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米英の対ロシア戦略のおけるポーランドの役割(1/4)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202102130000/
2021.02.13 櫻井ジャーナル
ポーランド軍が行ったロシアとの戦争を想定したシミュレーションの結果、アメリカから供給されるF-35戦闘機、パトリオット対空ミサイルシステム、HIMARS自走多連装ロケット砲などが使われたにもかかわらず、4日間でワルシャワが占領されたという情報が伝えられている。
通常は漏れない話が漏れたということで、「ロシアの脅威を煽るためにリークした」とか、「ポーランド軍の内部で対立が生じている」といった説がささやかれているのだが、2008年8月にジョージアが南オセチアを奇襲攻撃した際のことを考えれば、当然の結果だ。
北京オリンピックの開幕に合わせての攻撃だったが、その約8時間前にジョージア大統領のミハイル・サーカシビリは南オセチアの分離独立派に対話を持ちかけている。だまし討ちだった。
ジョージア軍が完膚なきまで叩きのめされたことから、「無謀な作戦だった」と言う人もいたが、この作戦はイスラエルやアメリカの支援を受けて準備したものだった。
イスラエルがジョージアに武器/兵器を含む軍事物資を提供、将兵を訓練しはじめたのは2001年。ジョージア軍を訓練したのはイスラエル軍のガル・ヒルシュ准将(予備役)が経営する「防衛の盾」で、予備役の将校2名の指揮下、数百名の元兵士が教官としてグルジアに入っていた。軍事訓練の責任者にはヒルシュのほか、やはりイスラエルの退役将軍であるイースラエル・ジブも含まれる。イスラエルから供給された装備には無人飛行機、暗視装置、防空システム、砲弾、ロケット、電子システムなども含まれていた。
当時のジョージア政府にはヘブライ語を流暢に話す閣僚がふたりいたことも知られている。ひとりは奇襲攻撃の責任者とも言える国防大臣のダビト・ケゼラシビリであり、もうひとりは南オセチア問題で交渉を担当しているテムル・ヤコバシビリだ。
そのほか、アメリカの傭兵会社MPRIとアメリカン・システムズが元特殊部隊員を2008年1月から4月にかけてジョージアへ派遣して軍事訓練を実施、同年7月にはコンドリーサ・ライス国務長官がジョージアを訪問している。南オセチアへの奇襲攻撃はその翌月だ。アメリカ政府の承認を受けての奇襲攻撃だったのだろう。
その当時、アメリカを支配している勢力はロシア軍を甘く見ていた。1991年12月にソ連が消滅した後、ボリス・エリツィン時代にロシア軍を弱体化させていたので、ウラジミル・プーチンの時代になっても再建できていないと見ていたのだ。
例えば、フォーリン・アフェアーズ誌の2006年3/4月号に掲載されたキール・リーバーとダリル・プレスの論文によると、アメリカ軍の先制第1撃でロシアと中国の長距離核兵器を破壊できるようになる日は近いとされている。
ロシアや中国を先制核攻撃する日が近づいていると彼らは考えていたのだろうが、その分析が間違っていることを2008年8月の南オセチア奇襲攻撃が証明した。2015年9月末にシリア政府の要請でロシアは軍事介入したが、その戦闘でもロシア軍の強さを世界に印象づけた。つまり、ポーランド軍が行ったシミュレーションの結果は当然だということである。(続く)
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