現在地 HOME > 掲示板 > 戦争23 > 948.html ★阿修羅♪ |
|
【ニューヨーク佐藤由紀】イラク査察の追加報告で14日、ブリクス国連監視検証査察委員会委員長とエルバラダイ国際原子力機関事務局長は、イラクが安保理決議に違反するミサイルを保有し、多量の生物・化学兵器の廃棄についても「説明していない」と指摘、査察に対する実質的な協力は依然不十分との見方を示した。だが、同委員長はイラクを「クロ」と断定する見解は示さず、査察継続の必要性を訴えた。イラクの協力状況などが安保理決議1441への「違反」に当たるかどうかの判断は安保理に委ねた。
ブリクス委員長は報告で、昨年11月の査察再開以来、300カ所以上の地点で400回以上の査察を実施したと述べ、イラク側は施設への移動や受け入れで協力姿勢を示したと評価した。
今月5日にパウエル米国務長官が安保理に報告したイラクの大量破壊兵器疑惑に関する「新証拠」開示に関して、委員長は「イラク側が査察の場所を事前に知っていた様子はない」と述べ、パウエル報告に暗に疑問を投げ掛けた。
その一方で委員長は、イラクが化学兵器1000トン分の存在について説明していないと指摘、「廃棄したのなら、その証拠を示すべきだ」と述べた。さらに、イラクが保有するミサイル「アル・サムード2」は、国連決議687(湾岸戦争停戦決議)で定められた射程(150キロ以内)を超える能力を持っていることに言及し、停戦決議違反に当たると結論づけた。さらに同委員長は懸案の米U2偵察機による上空査察についても来週から行うと述べた。
一方、エルバラダイ事務局長は、イラクの核開発を示す証拠は今のところ見られないとしながら、イラク側の全面的な協力を要望。今後は査察官を増やして、査察活動を活発化させたいと述べ、査察の継続を求めた。
[毎日新聞2月15日] ( 2003-02-15-12:43 )