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無縁仏が生きる支えに「一人じゃない」 かつての日雇いの街で死後の不安を和らげる場所(東京新聞)
http://www.asyura2.com/21/idletalk42/msg/263.html
投稿者 蒲田の富士山 日時 2023 年 7 月 09 日 13:39:58: OoIP2Z8mrhxx6 ipeTY4LMlXiObY5S
 

2023年7月9日 06時00分

https://www.tokyo-np.co.jp/article/261791

 かつて日雇い労働者が集まった横浜市中区の「寿地区」では、亡くなった後に引き取り手のいない「無縁仏」を、住民が家族に代わって弔い続けている。市内の寺の墓地に眠る仲間に祈りをささげることが、生きる支えにもなっている人たちがいる。 (米田怜央、写真も)
 引き取り手のない死者 亡くなった人に親族がいない場合、第三者が埋葬か火葬すると生活保護法に基づき葬祭扶助が支給される。第三者を含めた葬祭人がいなければ行旅病人および行旅死亡人取扱法や墓地埋葬法に基づき市区町村が行い、遺骨は公営墓地や委託先の宗教施設などに保管。公益社団法人「全日本墓園協会」が2014年、790市区を対象にした調査によると、回答のあった321団体のうち105団体には公営墓地がなかった。
 横浜市内を見晴らす高台に墓はある。青葉区恩田町の徳恩寺の合葬墓「千秋せんしゅうの丘」の前には、色鮮やかな花が供えられていた。雨がしとしと降る3月下旬、知人らと訪れた高齢の男性は傘を置き、墓石を拭いた。
 「仲間が覚えているぞ、と伝えたくて」
 墓から20キロほど離れた寿地区が、男性たちの生活拠点だった。中心の地名から「寿町」と呼ばれ、戦後の米軍による接収が1955年に解除されて以降、港湾労働者と簡易宿泊所が集まった。住職の鹿野融完かのおゆうかんさん(53)は「家族と疎遠な人も少なくない。死後の不安を和らげる場所がなかった」と話す。
 先代である鹿野さんの父が、寿町の住民とつながりのあった弟子から実情を伝え聞き、50年近く。2代で地蔵を建て、無料で経を唱えた。91年からは千秋の丘に無縁仏を埋葬している。東京・山谷地区などの路上生活者らを含めた300人以上の遺骨が眠る。
 40年近く寿町で暮らす近藤昇さん(75)は「弔う気持ちがあっても、市営の墓地には埋葬されているかさえ分からない」。横浜市は個人情報だとして、親族以外に埋葬先を原則伝えない。だからこそ、千秋の丘は「旧友をしのべる場所がよすがになる」という。
 寿町の簡易宿泊所に暮らす5400人の高齢化率は5割を超え、多くは単身者。人生の終わりをどのように迎えるかを考えることは避けられない。町の福祉作業所に長年携わる佐藤真理子さん(70)によると、以前は「どうせ誰からも供養してもらえないんだ」と投げやりな人が多かった。亡くなった後に遠方の親族に伝えても「遺骨を宅配便で送って」とそっけなかった。
 千秋の丘ができてからは、佐藤さんの元には少ないながらも、毎年のように合葬を望む人からの問い合わせが続く。「死後を考えられることが、安心して生きることにつながっているのではないか」と推し量る。
 福祉作業所で働く男性(64)は合葬を願う。沖縄出身で漁師や建築業を転々とし、30年ほど前に寿町へたどり着いた。パートナーや子はいない。千秋の丘には共に旅した友人たちが眠る。男性は笑って言った。
 「一人じゃない。だからこれからも、死んだ後も、ここにいたい」

◆核家族化や少子高齢化で「誰もが無縁になりうる」
 核家族化や少子高齢化を背景に、無縁仏の問題は身近になっている。識者は「誰もが無縁になり得る」として行政による支援の必要性を指摘する。
 引き取り手のない死者は市区町村や第三者が埋火葬する。総務省が全国の自治体に実施した調査によると、2018年4月〜21年10月に10万5773人いた。身元が判明しながら葬祭する親族がいなかったケースがほとんどだ。
 22年の国民生活基礎調査によると、65歳以上の単身者は873万人で、01年から550万人以上増えた。
 一般社団法人・シニア生活文化研究所(東京)の小谷みどり代表理事は「血縁という縦のつながりが薄れている。孤立や貧困という背景にかかわらず誰もが無縁になり得る社会で、共同体がつくる横のつながりによる弔いに目を向けなければいけない」と話す。
 徳恩寺のような血縁を超えた墓は老人ホームなどでも広がる。小谷さんは「民間任せにせず、希望する人が家族やお金の有無にかかわらず入れる墓地を行政が整備する必要がある」と強調した。

