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【兵器画像付き】 パンフレット「イラクの大量破壊兵器疑惑は解明されたのか?」 [政府広報&外務省]
http://www.asyura.com/2003/war24/msg/517.html
投稿者 ファントムランチ 日時 2003 年 2 月 21 日 18:09:55:

これはPDFファイルとして下記のサイト閲覧・ダウンロードできます。

政府広報オンライン
http://www.gov-online.go.jp/theme/06_kokusai/kokusai.html
パンフレット「イラクの大量破壊兵器疑惑は解明されたのか?」(外務省)

外務省イラク関連ページ
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/iraq/
「イラクの大量破壊兵器 〜疑惑は解明されたのか?」パンフレット(PDF)
でも配布されています。

↓以下は画像意外の部分を転載します。
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-1-
『イラクの大量破壊兵器
疑惑は解明されたのか?』

イラクの大量破壊兵器については、
    これまでどのような問題があったのか?
●イラクは、実際に大量破壊兵器を使用した実績があります。
→イラン・イラク戦争(1980〜 88年)時に化学兵器を使用し、イラン兵約3万人が死傷したと言われています。
→1980年代には自国民であるクルド人に対しても化学兵器を使用し、数千人が犠牲になったと言われています。
→爆弾湾岸戦争時にも、多国籍軍に対して化学兵器を使用する準備をしました。
●イラクは1990年8月、国際法に違反してクウェートに侵攻。その後、イラクは湾岸戦争の停戦条件として、大量破壊兵器(核・化学・生物兵器)や弾道ミサイルの完全廃棄を受け入れ(安保理決議687 、当時の国連の査察団(UNSCOM)及びIAEA(国際原子力機関)による査察が開始されました。
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-2-
 [安保理決議678 武力行使容認決議: 年月日( 1990 11 29 ) ]
イラクが91年1月15日以前に関連諸決議を十分に履行しない場合、クウェート政府に協力している加盟国に対し、安保理決議660(イラクのクウェート侵攻を非難、イラク部隊の即時、無条件撤退を要求)及び累次の国連決議を堅持かつ実施し、同地域における国際の平和及び安全を回復するために、あらゆる必要な手段をとる権限を付与。

[安保理決議687 停戦決議: 年月日( 1991 4 3 )]
●国際的監視下の下、大量破壊兵器、射程距離150K m 以上の弾道ミサイル等の破壊、撤去又は無害化をイラクが無条件に受け入れることを決定。

●イラクが本決議の諸条項を受諾すれば、正式な停戦が発効することを宣言。(イラクは、その後これを受諾する旨表明)。

●しかし、イラクは国連の査察活動に対し虚偽の申告をしてきました。
→イラクが飼料工場と主張していた施設が査察の結果、生物兵器工場であることが判明。
→イラクは当初、生物剤の存在及び核兵器開発計画を否定してきましたが、1995年フセイン大統領の娘婿であるフセイン・カーメル(元イラク軍中将)の亡命をきっかけに、イラク政府もこれを認めざるを得なくなりました。

●更に年以降、イラクによる査察拒否や妨害の事例が相次ぎ、ついに1998 年10月には、イラクは査察への協力を全面的に停止することを決定しました。
→査察団の立ち入りを拒む間に証拠物件をトラックで持ち出すなどの証拠隠滅工作を図りました。
→国連査察団に対し威嚇射撃を行い、査察団の施設への立ち入りを妨害しようとしました。

●このため、過去の査察において大量破壊兵器や弾道ミサイルについて解明されていない疑惑があります。
 また、査察が行われていなかった98年からの4年間にイラクが大量破壊兵器を更に開発したり、隠蔽しているのではないかという疑いも指摘されています。

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このようなイラクの大量破壊兵器疑惑に対し、国連安全保障理事会は2002年11月8日に決議1441を全会一致で採択し11月27日から査察が再開されました。
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-3-
安保理決議1441で求められているイラクの義務とは何か?

