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ジャズ「Somethin’ Else」を聴く
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投稿者 中川隆 日時 2022 年 5 月 16 日 16:48:01: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

「音楽&オーディオ」の小部屋
ジャズ「Somethin’ Else」を聴く
2019年10月11日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/98c5264dd15390bd58d6ceb46249064c


先日搭載した「読者に占めるジャズファンの割合」で、このブログでは極めて珍しいジャズの話題を取り上げたところ、アクセスがぐ〜んと好調でジャズファンの多さが実証できた。

さらに、別のジャズファン(仮に「K」さんとしておこう)からも新たなメールをいただいたのは大きな収穫だった。ありがたく、ご了解を得たので以下のとおり紹介させてもらおう。

「今回メールさせてもらったのは、貴ブログのJAZZファンのメールに共感を持ったからです。

そこで、私の知り合いのクラシックファンの方に、JAZZのCDを貸してあげた時、輸入盤だった為、解説書代わりにメモを添付しました。

よろしければ、その文書を一読して下さい。これは、私のJAZZの聴き方、感じ方を書いたものです。一笑に付されても構いません。」

さっそく拝読させていただいたところ、一笑に付すどころか、大いに感心の至りでしたよ!

全部で4枚のアルバムについてお見事な解説をいただいたが、そのうち紙数の都合で1枚だけ紹介させていただこう。

まずはじめに、個人的に名録音を選択した条件を挙げておくと、

・予め別個に録音したトラックを後で合成するデジタル録音ではなく、一発同時のアナログ録音であること。1950年代の録音にとどめを刺す。

・測定器による信号音の評価ではないから、必要条件として繰り返しに耐えうる名演でなくてはならない。

● Somethin’ Else

    

実質的にはマイルスがリーダーの、キャノンボール名義の1958年のアルバム。

麻薬禍で不遇時代のマイルスに、レコーディングの機会を与えてくれたのがブルーノートのアルフレッド・ライオンだった。マイルスの体調を診ながら年1回のペースで録音することにしていたのが、麻薬を断ち切って回復し大手のCBSと契約を交わしたのだ。

その後、配下のキャノンボール名義のアルバムにすることで、ライオンの恩義に応えてブルーノートに録音したと言われている。

白眉はシャンソンの「枯葉」で、ジャズマンに採りあげられる端緒となった。

ここでのマイルスは、鼓舞する他のメンバーの人選も良く、饒舌をそぎ落とした散文詩のようなミニマムのアドリブを展開し、知性を感じさせる不朽の演奏となった。

厳かな導入部のトランペットの短い高音のアクセントからして、マイルスのオリジナルな楽曲に聴こえてくる。この「枯葉」があまりに素晴らしいので、何回もこればかり聴いてしまい他の曲の印象が薄くなるのが欠点。

録音は、ルディ・ヴァン・ゲルダー。本来は検眼師なのだが、アマチュア録音が高じてブルーノート以外にもマイナーレーベルの録音を手がけた。

特徴は、いかにも黒人のエネルギッシュなガッツを感じさせる、東のニューヨークを代表するサウンドである。

マイクのセッティングは楽器に近づけるオン・マイクで、かつ各楽器を1本づつのマルチ・モノ・マイクで飽和レベルすれすれの音で収録。全体の空気感より、個別楽器のダイナミズムが優先されている。

唯一の欠点、問題はピアノの録音で、共鳴感がなくコロコロしていて残念でならない。直接音重視で、反響する間接音を排除している為か?

ビル・エヴァンスも、ヴァーブ時代にヴァンゲルダーの録音があるが嫌ったと言う。使用マイクは、ノイマンU-47、テープレコーダーはAMPEX 300で、本人共々ドイツ系。

以上のとおりで「K」さん、どうもありがとうございました。

この記事に大いに触発されて我が家でも「サムシン・エルス」を2系統のシステムで聴いてみた。

1 JBLの「D123+075」の2ウェイシステム(クロス8000ヘルツ)。

2 ウェストミンスター(改)の「ワーフェデールのスーパー12+JBLの175」の2ウェイシステム(クロス800ヘルツ)。

1はトランペットの音がまるで唾が飛んでくるみたいに迫力があった。頭がクラクラッときたが、やはりこういう音は075の独壇場だ!改めて底力に唸った。これが「ステンレス削り出しホーン付き」の075。

   

その点2はまるでネクタイを締めてかしこまって聴いているみたいだった。

1に比べるとベースの豊かな響きと、ピアノにコロコロした感じが無かったのは良しとするがトランペットについてはまったく物足りなかった。全体的にも生き生き、伸び伸び感が足りない。

総じてジャズらしいといえば1のシステムで、おそらく生粋のジャズファンは圧倒的に1を支持することだろう。

問題は2だ!

いくらクラシック用のシステムとはいえ、これでは絶対にダメ(笑)。

何とかしなければと「沈思黙考することしばし」だったが、「窮すれば通ず」で名案(?)を思い付いた!