【関連記事】<かながわ未来人>供養 誰をも同じように 寿町の無縁仏眠る「千秋の丘」管理 徳恩寺住職・鹿野融完さん  

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コメント
1. 2023年7月24日 05:35:43 : H3qewymxyA : akJmdGxndm1hajY=[-6976] 報告
<△ペンネーム無しでコメントが16行くらい>
生贄になった人の動いている心臓を置く像の絵かき歌?ふざけてる!

中国共産党=NHKは開き直ったのか?

企業、宗教、慈善団体を隠れ蓑にし悪魔崇拝者、李家ユダヤ人=中共🇨🇳が日本乗っ取り中!
https://t.co/zB1JsbWBfX
悪魔崇拝者に打ち勝つ為には善を積み、神様に祈ること。
https://t.co/SyM8DhCbIo



[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理

2. イワツバメ[638] g0ODj4Njg2@DgQ 2023年7月26日 20:24:34 : AUjLr1EJ72 : c2FMZllMTlBVT2s=[3020] 報告

身寄りも無い、と思っている人に生きる意味を見つけてあげる。

尊いです。

こんな住職のように生きたいものですね。

3. 怒鳴るド虎nプ[2055] k3uWwoLpg2iM1W6Ddg 2023年7月29日 07:00:32 : ZbjF1PkvcI : Mk1xbnhucEIva0E=[9] 報告
これは素晴らしい記事ですなあ、、、、

地域社会の素晴らしさを再認識させてくれる

阿修羅の便壺iちゃんも、ここの世話になると良い。

4. 2023年8月08日 09:11:56 : BMSXj9gDsc : M3NGa1RmaFR1NGs=[263] 報告
物は言いよう、一見美談だけど考えようによっては、貧困ビジネスにも思える。
生活保護制度には「葬祭扶助」 定められた範囲内で実費を支給するとある。
これを目的としたビジネスならば大した話ではない。

5. 怒鳴るド虎nプ[2154] k3uWwoLpg2iM1W6Ddg 2023年8月17日 14:45:38 : HHc1Sh8AWw : RVozWS9WVDU2MmM=[9] 報告
「今年3月25日午後3時に杉浦克昭(ピーコ)さんが窃盗の容疑で逮捕されたのは事実です」

善悪の判断がつかない
 捜査関係者によると、

「万引き被害にあったのは近所の店で、盗られたのは酒。これまでに何度もやられているので怒った店主がピーコを取り押さえて警察に通報し、現行犯逮捕となった。ただ、ピーコ本人は善悪の判断がついておらず、いまいち話もかみ合わない。そのためすぐに釈放。役所が間に入り、施設で保護することになりました」

 ピーコが万引きを働いたのはこの店だけではない。


https://news.yahoo.co.jp/articles/11bd323b20485cfe7721dbd5571c5beaaaf0245b?page=1

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
まさかねえ?


あの「おすぎとピーコ」の晩年が、こんな気の毒な人生になっているだなんて。しかも彼らを保護する人は、周囲に皆無だという厳しい現実。


これ他人事だと解釈してよいか?

孤独な高齢化社会と、政治の失敗によって「類似」事件が殺到する社会が、もうすぐ到来する。おすぎとピーコも「やがて」無縁仏となる運命でしょう。


美川憲一だって、さあどうなることか?



「年齢を重ねてくると本当に人ごとではないですよね。物忘れも多くなるし、足腰も弱るし。その中でもし一人で生きていかなきゃならないってことになったら本当に大変よね。自分がいつそうなっちゃうかなんて誰も分からないんですから」(美川憲一談)



6. 蒲田の富士山[1857] ipeTY4LMlXiObY5S 2023年8月18日 05:39:46 : q3zgvtkJtU : aVk5b1dkSHpLUzY=[21] 報告

