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習近平はヒトラーになるのか 中国の自信はファシズムの萌芽 三枝成彰の中高年革命
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/288047
2021/04/17 日刊ゲンダイ
ますます世界に圧を加えてくる(中国の習近平国家主席)/(C)AP=共同
最近出たカナダの科学者バーツラフ・シュミル氏の著書「世界のリアルは『数字』でつかめ!」(NHK出版)が面白い。彼は「これから30年後の中国は、ここ30年の日本の停滞と似た道筋をたどるだろう」と指摘する。
IMFの購買力平価ベースの実質GDP調査で、中国はアメリカを32%上回っている。やがては世界1位になると思われるが、世界銀行の1人あたりの実質GDP調査では73位。アルゼンチンとドミニカ共和国やガボンの間にとどまるそうだ。一部の金持ちを除く大半の国民は裕福とはいえず、大気汚染の度合いはWHOが定めるPM2・5濃度の上限の20〜40倍。下水処理施設のない前近代的な環境に暮らす人も多い。原油は消費量の60%を輸入に頼り、湾岸地域には原子炉が多数建設されている。さらに2010年を境に高齢化が進み、生産年齢人口は減少しているという。
近代では英国のユニオンジャックが、そして大戦後はアメリカの星条旗が世界を席巻した。一時期、日本の日の丸も少し見えたが、今では中国の五星紅旗が大きくはためいている。40年前に中国に行ったとき、人々の貧しさを見て、「まるで瀕死の巨象のようだ。この国の再起はないだろう」と思った。
しかし、その後の盛り返しは驚異的で、もっとも強大な国の一つとなった。こうした数字だけを見れば、その強大な国の実像はこの程度なのかとも思えるが、私個人は、自信に満ちあふれた中国の態度が気に入らない。
中国の横暴さは、ときに目に余る。しかし、それは決して他人事ではない。
彼らの横暴を許すことは、私の自由を失う可能性につながることに気づかねばならない。長く“一国二制度”で統治されてきた香港の市民の自由を、「国家安全法」の名の下に奪い、弾圧したことは記憶に新しい。そして次には台湾にも手を伸ばそうとしている。かつての帝政ロシアが近隣のヨーロッパ諸国やアジアに版図を広げたように、中国も世界の覇者たる日を虎視眈々と狙っているように思える。
中国は、日本の領土である尖閣諸島にも領土権を主張し、にらみ合いが続いている。また、かたやアフリカの開発に資金を供給し、かたや“一帯一路”を掲げて、中国本土からドイツに至るまでの経済圏構想を着々と現実のものにしている。「瀕死の巨象」が息を吹き返し、強大な力と自信をよみがえらせたときに、何が起こるか? どれだけ広い国土を持っていても、「自分たちには力がある。自分たちにはできる」と気づいたときに、どこまでも国境線を広げたくなるのが人間の性なのだ。それこそが、かつてのナチスやイタリア、そして戦前の日本に広くはびこっていたファシズムの萌芽である。
長らく寝たふりをして、猫をかぶっていた中国の本性に、世界は気づいていなかった。14億の民は、世界の5人に1人である。その大きさをもって、ますます世界に圧を加えてくる中国に対して、危ういものを感じるのは私だけではないだろう。
習近平国家主席は、新しい時代のヒトラーになるかもしれない。
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