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日経平均株価急落と過剰流動性
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2021年6月21日 植草一秀の『知られざる真実』
日経平均株価が急落している。 『金利・為替・株価特報』 http://uekusa-tri.co.jp/report-guide/ では、金融市場の方向転換可能性を指摘してきた。 三つの重要事実がある。 第一は米国金融政策の方向転換。 第二は相場の成熟。 第三は経済環境の方向転換。 今回の株価急落のきっかけは6月15-16日のFOMC。 米国の金融政策決定会合。 米国のゼロ金利政策が2023年末まで維持されるとの見通しが修正された。 FRBは2023年に2度の利上げを見込んだ。 超金融緩和政策の長期維持の見通しが変化した。 『金利・為替・株価特報』では本年3月から強調してきたことだが、FRB内部の変化はすでに進行していた。 FOMCでは会合参加者が各自の金利見通しを提示する。 金利見通しの上下の幅のなかで中央値がFRBの見通しとして認知される。 2023年末のFFレート見通しがゼロであっても、全員一致でゼロの見通しが示される場合もあれば、メンバーの約半数が利上げ有りと見通す場合がある。 昨年12月のFOMCと本年3月の見通しを比較すると、3月見通しでは早期の利上げを見込むメンバーが増えていた。 米国のインフレ率がFRB目標の2%を大幅に超えてきている現実も確認されている。 金融緩和政策が全体として維持されるとしても、金融政策の方向が転換されることは大きな意味を持つ。 昨年春以降の日米株価急騰の最大の背景が超金融緩和政策にあった。 レポートではこれを「過剰流動性」と表現してきた。 世の中に出回る貨幣量が急増したのである。 2013年4月に第2次安倍内閣の下で金融政策の体制が変更された。 黒田東彦氏が日銀総裁に起用された。 日銀副総裁には岩田規久男氏が起用された。 新体制の日銀は2年以内に消費者物価上昇率を2%以上に引き上げることを公約した。 岩田規久男氏は国会の同意人事審議で、2年以内に消費者物価上昇率を2%以上に引き上げることができない場合には、辞任するとの決意を表明した。 しかし、インフレ率2%の公約は実現しなかった。 日本のインフレ率が2%に到達したことは、その後一度もない。 しかし、岩田規久男副総裁は日銀副総裁の椅子に5年間居座った。 黒田日銀は異次元金融緩和を掲げて超金融緩和政策を実行した。 しかし、マネーストックは増大しなかった。 私は2013年夏に刊行した 『アベノリスク』(講談社) https://amzn.to/2TJG5uN にこの可能性を詳述した。 短期金融市場に潤沢に資金を供給しても金融機関の与信活動が活発化しなければマネーストックは増加しない。 量的金融緩和がインフレ率上昇をもたらさない可能性を指摘した。 実際に日本のマネーストックは大幅に増大しなかった。 そのマネーストックが急激な増加を示したのが2020年から2021年である。 『金利・為替・株価特報』では2020年9月にこの事実を指摘。 過剰流動性が資産価格を大きく押し上げるとの見通しを示した。 その「過剰流動性」に変化の兆候が生じている。 金融政策の方向転換は過剰流動性相場に重大な変化を生じさせる。 また、相場の成熟、経済環境の方向転換も見落とせない。 2020年2月以降、世界の金融市場はコロナとコロナ対応経済政策に反応してきた。 しかし、ポストコロナが視界に入りつつある。 この点も見落とすことのできない重要変化になる。
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