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【バグダッド福島良典】イラク政府が、U2偵察機による上空査察を無条件で受け入れる書簡(今月10日付け)を国連に送った問題で、イラク側が「事前通告」を条件にしていることが13日、分かった。米英両国は「無条件の査察受け入れにならない」と反発しているが、査察団側は事前通告を容認しており、複雑な波紋を広げている。
国連査察団はこれまで、イラクによる上空査察の拒否を、査察への非協力を示す事例として挙げていた。これに対し、イラク政府は国連への書簡で上空査察を無条件で受け入れると伝えていた。だが国連筋によると、イラク側は実際にはU2などの偵察機の飛行を許可する条件として、偵察機がイラク領空に入る日時、地点、速度などの情報提供を求めていたという。
イラク側は開戦に備えて兵器の移動や、武器・弾薬の分散を進めており、偵察機による査察で軍事情報が米国に筒抜けになる事態を懸念している模様だ。
米英両国は、イラクが安保理決議1441に従い、無条件で査察に協力すべきだと主張しており、事前通知の要求もこの決議に違反すると指摘している。
両国がさらに調べたところ、査察を担当するブリクス国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)委員長が、自らイラク政府に「上空査察の際には事前に通知する」と約束していたことが判明した。
ブリクス委員長は、過去に査察団が作った指針にしたがい、自分で査察活動計画を作ることが認められており、その一貫として事前通知を決めたという。
ブリクス委員長は14日に国連安保理で行なうイラク査察の追加報告の中で、この問題に触れる予定にしている。報告後、査察団の活動指針や安保理決議1441の解釈の仕方をめぐり、議論が起きそうだ。
また、同筋はイラクが6日から認めている「当局者の立ち会いなしでの科学者の単独聴取」について、イラク側の指名に基づいて聴取した最初の3人を除き、科学者側がテープ録音を聴取の条件にしていると述べた。査察団側はテープがイラク当局に提出されているとみて、録音なしでの聴取を求めている。
[毎日新聞2月14日] ( 2003-02-14-15:01 )