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02/20 15:35 日中がシベリア石油争奪戦 パイプライン計画競う 外経81
緊迫するイラク情勢を受け、中東以外の安定した石油供給源とし
てロシアに熱い視線が向けられている。特に、東シベリアの油田か
ら東に伸ばすパイプライン計画のルート選定をめぐっては、日本と
中国が激しい主導権争いを展開している。日本が実現を目指すナホ
トカ・ルートは総延長三千七百キロ、総事業費六千億円に及ぶ巨大
プロジェクト。軌道に乗れば日量百万バレルに達すると想定される
ロシア石油の行方を追った。(共同)
(了) 030220 1535
[2003-02-20-15:35]
02/20 16:28 官主導の「戦略的判断」 中国と競合、採算に疑問も 外経82
「建設については何も聞いていない。民間参加なしで事業化でき
るのか」。日ロ首脳会談で東シベリアから極東ナホトカへの石油パ
イプライン建設協力が表明された後の一月下旬、モスクワの日本大
使館と駐在日系企業代表との定例会合で、複数の総合商社代表から
疑問の声が上がった。
経済産業省と石油公団はブッシュ米政権につながる米コンサルテ
ィング会社と協力、官主導で計画を進めた。「石油輸入の多極化、
中国の影響力が拡大している極東でのプレゼンス確保」(日本の外
交筋)を目指す戦略的判断を優先、採算は二の次で政府が決めたと
いう。
だが、日ロのエネルギー協力には、資材調達や販路確保などで商
社の関与が不可欠。既に開発中のサハリンの二事業にも複数の商社
が参加している。会合での声は、民間に打診せず計画を進めようと
する日本政府への懸念の表れだ。
ある商社の駐在事務所長は「北方領土交渉の難航で、誇れる進展
が少なかった首脳会談の目玉づくりのため、何の成算もなく計画を
打ち上げたのでは」といぶかる。
極東パイプライン計画には、採算など肝心の部分に「民間の目」
が欠けているとの批判が強い。特に採算を左右する石油採掘量に関
しては、日本の計画を推進するロシア国営パイプライン運営会社「
トランスネフチ」も「当初から必要量を確保するのは極めて厳しい
」(グリゴリエフ副社長)と認め、日本側に損失時の補てんを求め
ている。
一方、東シベリア石油争奪戦には強力なライバルがいる。大慶ま
でのルート計画を働き掛けている中国だ。採算はパイプラインの距
離が短く、建設費の安い中国側が有利。日本はロシアに日量百万バ
レルの需要を予測する川口順子外相名の親書を送ったり、油田開発
に協力の用意を表明したりするなど、ロシア側の関心を引こうと躍
起だ。
ロシア・エネルギー省は、東シベリア・アンガルスクから途中で
分岐し大慶とナホトカに至る「妥協案」を閣議に諮る方針とされる
。しかし先に建設されるのは中国向けで、これに決まれば実質的な
「中国の勝利」(業界筋)だ。
最終的なルートはプーチン大統領が早ければ三月にも決定する。
日本にとっては「アップヒル(厳しい)な戦い」(外交筋)が続く
。(モスクワ共同=太田清)
(了) 030220 1627
[2003-02-20-16:28]
02/20 16:33 事業拡大で発言力強化 ロ石油業界、政権と確執も 外経83
ロシア石油パイプラインのルート決定には、政治的要素が絡む。
エネルギー戦略を強化し、資源大国としての潜在能力を引き出そう
とするプーチン政権。その影響力からの自立を目指し、積極的な事
業拡大で急速に発言力を強める石油業界。クレムリンと業界との確
執も深まり始めた。
「巨大な可能性を持つ国への戦略的なステップだ」。英石油大手
BPは今月十一日、ロシアの石油会社二社が合併してつくる新会社
に六十七億五千万ドル(約八千百億円)を出資する計画を発表した
。国外からの直接投資としてはソ連崩壊以後で最大規模だ。
