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2022年7月13日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/189208
東京都内の飲食店主が物価高での経営に限界を感じ、今月末に店を畳んでタイに移転する。原材料の高騰分を商品価格に上乗せすると、如実に客が減り売り上げが落ちたからだ。消費者の賃金が上がらないため値上げができない問題は、衰退する経済の象徴として参院選で議論になった。店主の決断から、働く場として魅力を失う日本の姿が浮かび上がる。
JR神田駅近くでタイ料理店を営む柴直希さん(38)は今、店頭に「移転決定」と書いた看板を掲げる。行き先はタイだ。7月末で6年続けた店を閉め、タイ国籍の妻(37)とバンコクへ移住し店を開く。経済成長する東南アジアを「魅力的」と感じ、「18歳で静岡から上京した時のわくわく感がある」と声を弾ませた。
第一生命経済研究所の西浜徹氏はかつて地方から東京を目指した人が、今はより商品が高く売れる海外を目指す傾向があると指摘。「一旗揚げたい人は、日本より人口が多く成長する東南アジアに行きやすい」と話す。5年前と比べ永住者数はタイやマレーシア、ベトナムで2〜3割増えた。
柴さんが移住する要因の一つが物価高だ。油は昨年と比べ約1.8倍、輸入肉は約2倍に上がった。「お客さんも理解してくれる」と思い、ひき肉と野菜をバジルで炒めてご飯にのせたガパオライスは、4月に50円上げて750円で販売。反応は如実で売り上げが4割減の日もあった。値上げは難しいと感じて新メニューを発案し、上限880円の価格帯を950円に広げた。
客層は会社員が多く、50円の値上げに敏感。食材の高騰は止まる気配がなく、柴さんは「もう上げられない」と感じた。業態転換を考えたとき、都内の別の場所で始めるよりも、タイで挑戦したい思いが強まった。妻の実家があるバンコクを訪れる度に「活気がある」と実感。屋台に並ぶ品の値は上がり、外食する中間層が増えていた。
日本貿易振興機構(ジェトロ)・バンコク事務所などによると、昨年のタイの消費者物価指数は2006年の1.25倍で、名目賃金は同じ期間に1.86倍と大きく上回って伸びた。日本は物価が1.04倍と控えめだが、賃金は0.95倍と目減りし届かない。
岸田文雄首相は参院選後の会見で「過去20年で2番目に高い賃上げを実現」と誇ったが、急騰する物価に全く届かない。経済停滞を反映して賃金が伸びず、値上げを許容できない構図は30年近く変わらない。
柴さんは独立前、外資系ホテルで腕を磨いた。経験を生かし中間層らに向けた店をタイで開けば、日本より高い利益を得られると考えている。「治安が良く他人を思いやる日本は好き。でもタイで自分の能力を試して評価されたい。日本は経済的に余裕がない人が増え、挑戦したい人は海外に出る」と実感を込めた。(畑間香織)
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