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【バグダッド福島良典】国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)のブリクス委員長らが14日、国連安保理への追加報告で事実上、査察の継続を求めたことについて、イラク側は「我々の協力姿勢を示すもの」(国会議員)と評価している。査察団に小出しの譲歩を重ねる戦術が奏効した形で、イラクは国連査察の継続に加え、国際世論の反戦・反米傾向を米英による攻撃回避に向けた「防波堤」にしたい考えだ。
イラク国会のモハマド・ムザファル・アル・アダミ議員はAFP通信に「1月27日の前回報告に比べ、今回の報告は客観的で、イラクが国連安保理決議を遵守していることを示した」と述べた。ブリクス委員長は前回報告では「イラクは武装解除を完全には受け入れていない」とイラク側の姿勢を批判していた。
イラクは今月上旬のブリクス委員長らのバグダッド訪問を受けて、これまで拒否していた米U2偵察機による上空査察の受け入れを表明。また、14日にはフセイン大統領が大量破壊兵器を禁止する大統領令を発令するなど、国連への協力姿勢を強めている。その一方で、イラク国会は同日、米国との徹底抗戦を誓う声明採択で国内引き締めを図り、内外で対応を使い分ける手法を取っている。
また、イラク側を勇気づけているのが国連安保理などにおける反戦機運の高まりだ。ドビルパン仏外相らの「現段階での武力行使はリスクがある」との主張は、査察続行による戦争回避を目指すイラクにとっては願ってもない援護射撃だ。武力行使に慎重な仏露中などの姿勢を評価することで、イラクは開戦を急ぐ米英の孤立化を図る思惑とみられる。
[毎日新聞2月15日] ( 2003-02-15-12:58 )