――――――――――――

 雨にぬれながら たたずむ人がいる
 傘の花が咲く 土曜の昼下がり
 約束した時間だけが 体をすりぬける
 道行く人は誰一人も 見向きもしない

――――――――――――

この、「雨」という曲、美川憲一の若いころの曲なのかと、思っていたら、三善英史だったですねえ。
美川憲一というと、「雨」かなんて、また間違いそうになって・・・。

https://youtu.be/bIwnbOZFLfI?t=6

三善英史さんって、今なにやっているのかな。

7. 蒲田の富士山[1859] ipeTY4LMlXiObY5S 2023年8月20日 16:23:01 : 5UptPEzmoM : SnRXMVdTbU5hbDY=[28] 報告
<△24行くらい>
『振り返れば奴がいる』(Wiki)

『振り返れば奴がいる』(ふりかえればやつがいる)は、1993年1月13日から3月24日まで毎週水曜日21:00 - 21:54に、フジテレビ系の「水曜劇場」枠で放送された日本のテレビドラマ。主演は織田裕二と石黒賢。ヒットメーカー三谷幸喜の本格的なテレビドラマデビュー作として知られる。
1993年12月29日には、スペシャル版が放送された。

あらすじ

派閥争いが激しい天真楼病院に、確かな腕を持った熱血漢の青年医師・石川 玄が赴任する。その病院の外科には、若くして天才的なメス捌きを誇る司馬 江太郎がいた。患者に最善の努力を尽くそうとする石川に対し、常に傲慢な態度を取り続ける司馬は、医療について冷徹とも思える判断を下す。
2人は医師としての信念を巡って激しく衝突する。医師としても人間としても傲岸不遜な司馬の言動が許せない石川は、あらゆる手段をもって司馬を病院から追い出そうとする。しかし、対する司馬も手段を選ぶことなく石川の追及を巧みに躱しては、反撃に転じてくる。

――――――以上引用

ずいぶん前に、母親が熱心に見ていた番組。
ずいぶん前って、30年前ぐらいか。
仕事の帰りに、親の家に寄ると、テレビ見ている。
主役の一人は織田裕二で、悪役。

我が家では、
その数年前に、父親を大病院の手術が原因かどうか、わからんが、亡くしている。

母親は、ガン手術というものについて、疑問をもっていたのかもしれない。

このテレビドラマで流れていた曲

https://youtu.be/G_FmBVjRFqQ

なんか、懐メロのスレになっていますねえ。

8. 蒲田の富士山[1860] ipeTY4LMlXiObY5S 2023年8月20日 21:13:57 : CTQW6KhRFY : V0lUS3ZrRU05cm8=[2] 報告
今から、そいつを、殴りに行こうか。
9. 蒲田の富士山[1862] ipeTY4LMlXiObY5S 2023年8月22日 18:54:25 : CTQW6KhRFY : V0lUS3ZrRU05cm8=[4] 報告
野口バンド

おかあさんの歌(ありがとう)

https://youtu.be/0zjpYDd-F-Y

懐メロでもないか。

10. 蒲田の富士山[1902] ipeTY4LMlXiObY5S 2023年9月17日 18:55:47 : 1SArWQ29MQ : Zi95NmRWeTdmSHM=[2] 報告
<▽42行くらい>
<かながわ未来人>供養 誰をも同じように 寿町の無縁仏眠る「千秋の丘」管理 徳恩寺住職・鹿野融完(かのお・ゆうかん)さん(52)(東京新聞)
2022年11月21日 07時15分

https://www.tokyo-np.co.jp/article/215172

 かつての日雇い労働者の街・寿町(横浜市中区)で最期を迎えた人たちが眠る共同墓地「千秋の丘」(同市青葉区)。墓を守る徳恩寺の住職として、安息の地に心を寄せ続けている。
 「バックボーン」と表す町との付き合いは、五歳までさかのぼる。港湾労働者たちが路上や簡易宿泊所に集ったころ。賭博と酒があふれる町になかったのは「死の不安を和らげる場所」だった。住民から伝え聞いた先代の父は、地蔵を建立するため、現地で托鉢(たくはつ)を始める。跡継ぎとして出家していた自身も加わった。
 幼い目に映る町は「怖くて、臭かった」。路上でたき火が行われ、毛むくじゃらの男性がそばで寝ていた。カップ酒を投げ付けられたこともあったが、言われるがまま、資金が集まるまで二年半、練り歩いた。
 地蔵が完成した後も、関係は終わらなかった。法要の「施食(せじき)」として、お盆に町で炊き出しを始めた。古里から遠のいた人たちのため、地蔵とともに仲間や親族への祈りを手伝った。
 僧侶としての仕事を本格的に始めてからは、町の作業所や市営の集会所で開かれる身寄りのない人の葬式へ向かい、無料でお経を唱えた。一九九一年に先代が千秋の丘を建立すると、これまでに他の地域の路上生活者らを含めた三百人以上のお骨を受け入れてきた。
 亡くなった後に寺にたどり着く住民は、必ずしも周囲との関係が円満だったわけではない。親族に受け入れられない人、身元が分からず葬儀社から運ばれる人もいる。それでも、遺影のない葬式で、故人の本名を知らない仲間が悲しんでいた姿を覚えている。参列者からは「俺が死んだら頼むな」と声を掛けられた。「同じように誰をも供養してあげたい」
 町からは「必要とされているのであれば助けるのは当然」という姿勢も学んだ。九一年に大火砕流が起きた雲仙・普賢岳の噴火や九五年の阪神・淡路大震災、二〇一一年の東日本大震災。災害が起きるたびに、車を走らせ現地へ駆けつけた。町で炊き出しを続け、悩みに寄り添ってきた経験は、被災地でも生きた。
 千秋の丘から絶えることのないお供えのたばこや缶コーヒーは、寺と町のつながりの証しだ。「寿町はあって当たり前のもの」。縁を絶やすつもりはない。(米田怜央)

