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(回答先: トルコ政権の高い政治能力に拍手喝采 − これほど当たってうれしい希望的予測はない − 投稿者 あっしら 日時 2003 年 3 月 15 日 18:49:48)
神浦 元彰 (軍事アナリスト) 日本軍事情報センターより
http://www.kamiura.com/index.html
トルコ事実上の米軍駐留 南東部の軍用空港 私服米兵が数百人(朝日 3月13日 朝刊)
[記事 要約]
米軍のトルコ駐留は、今月初めにトルコ国会で否決されたが、イラク国境に近いトルコ国境付近に多数の米兵が移動していることがわかった。トルコの報道専門局NTVによると、10日、トルコ南部のインジクリク米軍基地から軍用トラック43台と、米兵を乗せたバス3台が南部のイラク国境方面に向かった。地中海に面したイスケンンデルン港からは20台の軍用トラックが南東部に向かった。また消息筋によると、トルコ南東部のディヤルバクル軍用空港に私服の米兵数百人が、数機の民間旅客機で到着した。しかしトルコ政府はなにもコメントしていない。トルコ政府は一度否決された米軍駐留案を修正した案を改めて提出する構えだ。
[神浦 元彰コメント]
やはりそうだったのかという感じである。イスケンデルン沖に到着していた米軍の第4機械化歩兵師団(15000人)は、近くのインジクリク米空軍基地に運ばれ、バスやトラックでイラク国境付近に移動していたのだ。もしトルコ政府が提出する再・米軍駐留案が決議されれば、一気にイラク領内に進撃する準備を整えている。仮にトルコ国会で否決されても、トランジット作戦(私が勝手に命名)でイラク北部からの進攻を行なうようである。
この体制が整えば、ブッシュ大統領は中東周辺の全部隊に進撃を命じることになる。もう国連安保理の動きは、対イラク戦争の開戦時期を推測する材料ではなくなった。
トルコ駐留へ米着々 国会承認見越し、物資の陸揚げ開始 (毎日 3月15日 朝刊)
[記事 要約]
米軍駐留はトルコ国会で、今月1日に否決されたにもかかわらず、すでに米軍の第4歩兵師団は軍用車両や軍事物資の陸揚げを開始している。またイラク国境付近には9ヶ所で、新たな米軍の「補給基地」を建設中で、トルコ政府は来週にも米軍駐留の国会承認を取り付ける意向だ。この米軍の動きは、トルコ軍のヒルミ・オッゾク参謀総長が、今月5日、「トルコだけでは戦争は避けれない。我々の選択は”悪い”か”より悪い”かを選択することだ」と発言し、米軍の受け入れを支持したことから始まった。国内政治に絶大の影響力を持つ参謀総長の発言で、トルコの米軍駐留反対デモはその規模が急激に小さくなった。
[神浦 元彰 コメント]
テレビの日本の特派員が、トルコ南部に新設された米軍基地をルポしていたが、その基地には星条旗が掲げられていなかった。しかし確かに米軍の車両が並んでいた。まさにトルコ国会の承認を見越し、米軍の大慌てのトルコ移駐が始まっている。
一昨日、クエート国内の第3歩兵師団に従軍している今泉記者(日テレ)と話をした。現地ではすでに強い風が吹き初め、砂嵐も起きているそうだ。今泉記者がレポートした場所は、イラク国境から40キロの場所という。155ミリ自走砲の横で話していた。
そして本日の新聞各紙には、クエート地域で猛烈な砂嵐が米軍を襲い始めているというレポートが掲載されている。ペルシャ湾の空母さえも、甲板に積もった砂で離発着が一時中止されたそうだ。
このように一斉に砂嵐の情報が新聞に殺到したのは、現地の米軍が本国に砂嵐の脅威を伝えたい一心から仕組んだと思う。一日も早い「攻撃開始」を要望しているからだ。また、第3歩兵師団の国境付近の映像(取材)を許したのは、いかにも第3歩兵師団がクエートからバスラ方向に進撃すると思わせる報道である。私は第3歩兵師団はバスラに向かわず、開戦直後にサウジに入り込み、サウジ・北部のアラルに移動して、バクダッドを南西から急襲する部隊になると予測している。とにかくクエートの米軍は開戦準備がすでに整い、トルコ南部への米軍展開を待っている状態である。
バクダッド北部を第4歩兵師団が抑え、北部のクエート方向から米軍が進撃しなくては、バクダッドを圧縮することにならない。底の抜けたビンになってしまう。しかしこの開戦の遅れが、米軍に取り返しのつかない失敗を招く可能性を否定できない。