどうかは不明だ。G2間でエスカレートするライバル関係を考えれば、彼らの協力の見通しは明るくない。ワシントンが反中国同盟構成を強化する中、一層そうだ。バイデンは、クアッドとして知られる非公式の四カ国戦略対話を拡大しようとしている。だがソウルは板挟みにならないようワシントンと北京間でバランスを維持することが重要だ。
より保守的なKorea Heraldは、王毅が「北朝鮮の安全保障に関する妥当な不安を取り上げなくてはならない」と言ったと報じている。この新聞によれば、北京は朝鮮民主主義人民共和国の政権を維持したいと望んでおり、北に対する制裁は緩和されなければならないことを意味する。この文脈で「北京が北朝鮮非核化に役に立つ役割を果たすかどうかは疑わしい」。
次は、アメリカ訪問だ。
徐薫とジェイク・サリバンと北村滋の会談は、ワシントン近くのアナポリスの米国海軍兵学校で(象徴的だと専門家は言う)対面で行われ、徐薫はジョー・バイデン政権成立後、アメリカを訪問する最初の韓国高官となった。
国家安全保障会議広報担当エミリー・ホーンによれば、会談は「広範囲な地域問題や、朝鮮半島での平和と安定の維持や、Covid-19流行を取り上げ、気候変動との戦いを含め、外国政策の優先順位に関し、各国が話し合う機会」になった。国家安全保障責任者レベルでの多国間対話は「自由な開かれたインド-太平洋地域の重要問題に関し、我々の協力を広げ、深め、我々共通の繁栄を推進する重要性を反映している」。朝鮮民主主義人民共和国に対する新政策の最終版決定に、同盟諸国が発言したり、少なくとも影響を与えたりする機会として、うまく間に合った。
徐薫によれば、韓国と日本とアメリカは、平壌との非核化交渉を出来るだけ早く再開する彼らの共同の取り組みを繰り返して「北朝鮮核問題の緊急性と、問題の外交的解決の必要性に合意した」。「アメリカは進行中の北朝鮮政策見直しの暫定結果を説明し、韓国、アメリカと日本の国家安全保障責任者は、北朝鮮との交渉措置の準備や実施に関する様々な問題に関し詳細な議論を行った」。
「韓国とアメリカと日本は、気候変動などの地球規模の問題を議論し、共通の価値観に基づいて協力を強化することも同意した」。最後の文は著者にとって非常に重要だ。アメリカと中国の対立は、政治的ではなく、価値観の対決だというポンペオや他の連中の発言を想起願いたい。自由 対 全体主義。
もちろん「強化に同意する」は、まだ本格的協力がないことを意味するが、徐薫は「三国は、この三国の国家安全保障責任者会談を通して、様々な共通の関心問題に関し戦略的対話を継続することが可能だ」と考えている。
会談後の文書で、ホワイトハウスは、やや異なることを強調した。安全保障責任者たちは「北朝鮮の核弾道ミサイル計画に関する懸念を共有し、非核化に向けた三国間の真剣な協力を通して、これら問題に対処し解決する誓約を再確認した」。彼らは、北朝鮮によるいかなる核や弾道ミサイル実験も禁止する国連安全保障理事会決議の完全遵守の必要性を強調し、「共有する安全保障の目標を擁護し、推進するための協力への断固とした誓約を再確認した」。「引き離された韓国人家族の再会と拉致の迅速な解決」の重要性が特に言及された。
「共通の価値観に基づく協力」を含め、ほとんど同じ言葉遣いが会談後の共同声明に現れた。「北朝鮮核問題を解決する協力と共同行動への誓約」「平壌が継続している核とミサイル計画を巡る懸念」や「国連安全保障理事会決議の完全実施の必要性」。にもかかわらず「北朝鮮とアメリカ間の交渉を再開する努力が、できるだけ早急に行われなければならない」この句は、徐の要請で声明文書に入れられたとされる。
全体会談以外に、韓国代表は二国代表と個別に会った。サリバンとの二国間交渉で、北との非核化交渉に対する南北朝鮮間の良い関係の好影響を強調したと徐は述べた。だが彼は「韓国とアメリカの協調戦略」の重要性にも触れている。この文脈で、アメリカ側が「北朝鮮に関する、これまでの進歩を説明し、プロセスの残った部分で、協議を続けることに同意した」のは成功と見ることができる。言い換えれば、一般方針がソウルに説明された。彼らは聞くことに同意した。
だがソウルとワシントンは韓国とアメリカ大統領のサミットを行うため「原則的に合意」した。確定期日を設定せず、両者は出来るだけ早くサミットを行うことに合意した。
徐は日本の国家安全保障責任者と二国間交渉を行い「韓国と日本が北朝鮮に対するアメリカ政策を再検討するプロセスで、建設的で積極的な役割を果たすことに同意し、北朝鮮核問題を解決するための韓国とアメリカと日本の協力の重要性に合意した」。訪問前、韓国メディアは「日本の北村滋国家安全保障局長との会談で、朝鮮半島の持続可能な平和を保障するソウルと東京による共同案が論じられる」と書いていたのを考えると、言葉遣いは、むしろ曖昧だ。
一見してわかるように、いずれの例も、双方とも交渉はうまくいったと発表したが、大きな問題は、あちこち残ったままで、重要な分野ではほとんど目に見える結果はない。実際、二つの会談は、北朝鮮問題を含め、地域の安全保障問題を議論し、中国とアメリカの両方で、韓国当局者は建設的で積極的な手法を実践した。だが、いずれも、重要性の小さな項目の分野で協力する意志と、一般声明で終わっている。
更に、二つの訪問のマスコミ報道に注意を払えば、より保守的傾向の韓国の英語メディアは、アメリカ訪問より、中国訪問に、ずっと批判的だった。常に文を隠れ共産主義と中国寄り政治のかどで非難する保守派の観点からは「ソウルは北京にひれ伏すのをやめ、主な同盟国が誰か想起すべき頃合いなのだ」。
理由は異なるが、現実主義的手法の支持者も似たような立場だ。この見方は、THAADを受け入れる韓国の決定後、中国は敵意をむき出しにしたが、ソウルが一方につけば、もう一方の側が起こす懸念を考えれば、アメリカの締めつけが、あり得る貿易戦争に関してさえ遥かに強くなりかねないというものだ。
ともあれ、離れた二つの椅子に座ろうとして、ソウルは既に絶望的に開脚準備をしているが、著者はこのようなアクロバットが一体どう終わるか興味深く見守っている。
コンスタンチン・アスモロフは歴史学博士、ロシア科学アカデミー極東研究所朝鮮研究センター主任研究員。オンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/04/23/two-parallel-visits-or-we-ll-dance-with-both-of-you/
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