――――――――――――――
<寿町> 米軍による接収が解除された1950年代半ば以降、横浜港での日雇い労働を求める人と、受け入れるための簡易宿泊所が集まった。近年は高齢化が進み、周辺を含めた0.06平方キロメートルに立つ120軒の簡易宿泊所の住民の多くは単身世帯で、生活保護で暮らす。
――――――――――――――

11. 蒲田の富士山[1908] ipeTY4LMlXiObY5S 2023年9月24日 16:43:05 : KbiHp66FQQ : R0N3NkVyRHRmbW8=[5] 報告
<■144行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
おすぎとピーコ、進行するお互いの認知症のシビアな現実 別々の施設に入り「今生の別れ」(女性セブン)

https://www.news-postseven.com/archives/20230924_1906153.html?DETAIL

 独特な口調で人気を博し、一躍人気者となった2人がテレビから消えて約1年半。その間、彼らはシビアな現実にぶつかり、あまりにも“残酷”な選択を強いられていた。「おすぎです」「ピーコです」息の合ったあの掛け合いを聞くことは、もう叶わない──。
 2階建てのその施設は、周囲を田畑や雑木林に囲まれた緑豊かな住宅街にあった。各フロアに風呂やトイレが設置され、廊下には誕生日会やクリスマス会の写真が飾られている。入居者が寝起きする個室の入り口には、手作りの名札やかわいらしいのれんがかけられ、介護用ベッドの上には色とりどりの寝具が並ぶ。
 そのなかに、空き部屋と見間違えるほどにシンプルな一室──ベッドのほかに置かれているのは、小さな洋服たんすとテレビだけ。部屋の入り口には、「すぎうら」と、ひらがなで書かれた名札がかけてあった。
 この部屋の住人は、おすぎ(78才/本名・杉浦孝昭)だ。髪の毛は白髪が増え、うっすらとヒゲをたくわえた顔は日焼けしている。背中や腰を丸めて移動する入居者が多いなか、ほっそりとやせ細ったものの、背筋を伸ばし、介添えなしで歩く姿が印象的だ。現在、おすぎはこの施設で穏やかに暮らしている。だがここに至るまでには、双子の兄・ピーコ(78才/本名・杉浦克昭)との慟哭のドラマがあった。
 1945年1月18日、ピーコは神奈川県横浜市に生まれた。その5分後に生まれた双子の弟がおすぎだった。高校卒業後、兄はファッション、弟は映画評論の道へと進んだ。2人は1975年にラジオ番組に一緒に出演し、個性的なキャラ全開のマシンガントークで大ブレーク。「おすぎとピーコ」として芸能活動を始め、一躍人気者となった。
 だが年齢を重ねるにつれて方向性の違いが生じ、おすぎは福岡に拠点を移した。東京と福岡に分かれて暮らす2人だったが、その人生が再び交差することになったのが、2021年だった。
「2021年の夏頃に、おすぎさんの体に異変が生じたんです。テレビの収録中に集中力が散漫になったり、物覚えが悪くなるなど、認知症の初期症状が見られるようになりました。ひとりでの生活が困難になり、横浜市内のマンションで、ピーコさんと一緒に暮らすことになったんです」
 そう明かすのは、兄弟の同居開始から現在に至るまでの一連の経緯を知るピーコの知人だ。2021年12月、兄弟の約50年ぶりの同居が始まった。
「老後のお金はもう貯金してある。ピーコはお金がないから、アタシが面倒をみないと」
 かねてそう語っていたおすぎの思いとは裏腹に、ピーコがおすぎの面倒をみることになった。事務所を畳んで万全の準備とともに始めたはずの「老老介護」だったが、現実は甘くはなかった。 
「いざ同居を始めてみると、これまでと違うおすぎさんの様子にピーコさんは大きなショックを受けました。おすぎさんの認知症の症状が、予想以上に進行していたようなんです。イライラからピーコさんが言葉を荒らげる回数が増え、出がけにおすぎさんに“早くしなさいよ! 何してるの!”と怒鳴ることが多くなりました。ピーコさんが“いますぐ出ていってちょうだい!”とおすぎさんを追い出し、行く当てもなく街を徘徊するおすぎさんが警察に保護されたこともありました。
