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秒読み段階に入った米英軍の対イラク軍事作戦の最終目標は、フセイン・イラク政権を転覆させることにある。イラク軍が空爆だけで降伏しない場合、地上軍が首都バグダッドに進攻、制圧することが必要だ。
海外メディアなどによると、米英軍は南北からの挟撃作戦を取り、バグダッドを包囲する見通しだ。現在、クウェートには米陸軍第3歩兵師団や同101空てい師団などが集結している。一方、トルコは対イラク戦での米軍の駐留を依然、認めていないが、この場合、イラク北部のクルド人自治区に、空てい部隊や海兵隊を展開する可能性が取りざたされている。
フセイン政権は首都の防空体制を地対空ミサイルなどで強化したのに加え、精鋭の共和国防衛隊や特別共和国防衛隊を配置し、徹底抗戦の構えをみせている。圧倒的な兵力を誇る米英軍に対し、市街戦を仕掛け戦争の長期化を図ると同時に、「誤爆」を誘って反戦世論の高まりに期待するとみられる。
一方、米英軍は多くの死傷者を出す可能性がある地上戦は避けたいところだ。このため、チラシやラジオなどでイラク兵や市民の政権離反を呼び掛けたり、特殊部隊がクーデター工作を画策、政権の内部崩壊を導く。また、「市内を危険地域と安全地域に分け、敵をあぶり出す」(軍事専門家・河津幸英氏)作戦も考えられる。
主戦場となるバグダッドはクウェートから500キロ以上離れている。このため、米英軍にとって移動の際の部隊の物資補給が大きな課題となる。
米軍は湾岸戦争(1991年)の時にバグダッド進攻のシナリオを練っていた。このときには、空てい師団が約100キロ毎に補給基地を設営したのち、地上軍が進攻するというもので、今回も、同様の作戦が考えられる。第3歩兵師団だけでも、弾薬や燃料、水など日量計数千トンが必要とされており、補給体制の確保が、迅速な攻撃のカギを握る。
こうした多面的な作戦を展開することにより、欧州の軍事専門家は、開戦から最短4―5日でバグダッドを陥落させる可能性もあると見ている。その場合、英米軍は「解放軍」として市民の歓呼で迎えられるかもしれない。そうなれば、国際世論の風向きも変わる可能性もある。
一方で短期決戦に失敗し、血みどろの市街戦に米軍が陥った場合は、戦争の長期化、泥沼化は避けられず、反戦・反米世論は一層高揚、ブッシュ政権は危機に陥ることになろう。
(2003/3/18/14:03 読売新聞 無断転載禁止)