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(回答先: 「近代経済システム」や「近代価値観」が悪魔崇拝者(知的強欲追求者)のものであることが浮かび上がる 投稿者 あっしら 日時 2003 年 2 月 27 日 16:56:49)
大統領によると、米軍がイラクに駐留したら、戦後日本みたいに民主化し、みんなハッピーになるそうですね。 石油権益だけで満足すれば良いのに、これはやり過ぎです。 私は大統領の見通しは甘いと確信しています。 その理由の要旨をまとめておきます。 ナントカシンクタンクの人は阿修羅を閲覧してね(無理か)。
(非近代世界)
イスラム世界は近代世界ではありません。 戦前日本は紛れもなく近代経済社会制度で運用されていました。 米国との衝突は基本的に利権衝突です。 戦前戦後では基本的経済社会制度は連続しているというのが通説です。
(民俗への介入)
イスラム世界に欧米的経済社会制度を持ち込むことは激烈な抵抗を受けると思います。
一つめの理由は、これが「民俗」への介入にあたるからです。 英国の植民地支配は「民俗」への介入を最小限に止めた点で成功したと言われています。 大日本帝国は、朝鮮人民に対して、日本式の氏名を与えたり、神社をぼこぼこ建てたりしました。 こういう「民俗」への介入は激烈な抵抗を受け、恨みを残すわけです。
(社会連帯の否定)
次は、推定ですが、中東世界では、イスラム法が「社会的連帯」を保証しているからです。 隣人を信用できるのは、隣人もイスラム法を守るという確信があるからだと思います。 これが否定されると、社会は恐ろしい無秩序状態に投げ込まれます。 人間関係がバラバラになります。 社会的連帯の否定は激烈な抵抗を受けます。
(思想統制と洗脳について)
占領下の日本では、思想統制、洗脳が機能しました。 出版物は徹底的に検閲されたそうです(江藤淳氏の有名な研究あり)。 占領軍への反抗を訴えるような出版物はあまりなかったんですよね。 古事記も「霊の御柱」も教育勅語も占領軍への抵抗を訴えていません。
さて、やっかいなことに、イスラム世界には、占領軍への抵抗、戦闘を訴える出版物が偏在しています。 コーランです。 メッカを占領する悪魔を撃退せよと訴えています。 みんな持っています。 (たぶん)検閲できません。 神の言葉です。 思想統制も洗脳もたぶん無理です。 コーランを墨で縫って出版することもできません。 そんなことをしたらエライ騒ぎになります。 思想統制も検閲も無効ですから、民衆の洗脳は困難です。
(戦略)
たぶんイラクはもっとも占領統治しやすい国です。 ある程度近代化しているからです。 ガチガチのイスラム主義者は政権についていません。 だから、困難な占領統治と社会改造をイラクから始めるのは、戦略的に見て理に適っていると思われます。 イランでは既に近代化が失敗し、国王は追放されています。 みんな凄く怒っていたそうですが、CIAは民衆感情を見落としていたようです。 イラン改革が難しいのは良くわかっているのでしょう。 イラクでの様子を見て、順次他の国の改造に着手するという計画と推定できます。
(言葉)
まとめとして「言葉」の問題をとりあげます。 大統領の言葉は、民主とかナントカ口当たりの良いものです。 しかし、彼はこれから虐殺を行おうとしているわけです。 その人の言葉を信ずる奇特な人間はあまりいないでしょうね。 何を言っても、現地ではきっと誰にも信じてもらえませんよ。 占領下日本人は特例ですよ。