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(回答先: Re: 【イラクは端緒:「中東対イスラム戦争」との本音を明言】 中東全体の民主化目指す フセイン後で米大統領演説 [共同−産経] 【“ド腐れ価値観”実現に向けた虐殺戦争への加担は亡国への道】 投稿者 うぃる 日時 2003 年 2 月 27 日 13:08:17)
うぃるさん、こんにちわ。
ブッシュ演説が勇み足だとは思っていません。(+−0の評価にはほぼ同意です)
“本音”を民主化という価値観のオブラートで包んだかたちで表明に踏み込んだのは、戦後、「冷戦」と「反共主義」をスローガンとして採用し90年に“勝利”を収めた「対ソ連型共産主義戦争」と同じ流れに持ち込みたいという意思の現れだと見ます。
阿修羅サイトでは多数派ではないでしょうが、先進国国民多数派は、「民主主義は普遍的理念」だとか、「自由な経済活動はすばらしい」とか、「近代は人類の偉大な進歩」といった“信仰”を持っています。そして、「民主主義ではない国家に属す人々は不幸」だとか、「自由を制約した経済活動は人々を貧しくする」とか、「近代に背を向けるのは無知蒙昧である」といった意識も強く持たれています。
このような近代的価値観は、保守主義・社会主義・共産主義に共通して持たれているものでもあります。
(書いた内容を醒めた目で受け止めるのは、陰謀論者や民族派くらいでしょう)
この間の査察を通じては大量破壊兵器や「テロ」の確証を示し得ず、世界中で大きなうねりとなっている反戦運動を支えている基礎は人命の尊重という基本価値観ですが、それとともに、「石油のために血を流すな」という経済権益のために軍事力を行使することへの憎悪も幅広く持たれています。
このような世論状況は、今まで提示してきた大義名分ではイラク攻撃を端緒とした「対イスラム戦争」をそれなりにスムーズに遂行することができないことを意味します。
そして、既にイランやサウジアラビアに対しては匂わせていますが、大量破壊兵器や「テロ」を根拠にしたままでは、中東地域全域への軍事的政治介入が難しいとも思っています。
今回のグランド・デザインを書いた人々やブッシュ政権は、「中東対イスラム戦争」をできるだけ短い期間で完了させたいと思っています。(10年はかかるとは思っているでしょうが)
そのため、イラク侵攻後に徐々に周辺諸国への“侵攻条件”をつくっていくよりは、開戦前から“目標”を明示しておいたほうが一気にことが進められて効率的だと判断したのでしょう。
今回のブッシュ演説は、イラク攻撃がグローバリズム(世界の「近代化」)総仕上げのための「一大決戦」の端緒であることの表明であり、同時に、近代主義とイスラムの「一大“宗教”戦」であることの宣言でもあります。
「民主化」や「近代化」を旗印に、利息取得を禁じ自由主義的な富の蓄積を悪とする「非近代化意識」に基づくイスラム世界を「近代経済システム」に組み込もうとする戦争が、アフガニスタンから始まった「対イスラム戦争」の本質です。
※ サウジアラビアやイランなど標的になった中東諸国は、脅威を感じつつも、軍事的に立ちあがることはその時点での政権崩壊につながるので身動きできません。
「民主化」恫喝に対応した政治改革でなんとか避けようとするでしょうが、「民主化」は建前だけの話ですから、それで避けることはできません。
中東諸国で一人1票の選挙を行えば、現状の政権とは較べものにならない反米・イスラム主義の政権が誕生します。
(イラクそのものが、「近代化」や「民主化」という内容であれば、フセイン政権と話したほうが理解し合えるのであり、反フセイン派の主力は反近代主義を基礎にしています。一人1票の選挙を行えば、シーア派先見ができる可能性がいちばん高いはずです)