 実はこの頃、ピーコさんにも認知症の症状が出始めていて、記憶力が落ちると同時に、感情の起伏が激しくなっていたんです。しかもピーコさんにはその自覚があったので、人一倍苦しんでいました」(前出・ピーコの知人、以下同)
 怒ってはいけないとわかっていながらどうしても感情を抑えることができず、この世でたったひとりの肉親を罵倒してしまう。大声を出したピーコはいつも自分を激しく責めて、やりきれない思いを抱えていた。もうこれ以上、おすぎと一緒にいてはいけないのではないか──苦しい毎日が続くなか、ピーコは決断した。
「おすぎさんとの生活を知人に相談していたピーコさんは、“このままでは2人ともダメになってしまう”と、おすぎさんを認知症患者の施設に入所させることを考えたそうです。もちろん離れたくはないけれど、これ以上一緒に過ごしたらおすぎさんをもっと深く傷つけてしまう。だからと言ってひとりにするわけにもいかない。しっかり面倒をみてくれる施設に入れることが最善という考えで、悩み抜いた末の苦渋の決断でした」
 ピーコは知人と一緒に、おすぎが安心して暮らせる施設を探した。そして昨年2月、おすぎは冒頭の施設に入居。50年ぶりの2人暮らしは、わずか3か月で終焉を迎えた。
「おすぎはもう死にました」
 おすぎが暮らすのは認知症の症状が出た人が共同生活を送る「グループホーム」で、「認知症対応型共同生活介護施設」とも呼ばれる。誰でも入居できる施設ではなく、65才以上、要支援2または要介護1以上の認定、認知症の診断、施設と同一の市区町村に住民票があるといった入居条件がある。
「おすぎさんが入所したのは、ごく一般的なグループホームです。横浜市内にあって費用は食費や光熱費込みで月12万円ほど。70〜90代の20名弱が共同で生活しています」
 グループホームに入所する日、おすぎに付き添ったのはピーコだった。
「穏やかな表情のおすぎさんに対して、ピーコさんは明るく振る舞いつつも、どこか寂しげで目元は潤んでいるように見えたそうです。入所後、ピーコさんは何度もおすぎさんの面会に足を運んでは、その生活を心配していました。でもあるときを境に、パタリと行かなくなってしまったんです」
 おすぎがグループホームという“終の棲家”を得たことでピーコの心は落ち着くかと思われたが、そうはいかなかった。
「おすぎさんがいなくなって静まり返る自宅で過ごすうち、ピーコさんはたったひとりの弟を施設に入れてしまったという罪悪感に苛まれるようになりました。ピーコさんは、いつもおすぎさんを気にかける弟思いの兄でした。一方のおすぎさんも兄を慕っていて、“ピーコがいてくれてよかった。
 老後は2人で暮らしたい”と常々口にしていたんです。その言葉を聞いていたのに、同居中はストレスからイライラしっぱなしで、大切な弟を突き放すようなことをしてしまった。“やはり施設に入れるべきではなかったのか”“じゃあ、どうすればよかったのか”という答えの見えない問いにピーコさんは苦しんでいました」
 50年ぶりの同居を始める直前、ピーコは「おすぎの具合が悪くなっちゃって、嫌だけど私が面倒をみてやらないとダメなのよ」と周囲に言うものの、その口ぶりはどこかうれしそうだったという。
 だが、楽しみにしていた同居をすぐに解消しただけでなく、結果的に弟を施設に入れるという決断をする、予想外の事態となった。あまりの急展開に心の平静を保てなくなったのかもしれない。
「次第にピーコさんは、友人らに“おすぎは死んだ”“お骨になって帰ってきた”などと事実ではないことを言いふらすようになりました。弟を施設に入れたという罪悪感を打ち消すため、おすぎさんと死別したと思い込もうとしたのかもしれません。自宅マンションはおすぎさん名義だったので、“死亡届のような書類”を持って管理人に名義変更を願い出たこともあったそうです。