[決議1441 (2002年11月8日) の主要点]
●イラクは、これまでも、また依然として、大量破壊兵器の廃棄等を定めた停戦決議687を含む関連安保理決議に違反している。
●イラクに対して、関連安保理決議のもとでの武装解除の義務を遵守する「
を与える。最後の機会」
●イラクが長期にわたり査察の実施を妨害してきた実態を踏まえ、また武装解除のプロセスを完全かつ検証可能な方法で完了させるために、強化された査察体制を構築する。

→ U N M O V IC 及びIA E Aは、査察場所への自由、無制限かつ即時に出入りする権利、他の場所と同様の大統領関連施設への、即時、円滑、無条件かつ無制限のアクセスを含むいかなる場所及び建物への査察を行う権利を有する。
→ U N M O V IC 及びIA E Aは、有人及び無人偵察機を含む固定翼及び回転翼航空機を自由かつ無制限に使用し着陸させる。
→U N M O V IC 及びIA E A はすべての禁止された兵器資材等その他の関連品目を撤去破壊及び無害化する権利、生産施設、機材を押収または閉鎖する権利を有する。

●イラクの申告書に虚偽や省略があった場合及びイラクが決議の履行・実施のための完全な協力を行わない場合には更なる重大な違反があったとみなされ、即時にこれを評価するための安保理会合が開催される。

●イラクによる査察活動の妨害や武装解除の義務の不履行があった場合には、UN M O V IC とIA E Aが直ちに安保理に報告し、即座にこれを評価するための安保理会合が開催される。
●この関連で安保理は、イラクに対して継続した義務違反の結果として「深刻な結果」に直面することを繰り返し警告してきたことを想起する。

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このように安保理決議1441はイラクに対し、武装解除の義務を遵守する『最後の機会』として、大量破壊兵器に関する完全な申告と決議の履行・実施のための完全な協力を求めています。
 疑惑解明を行うべきなのはイラク自身であり、査察団や国際社会なのではありません。
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-4-
イラクの協力により疑惑は解明されたのか?

イラクの大量破壊兵器に関する査察を実施している、UNMOVIC(国連監視検証査察委員会)のブリックス委員長とIAEA(国際原子力機関)のエル・バラダイ事務局長は、2003年 1月 27日、安保理決議1441に基づく査察について、国連安全保障理事会に対し次のような報告
を行いました。

[査察への協力について]
●査察の手続き面での協力に関しては、各事務所の立ち上げや施設への立ち入り等については概ね協力的であったが、次のようないくつかの問題点があった。
▼U−2偵察機による査察飛行に関し、イラク側は許可を与えなかった
▼イラクに対する飛行禁止地区でのヘリコプターの飛行に関し、イラク側の主張により、同乗を認めた。
▼ 査察事務所前での抗議行動、および査察員の私的行動を不当に非難。
●実質的な面に関する協力については、決議1441はイラク側の積極的な協力を要請しているが、イラク側からそのような協力はまだ得られていない。

[申告書について]
▼イラクが提出した申告書は、新たな証拠を含んでおらず、疑問の解消に役立っていない。1998年12月に活動停止を余儀なくされた国連査察団( U N S C O M )が指摘していた、化学兵器、生物兵器等についての疑惑に応えていない。

[化学兵器について]
▼イラクは約6500発の化学兵器砲弾を廃棄した証拠を示していない。
▼査察の結果、(合計16発の)化学兵器用弾頭を発見した。
▼査察の結果、ある施設の研究所でマスタードガスの前駆物質を発見した。
▼イラクは湾岸戦争当時に保有していたVXガスの行方についての疑問に答えていない。
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-5-
[生物兵器について]
▼炭疽菌の廃棄について、確実な証拠を示していない。

[ミサイルについて]
▼査察団による調査の結果、イラクが開発を進めていたミサイルの一部が、(決議により制限
されている)150K m を超える飛行能力があ
ることが判明した。
▼U N S C O M当時、査察団がイラクに対しミサイルの直径を600m m以下にするよう制限したにもかかわらず、一部のミサイルの直径は、
ミサイル760 m m に増強された。
▼ イラクはミサイルのエンジン380基を決議に違反して輸入した。

[核兵器開発について]
イラク国内在住科学者の自宅で、ウラン濃縮技術に関する文書が発見され、追加的な証拠の供与等、更なる協力を要請。

▼(核兵器の起爆に使用可能な)高性能爆薬、 1991年以降のウラン輸入疑惑等については、更に調査する。

[科学者等への聴取]
▼11人のイラク科学者等に対しインタビューを求めたところ、政府関係者の
同席等の条件を付され、単独での個別インタビューは行われていない。
(追記:2003年2月6日、安保理におけるパウエル米国務長官によるイラク大量破壊兵器疑惑に関する情報提示の直後、初めてイラク人科学者に対する単独インタビューが実施された。)

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●以上のように、安保理決議1441で「最後の機会」を与えたにもかかわらず、イラクの非協力が明らかとなりつつあり、イラクが安保理決議687を受け入れて12年経った今日に至っても、なお疑惑は解明されていません。
●国際社会は、イラクがただ単に査察を妨害しないというだけではなく、自ら能動的に疑惑を解消し、大量破壊兵器の廃棄をはじめとする全ての関連決議を履行することを強く求めています。
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-6-
米国によるイラク大量破壊兵器疑惑に関する情報提示

