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標的は中国:目標ばらばらなクアッド
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2021年3月16日 マスコミに載らない海外記事
Binoy Kampmark
Asia-Pacific Research
2021年3月11日
四カ国戦略対話は断続的に行われているが、現実のものであれ、そうと見なされるものであれ、このような対話を促進する脅威はない。2017年、河野太郎外務大臣は、日本、アメリカ、オーストラリアとインド間の戦略的対話を復活すべき時期だと感じた。より本格的なフォーラムになりつつあるクアッドと呼ばれているものは、2004年スマトラ沖地震津波の余波の中の四カ国協調的取り組みが起源だ。公式には、2007年に立ち上げられたが、この構想は次第に弱まった。
このようなフォーラムの進展は、典型的に、高官レベルで始まり、その後大臣へと格上げされる。国のリーダーが掌握するまで、上層部が引き込まれる。だが当初から、北京は眉をひそめた。だが、これは本格的な渋面に至るのを意図しているわけではない。
「アジアNATO」と、いささか不適切な名前つけられたこの将来性は、トランプ政権が固い決意と説得力で、この共同体を期待したが、さほど真剣には受けとめられなかった。2020年10月、当時のアメリカ国務長官マイク・ポンペオは、中国と戦うため、グループ分けを語った。「これは世界中の人々のためのものだ。世界を法に基づく国際秩序で動くものにするのか、それとも中国のような強制的な全体主義政権に支配されるかの問題だ。」当時、ポンペオは、2016年に、日本の安倍晋三前首相が推進した考えの、より物腰が柔らかい提案、自由な開かれたインド-太平洋、でよしとしなければならなかった。
それにもかかわらず、四大国は、習近平主席の地域は、決して喜ばないだろう絵を描いていた。去年9月の記者会見で、中国外務省の汪文斌報道官は、来る10月のクアッド会談に対する政府意見を尋ねられると、「排他的徒党組織の形成」だとぶっきらぼうに述べた。「第三者を標的にしたり、第三者の権益に悪影響を及ぼすしたりする狙い」は、確かに「地域の諸国間の相互理解と信頼」に貢献する協力のようには望ましくない。
先月、クアッド四カ国の外務大臣が会合した。日本の茂木敏充外務大臣は「自由な、開かれたインド-太平洋に向けた、この地域と世界の問題での協力に関する率直な会談」だと表現した。アメリカ国務省のネッド・プライス報道官は、文書で、議論では「より広い地域で民主的な回復力を強化することの優先」と「航行の自由と領土保全の支持」の維持も含まれると指摘した。
バイデン政権もクアッドの地位を高める努力をしている。3月12日、大統領は、日本、オーストラリアとインド首相と、バーチャル会議を行な予定だ。ジェン・サキ大統領報道官は、このような会議は、同盟諸国やパートナーを真剣に受けとめるバイデンの熱心さを示すという最近よく使われるメッセージを繰り出した。報道官によれば、会議の話題には「COVIDの脅威」「経済協力」や「気候問題」がある。中国がバーチャル・チャット饗宴にやって来ない可能性を無視できるのは、とんでもない愚か者だけだ。
政権幹部は、より率直で、ロイターに「これは、共通の大義と狙いの非常に強い信号を送るものだ。目標は、基本的に、インド-太平洋における外交の新たなものとしてクアッドを紹介することだ。」と述べた。同様に、オーストラリアのスコット・モリソン首相は、クアッドについて「インド-太平洋への関与の特徴」であり、「大きな事務局がある大きな官僚制」ではなく「四人の指導者、四つの国」の集団だと述べた。中国の力への対抗勢力であることを明確にするため、北京を名指しすることなく、モリソンは、この組織は、「地域の平和と安定の錨」として描いた。
だが、どのように中国に対処すべきかは、各国それぞれ違う。オーストラリアは中国の干渉と、この太平洋地域の政治参入で頭がいっぱいで、中国の影響をくい止めるため、アメリカの威力に便乗している。日本は中国との良い関係は重要だと考えているが、アジア・太平洋の支配的勢力としてのアメリカを進んで受け入れている。
インドは最も慎重な参加者だ。その外交政策は、冷戦中も維持した非同盟時代に遡る。日本やオーストラリアと異なり、戦略上優位性を装った圧倒的ないじめっ子が遊び場にいるという考えには興味がない。だが中国との関係は厄介なままだ。インフラを作るための競争でもあるヒマラヤ地域での国境紛争は、2020年6月に流血事態となり、ガルワン渓谷での紛争で、20人以上のインド兵が死亡した。双方による挑発非難のやりとりは、昨年以来、益々頻繁になり、係争中の地点からのインド軍と人民解放軍の相互撤退も、まだ行われていない。
2020年11月、ニューデリーは、毎年、アメリカと日本が参加して何度も行われているマラバール海軍演習に、オーストラリアを招待した。ナレンドラ・モディ首相は変わりつつあるように思われる。今週、インドは、外務大臣のバーチャル会議に、彼が参加し、この会議は、今年二月、外務大臣が議論した分野を話題にすると明らかした。「リーダーたちは、この地域と世界の共通の関心事を話し合い、自由で開かれた包摂的なインド・太平洋地域を維持するための協力の実務的分野について意見を交換する。」
共通の基盤が多々あるにせよ、クアッドが中国を包囲する安全保障協定へと開花する可能性は、ありそうにないように思われる。クアッドが挑発的であっても、北京の一層慎重な賢人たちは、四国の相違を考慮し、それに応じて、各国に対処するだろう。より抜け目のない側は、連中を操ろうとさえするかもしれない。
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Binoy Kampmark博士はケンブリッジ、セルウィン大学奨学生だった。彼はメルボルンのロイヤル・メルボルン工科大学で教えている。彼はGlobal ResearchとAsia-Pacific Researchの常連寄稿者。電子メール: bkampmark@gmail.com
記事原文のurl:https://www.asia-pacificresearch.com/eyes-china-quad-takes-scattered-aim/5629991
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