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(回答先: イラク問題:苦しいパウエル氏 追加報告、米主張と食い違い [毎日新聞] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 2 月 15 日 14:39:33)
【ニューヨーク上村幸治】「現時点では、武力行使は正当化されない」――。フランスのドビルパン外相が演説を終えると、国連安全保障理事会の会議場に拍手が響き、しばらく鳴り止まなかった。パウエル米国務長官は険しい顔で周囲を見渡すだけだった。14日の国連イラク査察団の追加報告を受けて安保理で始まった議論は、査察の継続・強化を呼びかけるフランスやドイツ、ロシア、中国が、武力行使に傾く米国と英国を舌戦では圧倒する形になった。
安保理協議で2番目に演説したドビルパン外相は「われわれが査察団の報告から学んだのは何か? それは査察が結果を出しているということだ」と指摘した。
中国の唐家せん(王へんに旋)外相も「査察を続ける必要がある」と訴え、ロシアのイワノフ外相が「(査察は)正しい方向へと進んでいる」と続けた。イワノフ演説の終わりにも、拍手がわいた。
今月5日、同じ安保理で米情報機関の機密情報を駆使し、自信たっぷりにイラクの「兵器隠し」を断罪したパウエル米国務長官は、最後まで厳しい表情だった。ブリクス国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)委員長の追加報告が、パウエル報告に疑問を提起したことも影響したようだ。
パウエル長官は14日、イラクの大量破壊兵器の脅威を強調し、「いつまでも査察を続けられない」などと強い調子で訴えたが、会場から拍手の音は聞こえなかった。
非常任理事国の中では、米国支持を鮮明にしているスペインのパラシオ外相が、イラクの査察への非協力を指弾し、「安保理は責任を果たすべきだ」と述べた。ブルガリアのタフロフ国連常駐代表も「イラクが査察に全面協力しなければ、望ましからざる結果を招くだろう」と警告した。
しかし、アンゴラやチリ、パキスタンなどは「安保理の団結が大切だ」といった当たり障りのない演説に終始した。
安保理の公開協議が終わった後、各国代表はサンドイッチを食べながら非公式の話し合いに入った。しかし、査察をどれだけ継続するのか、武力行使を容認するのかという問題に、ついに結論は得られないままだった。
パウエル長官は記者団に「ワシントンに戻って、もう一度話し合う」と言い残して、国連を後にした。安保理常任理事国がこの日の夕方に予定していた非公式の会合もキャンセルになり、非常任理事国10カ国の代表だけが、国連本部地下の会議室にこもって話し合いを続けた。
[毎日新聞2月15日] ( 2003-02-15-12:43 )