2月5日、国連安保理公開会合において、は、イラクの大量破壊パウエル米国務長官兵器およびその隠蔽工作等について、主として以下のような情報提示を行いました。

[隠蔽工作に関する通信傍受]
▼国連による査察開始前に為された改造車両についての軍関係者の会話
▼禁止された武器について、査察開始前に「何も残さないようにせよ」という軍関係者の会話

[通信傍受による会話の記録化学兵器について]
▼査察開始前に化学工業サイトから物資を搬出
▼同サイト周辺の表土をブルドーザーにより除去し証拠隠滅
▼収監者に対する化学兵器の人体実験の実施

[生物兵器について]
▼移動式生物兵器製造関連施設である車両及び鉄道貨車を少なくとも18台保有
▼イラクの戦闘機による炭疽菌噴霧シミュレーション

[ミサイルについて]
▼査察開始前に、ミサイル関連装備を施設から車両により搬出する証拠隠蔽工作
▼旧来の5倍の長さのミサイル試験発射台が存在

[核兵器開発について]
▼ウラン濃縮に必要なアルミ管を11カ国から輸入しようと努力
▼「核ムジャヒディーン」なる科学者グループを設置

[ミサイル関連物資テロリスト・グループとの繋がりについて]
▼アル・カーイダと関係があり、欧州にもテロネットワークを有する人物(アブ・ムーサ・ザカーウィ)等をイラク内に隠匿
▼イラクとアル・カーイダ自体との接触の歴史

[本ページの画像は米国務省HPによる]
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●これらの情報は、イラクが査察に協力していないだけではなく、隠蔽工作や査察の妨害を行っていることを示すものであり、イラクの大量破壊兵器に
関する疑惑は更に深まったと考えられます。
●わが国は、査察への積極的な協力を求める国際社会の呼びかけにイラク
が真摯に応えることを求めます。
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-7-
資料
[イラクの保有疑惑がある化学兵器・生物兵器について]
■VX
VX(ガス)は化学兵器として使用される化学剤のうち神経剤の一種です。生理的な効果としては、神経伝達のために働く酵素の作用を阻害し、筋肉けいれんや呼吸障害などから死に至らしめます。VXは最も強力な化学兵器の一つと言われています。
■マスタード
化学剤のうち人の皮膚や粘膜をただれさせる、"びらん剤 "の一種。眼及び肺にも作用し、皮膚・粘膜のびらんと炎症、呼吸困難等をもたらします。症状が現れるまでに数時間から数日を要し、地面や物に付着して長期間残留します。
■炭疽菌
生物兵器として使用される生物剤(細菌)の一種。感染経路により、肺炭疽腸炭疽、皮膚炭疽に分類されます。特に肺炭疽では、風邪のような症状が出た後、突然呼吸困難が起こり、24時間〜36時間で死亡します。死亡率は80%〜100%。人から人へは感染しません。


化学兵器の毒性(致死量)比較           WHO資料による
VX マスタードサリン(参考)
皮膚から吸収した場合の致死量
     VX6mg    マスタード7g    サリン(参考)1.7g
※上記の量を比喩的に示せばマスタードなら(調理用計量スプーン)小さじ約1杯、サリンは小さじ約1/3杯、VXでは、わずか0.2滴程度で致死量となる。

[炭疽菌の毒性]
 WHOの統計によれば、50万人都市に炭疽菌の芽胞(胞子)50kgを撒くことにより、12万5千人が芽胞を吸入し、9万5千人が死亡すると推計されています。
 化学兵器と生物兵器の効果(危険度)の科学的に厳密な比較は困難です。しかし例えば、ごく単純に重量で比較した場合、炭疽菌はサリンのような神経剤の1000倍危険であると言われます。また、人的被害でみた場合、炭疽菌10gは、神経剤1トンと同程度の被害者を出しうるとされます。
(英国ジェーンズ社「生物・化学兵器防衛ガイドブック」による)

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主な掲載画像
*イラクのマスタード爆弾
*IAEAチームによるイラク核兵器開発施設の破壊
*U-2偵察機と国連の査察用ヘリコプター
*UNSCOMの廃棄した化学爆弾
*AISamoudミサイル
*通信傍受による会話の記録(モニター画像)
*移動式生物兵器製造施設(構造図)
*偵察前に施設から運び出されるミサイル関連物質(衛星写真)
*イラクによるマスタードガスの被害を受けたイラン兵(皮膚状態)

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