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(回答先: 英宗教界トップ、査察延長求める声明 投稿者 X 日時 2003 年 2 月 21 日 11:44:23)
ジム・ウォリス 2002年12月9日
ホワイトハウスと共和党が支配することになった新しい連邦議会は、大統領の信仰心に根ざした政策方針を2003年に向けて高らかに発表するつもりらしいが、大統領はもう一つの信仰に根ざした動きを知らないようだ。キリスト教指導者の大半は対イラク戦争に反対しているのだ。
ベトナム戦争の時は反戦の声をあげるのにだいぶ手間取った教会だが、今回はその広がり方と迅速な態度表明において際立っている。それも広範囲の宗教界が反戦の声をあげている・・・ローマカソリック、プロテスタント諸派、エバンジェリカル(福音派)、ペンテコスタル、黒人教会、オーソドックスなどだ。それらの教会リーダーたちや団体からの声明や決議、手紙はすべて、サダム・フセインからの脅威を深刻に受けとめているが、それに対する戦争は最良の手段ではないと主張している。
重要なことは、彼らのこの決定がブッシュを肯定するとか否定するといったこととは関係ないことだ(肯定するものもいるし、否定するものもいる)。むしろ、それはキリスト教の倫理や教えにもとずいてやっていることだ。もちろん、キリスト教の非暴力、平和主義の伝統は紛争解決手段としての戦争を否定している。しかし、今回際立っているのは、この点に関して、反戦を唱えているアメリカ教会指導者のほとんどはべつに平和主義者ではないことだ。彼らが反対している理由は、それが「正しい戦争」の基準に外れているからというのだ。
教会指導者たちは、この伝統的な「正しい戦争」の基準を使ってきたが、それは4世紀の聖 アウグスティンまで遡る。 これらの基準は、まず戦争に反対する仮定の根拠から始まり、いくつもの判断を適応させてみてその仮定が否定されるか決定するというやりかただ。そして、教会指導者のほとんど は、現況では、そうではない・・つまり、イラクに対する戦争は正当性がないと 判断した。彼らは正当なる理由があるか問い、政権がいかに悪で脅威であるとしても、 政権交代のために先制攻撃を行うという主義は受け入れられないと結論した。
彼らは、釣り合いという見方をとった・・戦争による被害とその費用は、期待されるよいことと釣り合っているのか?いますでに混乱している地域に大きな戦争を起すことは、地域の 国々を不安定にし、中東地域やそれ以外にも政治的過激主義を増大させることになるのではないかと主張する。それは反米感情をさらに煽り、アメリカとイスラエルへの新しいテロ攻撃者を育てることになる。また、一方的な戦争はテロリストのネットワークを孤立させようという国際的なキャンペーンに必要な継続的な政治的協力をだめにしてしまう。アメリカはイラクに対する戦争にやすやすと勝利するだろうが、対テロ戦争には負けることになる。
もし、戦争がおきれば、それがつり合ったものになり、そしてそれを判別することができるだろうか。 どのくらいの軍事力が使われ、それに不釣り合いな市民や建物への被害はどのようなものか。 市民の被害を避けるため、あるいは少なくとも最少に抑えるように注意が払われるのか。 もし、軍事作戦が大量の空爆とバグダッド市街での戦いを含むことになれば、罪の無い何十万の 市民がいのちを落とすことになると彼らの大半が判断した。これだけでもそのような軍事攻撃は道義的に受け入れられないとしている。
さらに、イラク国民は湾岸戦争の影響やその結果の何十年にわたる経済封鎖、そして無慈悲な独裁者による抑圧によって今でも深刻な苦しみにある。経費の掛かる戦争を起してさらに苦しみを彼らに与えるよりむしろ、我々は彼らの国の再建に手をかし、その苦しみを軽減させてやるべきだ。攻撃側の死傷者・・我々の息子や娘たち・・・もまた大変多いであろう。
教会指導者は、イラクと我々の社会両方にあたえる被害を考えれば慎重にならざるを得ないと言う。
最後に、この時期に戦争を起すことは本当に最後の決定手段なのだろうか。平和的手段をすべてやって、それが失敗したというのだろうか。現在、国連査察団がその任務を始めるためにイラクに入っているときに、平和的手段が失敗したとは言えないことは明らかではないだろうか。 ブッシュはマーティン・ルーサー・キング牧師の「教会とは国家の主人でも召使いでもない、国家の良心なのだ、ということを忘れてはならない」という教えをよく我々に対して引き合いに出す。対イラク戦争が近づくにつれ、教会はその使命を守っているのだが、はたしてブッシュは聞いているのだろうか? (訳文責 森田 玄)
転載元(英語原文あり)
http://www.peace2001.org/gpc/gpc_main.html#church
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