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※女性セブン 2022年3月31日号 紙面クリック拡大
期限切れワクチンのリスク 問題にすべきは「有効期限よりも取り扱い方」
https://www.news-postseven.com/archives/20220318_1735590.html?DETAIL
2022.03.18 16:00 女性セブン NEWSポストセブン
3回目接種が進んでいる(共同通信社)
あなたは消費期限を過ぎた食品をおいしく、安全だと思って、安心して食べられるだろうか。もし、その消費期限がこっそり延長されていたら、不安に思わないだろうか──3回目接種が進むなか、副反応とは違う、新たな不安が浮上している。
「今日打つのは、当初の有効期限が切れたワクチンですが、それでもいいですか?」
2月下旬、都内在住の50代女性は3回目接種の直前に、医師からそう聞かれたという。
「有効期限切れワクチンだと急に言われて、本当に驚きました。打つ直前ですよ? そんな話はその瞬間まで聞いてなかったし、接種すべきか悩みましたが、日にちを調整して接種会場にきたので急にやめるわけにもいかず、そのまま打ちました。あれからずっとモヤモヤが続いて、本当に接種してよかったのかと思い悩んでいます」(50代女性)
接種の遅れを取り戻すべく政府が発した大号令のもと、新型コロナの3回目のワクチン接種が進められている。
しかし、冒頭の女性のような不安の声が多く聞かれる。都内在住の60代主婦が言う。
「3回目を接種して自宅に帰ってふと接種済証を見たら、ワクチンの有効期限について、『3か月延長』とのスタンプが押されていました。3回目を終えてホッとした気持ちが吹っ飛んで、“そんなものを体に入れて大丈夫だろうか”と不安になりました。接種済証を見なければ、期限切れにさえ気づきませんでした」
安心を得るためのワクチンで逆に不安が増す──なぜ、こんなことが起きているのか。
ワクチンの有効期間は当初、ファイザー製もモデルナ製も製造から6か月間だった。しかしファイザー製は昨年9月10日に「9か月」に突然延長。モデルナ製は昨年7月16日に「7か月」となり、11月12日に「9か月」に再延長された。
厚生労働省のホームページには以下の記述がある。
《より長くワクチンを保存した場合に品質が保たれることについてデータが集められれば、そのデータに基づき、薬事上の手続きを経て、有効期間が延長されることがあります》
しかし有効期限延長の周知は徹底されておらず、接種現場では多くの混乱を招いていた。そもそもまともな臨床試験さえ経ていないワクチンに「延長のデータ」が充分にあるのか。新潟大学名誉教授の岡田正彦さんが指摘する。
「有効期限の延長を知らずに多くの人がワクチン接種に臨んでいるのだとすれば、政府の説明が足りなかったからでしょう。“期限切れワクチン”だと知らされないまま、接種が進められているなら、それこそだまし討ちですね」
ワクチンの有効期間は、ファイザー、モデルナともに延長され「9か月」に(共同通信社)
そもそもワクチンの有効期間とはいかなるものか。医療ガバナンス研究所理事長で内科医の上昌広さんが説明する。
「一般に有効期限とは、製薬会社が薬の安定性を検査し、指定された保管方法において、いつまでなら有効性が保たれるかを保証した期間をいいます。薬は一定の保存法でも時間が経てば劣化します。“いつまでなら効果があるのか”を示したものが有効期限です。
通常のワクチンは生のウイルスや、たんぱく質をバラバラにして不活化したウイルスを原料として用います。そうしたワクチンの有効期限はだいたい1年。インフルエンザのワクチンもそうです」
今回のように、一度設定されたワクチンの有効期限が承認後に延長されることはあり得るのか。
「過去には例がありません」
そう言うのは岡田さんだ。
「インフルエンザのワクチンは流行に合わせて計画的に生産し、有効期限が切れたら破棄します。コロナワクチンは人類が初めて経験するもので、ただでさえ不安な中、有効期限を延長するなんて、まさに前代未聞です」(岡田さん)
どうせ延長するなら、最初から9か月にしておけばよかったのではないか―延長された理由について、上さんは「ワクチン不足」を指摘する。
「コロナワクチンは、有効期限を6か月とした当初から、供給不足が不安視されていました。実際にワクチンが足りなくなり、切羽詰まった製薬会社が急きょワクチンの安定性を検査して、9か月でも有効性に変化がなかったから有効期限を延長したと考えられます」
慌てて3回目接種をする必要はない
最も気になるのは「期限切れワクチン」のリスクだ。上さんは「科学的にはそれほど心配はいらない」と語る。
「ファイザー製とモデルナ製のワクチンは、ウイルスの遺伝情報を体内に注入するmRNAワクチンです。このタイプは特殊な冷蔵庫でしっかりと冷凍保存しておけば、有効期限が3か月延びても安全性、有効性ともに問題はないと考えられます」(上さん)
岡田さんは、「問題とすべきは有効期限よりも取り扱い方」と指摘する。
「遺伝子はいったん凍らせれば長期にわたって保存できます。ただし、注意すべきは解凍してから接種するまでの保存状態で、mRNAワクチンは室温で希釈してから6時間しか持ちません(ファイザー製の場合)。
その際に温度が上下したり、空気に触れるなどして取り扱いを誤ると、ワクチンが劣化して効果が下がります。それでも毒性が増すとは考えにくい」(岡田さん)
3回目接種を終えたのは人口の30%(共同通信社)
コロナワクチンは副反応の強さが指摘されるが、「期限切れワクチン」の副反応はどうか。血液内科医の中村幸嗣さんが言う。
「製薬会社は有効期間の延長に際して実験を行い、効果を確認してから延長申請をするので有効性、安全性とも心配は無用。延長前のワクチンと成分は同じなので、副反応も変わらないはずです」
製造日が古いワクチンほど効き目が劣る可能性はあるだろうか。
「mRNAワクチンの製造法は変わっておらず、最初から同じです。冷凍保存が厳密になされていれば有効期限を3か月延長しても効果を維持できるので、製造日が古くても体に影響はないとみられます」(岡田さん)
ファイザー製、モデルナ製とも当初の期限切れで3回目接種をしても、現時点で大きな問題は見当たらないようだ。
中村さんは、「期限切れワクチン」に不安を覚える人々に理解を示したうえで、国の責任に言及する。
「事前に何の説明もなく、接種直前に“期限切れのワクチンです”と言われたり、接種済証に期限延長のスタンプが押されていれば、患者が不安になるのは当たり前です。
そうした不安は厚労省やワクチン担当大臣、厚生労働大臣の無策が招いたもので、国が国民に対して必要な事実を伝えていません。河野太郎さんがワクチン担当大臣を続けていれば、期限切れの問題についてもしっかりと広報して人々の不安を打ち消していたはずです」(中村さん)
それでは肝心の3回目接種はどうすべきか。
「これは有効期限の延長問題とは関係なく、オミクロン株の出現でワクチンの感染予防効果は下がっています。ただし重症化予防効果はあるとみられるので、ハイリスクな高齢者や基礎疾患のある人は3回目を打った方がいい。
一方で感染しても重症化しない若者や子供は無理して打つ必要はない。すでにオミクロン株は収束に向かっていることもあり、慌てて接種するよりも次の波に備えて新たなワクチンの開発を待つのが賢明でしょう」(中村さん)
「期限切れワクチン」かどうかではなく、いまの自分に必要かどうかで3回目接種を判断することが求められる。
※女性セブン2022年3月31日号
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