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(回答先: イラク問題:査察追加報告の詳報(1)〜(3)一括 [毎日新聞] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 2 月 15 日 14:20:11)
【ワシントン中島哲夫】14日の国連安保理外相級協議は、イラク査察に関する追加報告の内容が、米国の主張と食い違う部分が相当あったうえ、その後の各国外相らの意見表明では事実上の米国批判も目立った。パウエル米国務長官は、機密情報を駆使してイラクの「査察逃れ」などを主張した5日とはうって変わって、苦々しげな表情を隠せなかった。テレビ中継を見守ったホワイトハウス記者団からは「ブッシュ政権は壁にぶつかった」との声も出た。
ブリクス国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)委員長の報告は、生物・化学兵器の所在不明やミサイルの射程違反など米国の主張と合致する部分もあったが、パウエル長官の5日の「新証拠」開示への疑問も提示した。また、エルバラダイ国際原子力機関(IAEA)事務局長は、査察の継続と強化を何度も強調し、「時間切れ」を主張する米国と対立する印象にさえなった。
この時点ですでに厳しかったパウエル長官の表情は、各国の意見表明の冒頭から苦虫をかみつぶしたようになった。シリアのシャラ外相がいきなり、昨年11月の安保理決議1441に賛成したのは「平和的解決のためであってイラク攻撃の口実に使わせるためではない」との認識を表明。アラブ世界を代表する形でイスラエル非難も繰り広げ、イラク攻撃に強く反対したからだ。
その後も常任理事国のフランスや中国が「査察を延長せよ」「新決議は時期尚早」などの主張を繰り広げ、米国にとって旗色が悪い印象が固まってしまった。パウエル長官は自らの意見表明で、フセイン政権の最近の譲歩姿勢を「すべてトリックだ」と断じ、査察強化や延長の意味は乏しいと力説したが、5日の報告の時のようは勢いはなかった。
パウエル長官はこの後、簡単な記者会見や米CNNテレビとのインタビューを通じて米政府の立場を強調した。ブリクス委員長の「疑問」に反論し、武力行使への追い風となる安保理の新決議に期待を示し、査察延長論が強いのは「私の判断では、決議1441を採択した時に担った責任に直面することを望まない安保理メンバーがいるということだ」と名指しを避けながら非難もした。
しかし、米国の主張はどうあれ、新決議の採択を目指す道は前途多難で、パウエル長官の苦渋は続きそうだ。
[毎日新聞2月15日] ( 2003-02-15-12:46 )