ロシアの石油企業は各地でパイプライン建設計画を進める。最大
手ルクオイルのフェドゥン副社長は「計画がすべて実現しても、ま
だ足りない」と強調する。
約四万八千キロに及ぶ幹線パイプラインは国営企業トランスネフ
チの所有。クレムリンは使用料や輸送量の設定を通じ、石油業界に
圧力を加えてきた。大手が自己資金でパイプラインを建設しようと
するのは、国家統制を断ち切るためだ。
ルクオイルなど大手四社は昨年十一月、西シベリアから北極圏の
不凍港ムルマンスクに至るパイプライン構想を発表した。米国向け
の「石油大動脈」を構築する計画だ。しかしカシヤノフ首相は「パ
イプラインはすべて国有になる」とけん制。政府と業界の確執は「
石油は誰のものか」という論争に発展しつつある。
日本が中国と競合する極東ルートの選定も、日本案を推すトラン
スネフチと中国案を進める業界二位ユコスの争いという側面が無視
できない。
投資会社トロイカ・ダイアローグの石油業界アナリスト、ネステ
ロフ氏は極東ルート二案について「日本か中国かの単純な二者択一
ではない。ムルマンスク・ルートとも競合する」と述べ、ロシアの
石油戦略全体を踏まえた判断が必要と分析している。(モスクワ共
同=有田司)
(了) 030220 1632
[2003-02-20-16:33]
02/20 16:41 課題は価格競争力 調達先多様化に貢献 外経84
東シベリアから極東ナホトカに至る石油パイプラインの建設構想
が実現すれば、中東産油国に依存する国内石油元売り各社は原油調
達先を多様化し、輸送費などのコスト削減もできる。パイプライン
の建設費を組み込んだ原油価格が、国際競争力を発揮できるかどう
かが課題となる。
日本の輸入原油に中東産が占める割合は約88%。採掘可能な埋
蔵量が圧倒的に多く、国内の製油施設が中東原油の特性に合わせた
構造になっている事情もあり、中東依存度は下がらないのが実情だ
。
だが、ロシアの原油産出量は年々増えており、国内の石油業界に
も「政治的な動揺も収まり、原油の安定調達に不安が少なくなった
」(大手元売り幹部)との認識が広がってきた。
計画が実現すると、中東産油国からだと三週間程度かかる原油の
輸送期間は一週間足らずに短縮される。これにより、タンカーのレ
ンタル料などだけで「四千万円以上の節約になる」(大手石油元売
り)という。
約五十億ドルといわれるパイプラインの建設コストを計算に入れ
ても、中東産ドバイ原油などと同水準の価格を提示できれば「日本
の元売り各社が調達に殺到する」(同)可能性もありそうだ。(共
同=種村大基)
(了) 030220 1640
[2003-02-20-16:41]
02/20 16:46 中国先行、追う日本 ロシアの石油パイプライン 外経85
東シベリアからの石油パイプライン建設計画については、高度経
済成長とともに石油輸入国に転落し、安定した供給源を求めていた
中国が先行。二○○一年九月、朱鎔基首相がカシヤノフ・ロシア首
相との間で建設協力で基本合意した。
しかしその後、石油を国際価格で供給したいとするロシアと、割
安なロシア国内価格での提供を求める中国が対立、交渉は暗礁に乗
り上げた。
ロシア側は「日中を競合させ、より有利な条件を引き出す」(石
油業界筋)狙いから、ユスフォフ・エネルギー相が昨年五月、平沼
赳夫経済産業相に極東ナホトカに至るパイプライン建設計画を持ち
掛けた。
同年十月には、訪ロした川口順子外相が日本としての積極参加の
用意を表明。今年一月に訪ロした小泉純一郎首相がプーチン・ロシ
ア大統領との首脳会談で、建設協力に合意した。
しかし中国向けパイプライン計画も中止されたわけではなく、日
中はそれぞれの計画の優先着工を競っている。(モスクワ共同)
(了) 030220 1646
[2003-02-20-16:46]