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2023年12月24日 07時05分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/297884?rct=hissen
本日は小さな物語を。とても寂しい男がいつの頃からか村のはずれで暮らすようになりました。友だちはやせっぽちの犬だけ。どこから来たのかも分からず、ときどき盗みさえ働く男を村人たちは嫌っていました。誰も口さえききません。
クリスマスの近づくある日、村に騒ぎが起きます。「本当はサンタなんていない」。そんなうわさが広まり始めたのです。
「サンタがいるのなら、暮らしはもっと楽だろうよ」。村人はうわさを信じるようになり、サンタはいるよと口にした子どもはひどくしかられる始末です。
寂しい男はいいことを思いつきました。その日から男は「サンタはいない運動」の先頭に立ったのです。サンタなんかいない。サンタなんかいない−。男は叫びながら町中を行進します。
男は人気者になりました。でもほんの短い間のこと。少し前まで嫌われ者だった男を村人はやっぱり疑うようになりました。「あんな男を信用できるかい」「あいつはうちのパンを盗んだこともある」。とうとう、村人全員が男の言葉とは反対にサンタはいると信じるようになりました。
クリスマスの日。男は村を追い出されてしまいました。吹雪の道を苦労して歩く男にやせっぽちの犬が不思議そうに尋ねました。「なんだってあんなことしたんだい」。男はうれしそうに言いました。「僕にしかできない大仕事だと思わないかい」
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