 時間が経過するとともにピーコさんの認知症も進行していき、おすぎさんが施設で暮らしていることを思い出せない日も増えました。弟の居場所があやふやになったことで、面会に行くことがなくなったようです」
 実際、おすぎが施設に入った2か月後の昨年4月、ピーコは本誌・女性セブン記者に、「おすぎ? おすぎはもう死にました」「ずっと認知症で入院していたのですが、2月に亡くなりました」と説明していた。
「弟とは違う施設で」
 認知症に蝕まれつつも、ピーコの心のどこかにおすぎの存在が残っていた。
「ひとり暮らしに戻ったピーコさんは、買い物に出かけるとよく瓶のウイスキーを買って帰るようになりました。もともとピーコさんは大のシャンパン好きで、ウイスキーを好む人ではないんです。ウイスキーはおすぎさんが大好きだったお酒で、一緒に晩酌をしようと手を伸ばしていたのかもしれません」
 一方で、生活は荒んでいった。自宅にはゴミがたまり、身の回りのことができなくなっていたピーコ。周囲がその生活を心配し始めた矢先、事件は起きた。今年の3月25日、買い物に訪れた店で万引き(窃盗罪)で逮捕されたのだ。
「本人は『代金はクレジットカードで払った』と説明していましたが、ピーコさんのカードは使用停止になっていました。ピーコさんは善悪の判断がつかない状態で、しばらく前から万引きを繰り返していた疑いがあり、お店の人が警察に通報したのです。後からわかった話では、逮捕された店だけでなく、自宅周辺の複数のお店が警察に相談していたそうです」(県警関係者)
 逮捕後、行政の担当者が代理人弁護士とピーコの処遇を話し合った。そこで決まったのが、「施設に入る」という方針だ。
「両親と2人の姉を先に亡くし、弟も施設に入っているピーコさんには身寄りがなく頼れる人もいません。施設入所の話を聞くなかで、ピーコさんは思い出したように“弟とは違うところで”というニュアンスの言葉を繰り返したそうです。
 おすぎさんに会いたい気持ちはあったでしょうが、相当な覚悟を持って彼を施設に入れたわけですから、再びの同居には抵抗があったのかもしれません。それに顔を合わせるうちに、またいがみ合う生活に戻っても困る。ピーコさんなりにおすぎさんのことを思い、悩んで出した結論だったのでしょう」(前出・ピーコの知人)
 認知症の進行とともに、ピーコはおすぎを、おすぎはピーコを忘れてしまうかもしれない。別々の施設への入居は「今生の別れ」にも近い選択になる。今年8月、2人がわずか3か月だけ暮らした横浜市内のマンションはひっそりと売却され、兄弟が帰る場所もなくなった──。
 冒頭のグループホーム。テレビを見ながら腕や指を動かすレクリエーションを終えたおすぎは、おやつのお菓子をほおばると、幸せそうに微笑む。健康的で穏やかな昼下がりを過ごしていた。

※女性セブン2023年10月5日号

12. 白白庵-港区[2] lJKUkojBLY1gi@Y 2023年11月19日 15:23:12 : osFVuHGtMg : dmRsb3Z2dWpVUlU=[30] 報告
8歳女児に性的暴行を加えた疑いで造形家、加藤 渉 容疑者(38)逮捕(埼玉県東松山市)

 8歳の女子児童に性的な暴行を加えた疑いで埼玉県警東松山署は埼玉県松山市幸町2、造形家、加藤 渉 容疑者(38)を強制性交の疑いで逮捕した。
 調べによると加藤容疑者は2023年8月、自宅のマンションで同じマンションに住む8歳の女子児童に性的な暴行を加えた疑い。
 調べに対し加藤容疑者は「性欲が我慢できなかった。被害者が何も言わないことを知って、犯行を重ねるようになった。」と供述。
 東松山署は余罪があるものとみてさらに調べを進める方針。
       (2023年9月30日 朝日新聞)

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