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トヨタが作るハイテク街「ウーブンシティ」は何を創るのか クルマは乗らなきゃ語れない
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/285954
2021/03/04 日刊ゲンダイ
(写真)小沢コージ
あるいは秋葉原2コ分
先日2月23日、トヨタが富士山裾野に作るハイテク街「ウーブンシティ」の着工式が行われた。現在日本には国交省が後押しするスマートシティ計画があるが、ほとんどが千葉県柏市や神奈川県横浜市など既存大都市のリニューアル。ウーブンシティも既存のトヨタ東富士工場の跡地転用ではあるが主要施設はおそらく新設計になる。試みは画期的であり、前代未聞と言える。
完成予定は2025年だがなにが凄いかってコンセプト。「living laboratory」=住む研究室と名付け、当初は360人、将来的には2000人が住む。工場敷地面積は26万平米だが、周囲を含め70万平米が街になるようで、それは東京の明治神宮、あるいは秋葉原2コ分というからかなり広い。
キモは3種類作られる道で、1つはスピードが速いゼロエミッション車のみが走行する車両専用道。もう1つは歩行者とスピードの遅いパーソナルモビリティが共存する混走道。最後に歩行者専用道。おそらく車両専用道ではトヨタEVや燃料電池車で公道を使った自動運転等の実験が行われ、混走道では、トヨタeパレットなどモビリティサービス用自動運転車でいろんなサービスが行われるのだろう。
(写真)小沢コージ
街作りは豊田章男社長の息子、大輔氏が担当
さらに興味深いのは街の構造で、建物はカーボンニュートラルな木材で作り、家屋の屋根すべてに太陽光発電パネル設置。さらにトヨタ得意の水素を使った燃料電池プラントなどはすべて地下に設置。そこには雨天ろ過システムもあり、水道を引かなくていいという。
つまり、太陽光と地下燃料電池の発電だけで賄える、原発や停電とは無縁の2000人ロビンソンクルーソー都市?になる可能性もある。
ここからは筆者の勝手な想像だが、トヨタ一族には「一代一業」つまり一代で新しいビジネスを興すべしという家訓があり、豊田章男社長はこの計画をリードするウーブンプラネット社に個人的投資をし、街作りを息子の豊田大輔氏が担当するという。つまり最大のキモは自動車というハードウェアビジネスとは違う新しい産業を興せるかだ。
グーグル新母屋や新NYトレードセンターを設計した建築家ビャルケ・インゲルス(右)/(写真)小沢コージ
街を売るのか、技術を売るのか?
具体的に街を売るのか、トヨタホームやパナソニックホームズ、ミサワホームなどが一緒になって作ったプライムライフテクノロジーズ社が新しい住む技術を売るのか、そこが一番興味深い。
さらに面白いのは、ウーブンプラネットという会社自体が、2018年にはトヨタが日本橋に作ったシリコンバレーから派生したTRI-ADが元になっていること。この会社はスタンフォード大学でロボティクスの博士だったジェームス・カフナー博士がCEOが率いるソフトウェア会社であり、今後「クルマはソフトウェアがリードし、それに見あうハードを選ぶ時代になる」と言い切る。
その開発にウーブンシティは大きく関わることになるのだ。既にトヨタは「モビリティカンパニーになる」と宣言済みだが、もしやこの街が生み出すのは、今までになかったソフトウェアなのかもしれない。
小沢コージ 自動車ジャーナリスト
雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。
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