以下、続く。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/98c5264dd15390bd58d6ceb46249064c  

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コメント
1. 2022年5月16日 16:53:05 : C6PUscOcec : VHcuTXBHTXZJY2s=[12] 報告
オーディオの怖さを思い知る
2019年10月12日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/7bd486a2f96f5d353a1a8f8b3e434aa0

前回からの続きです。

「サムシン・エルス」のまるでツバが飛んでくるようなマイルスのトランペットに心の底からびっくらこいて、何とかせねばと思ったウェストミンスター(改)。

まず何よりも元気さが足りないというか、サウンドに「覇気」がない!

人間でもそうですよね。「エネルギーが無ければそもそも善も悪もない」と言ったのは古い話で恐縮だが、歴代総理の指南役として有名だった「安岡正篤」氏だった。とはいえ、当方もエネルギーがある方ではないのであまり偉そうには言えませんけどね(笑)。

いずれにしても、このシステムはクラシックを聴いているときはさほどでもなかったがジャズで一気に馬脚を現してしまった。

   

原因は周波数800ヘルツ(−12db/oct)以上を担当するJBLの「175」(コンプレッション・ドライバー)あたりだろうとはおよそ推測がつく。

そもそも以前から次の2点が気になっていた。

1 クロスオーバー800ヘルツ付近でのウーファーとの繋がり具合が薄い

2 伸び切らない高音というか、はたしてツィーターが要るのか要らないのかどっちつかずで、ずっとモヤモヤ感が続いていた。

そこでふと思い出したのが6年ほど前に「北国のおじさん」からご厚意でいただいたホルンだ。学校の教材用として使い古しの楽器を改造されたものでこれまで倉庫の一角で大切に保管してきたものだ。

「175」付属の「小型ハチの巣ホーン」をホルンに代えてみようかな。な〜に、悪ければ元に戻すだけの話だ。

ただし、メーカーが指定した純正のホーンを代えるとなると、かなり勇気が要ることはたしかですよ(笑)。

   

左が「175」で右がホルンになる。音の出口が理想的な形をしていますね。

繋ぎ口に「2インチ→1インチ」変換アダプターを取り付けて作業はお終い。

さっそく左右両方のSPの上部に載っけてみた。

   

さあ、ワクワクしながらさっそくの音出し。オーディオ愛好家が一番痺れる瞬間である(笑)。

まずは「サムシン・エルス」のトランペットといこう。

おおっ、なかなかいいじゃないか!

さすがに「075」には及ばないが「蜂の巣ホーン」のときよりもずっと生々しくて元気がいい。見事に合格!

次は一番気になっているのがヴァイオリンだ。いくら管楽器が良くても弦楽器が悪ければ元も子もない〜。

しかし、これがまた素晴らしいんですよねえ・・。瑞々しくて潤いがあってとても金属のダイヤフラムで鳴らす弦の音ではない。

さすがだよ「175」さん。とうとう「さん付け」か(笑)。

JBLのコンプレッションドライバーといえば、以前に「375」と「LE85」を使ったことがあるが、前者は高音域の肌合いが合わず、後者は最高音域の伸びがイマイチなのでバランス的には「175」がベストではないだろうか。

タンノイさんでいえば丁度「VLZ」(イン・オリジナル・キャビネット)みたいな感じ。

いずれにしても、これまでウェストミンスターは実験用としてあれやこれや弄り回してきたが、今回の改造でようやく魅力的なサウンドへと変身してくれた。

今回の成り行きを順を追っていけば、「このブログには珍しくジャズ記事を登載」 → 「それに呼応してくれたジャズファン」 → 「サムシン・エルスのトランペットに大いに触発された」 → 「175ドライバーホーンの見直し」へと繋がっていった。

ほんとに何が”きっかけ”になることやら・・・。

ただし、オーディオは聴き込めば聴きこむほど何らかの不満が出てくるものなので、10日間ほどはいろんな音楽ソースによるテストをして欠点を洗い出してみよう。

そういうわけで、今回の教訓は次の4点に絞られる。

✰ オーディオはジャズを聴かないと向上する”きっかけ”がつかみにくい

✰ いくらメーカー指定品といっても頭から信用してはダメですね

✰ 高音域の聴き取り能力は年代に応じて変化するので臨機応変の対策が必要

✰ たった一発のホルンでサウンドのいろんな不満が解消するんだからオーディオはやっぱり怖いというか細心の注意が要る

改めて関係者の方々にはシステムの弱点を気付かせていただき心から感謝です!

また「北国のおじさん」、ようやくホルンが陽の目を見ましたよ〜!

なんだか久しぶりにいろんなお客さんに自慢のサウンドを聴かせたくなったなあ(笑)。

https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/7bd486a2f96f5d353a1a8f8b3e434aa0

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