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(回答先: ブッシュ大統領公式記者会見 投稿者 佐ノ都 日時 2003 年 3 月 07 日 16:19:09)
6日夜(日本時間7日朝10時)のブッシュ大統領の45分間にわたる記者会見をCNNのライブ放送で見たが、国連で新たな決議案の採決を求める(「みなが起立して各々イラクに対する意見を述べて欲しい」)ということ以外は新味ある話はなかった。それに続く番組のラリー・キング・ライブで、ワシントン・ポストの記者ボブ・ウッドワードは「ブッシュ大統領はゆっくりと、静かにしゃべり、まるでお通夜のようだった」と評した。ブッシュはイラクの脅威について、「アメリカへの脅威と隣国への脅威と自国民への脅威」と繰り返し語った。だが、アメリカへの脅威については、ことさら一昨年9月11日の事件による大被害を持ち出して(この部分になるとブッシュの口調は熱を帯びる)問題をすり替え、「アメリカ国民をイラクの独裁者のやりたい放題に任せるわけにはいかない」と、イラクの大量破壊兵器がいかに危険であるかを強調するのみだった。9.11とイラクの関係について、つまり、なぜ今イラクなのかという米国民の大多数が抱いている根本的な疑問に対して記者団の追及はぬるく、突っ込み不足のまま終わった。ある記者が「大統領のフセインへの個人的感情ではないのか」と質問した時、一瞬横を向いて目に涙をにじませたのがちょっと不思議だったが、すぐに否定し、「アメリカ国民のために大統領として任務を遂行するのみだ」と訥々と語った。国連の同意なしの単独攻撃に踏み切れば、北朝鮮の侵略行動にも道を開き、インド、パキスタン紛争も再燃しかねないと、ラリー・キング・ライブに出演した民主党上院議員が批判していたが、そうした突っ込んだ質問を記者たちはなぜしないのか。イラクにとどまらない中東全域への覇権についてなぜ質問しないのか。歯がゆいブリーフィングではあった。
ブッシュの演説はいつもそうだが、語彙が貧弱で同じ言葉の繰り返しばかりだ。ひらめきがまったくない。とくに今回はメモを見ながらの慎重な言葉遣いで、解説者によれば事前に模擬のQ&Aを行なったという。全体の印象としては、ブッシュの声に張りがなく、貫禄がない。疲労がうかがえる。もはや戦争に突入しそうである。何らかの力によって、最高権限を持つブッシュでさえ抗しきれない地点にまで来てしまったように感じる。