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02/12 18:17 亀裂深まるＮＡＴＯ　イラク復興にも影響か 　外信56
共同
　イラク攻撃をめぐり、北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）に入った冷
戦終結後最悪といえる亀裂が深まっている。国連安全保障理事会を
舞台にした査察継続問題で火花を散らす米国、英国とフランス、ド
イツの対立の構図がＮＡＴＯに飛び火。一枚岩だった結束が乱れた
影響は尾を引きそうだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　ブッシュ米政権は、欧州の主要同盟国であるフランス、ドイツの
造反への不信感を強めており、今後想定されるイラクの戦後復興や
平和維持の枠組みにも響く可能性がある。　　　　　　　　　　　
　米英がイラク攻撃に踏み切った場合を想定したＮＡＴＯのトルコ
防衛についての協議をフランス、ドイツ、ベルギーは十日、「時期
尚早」として拒否する考えを表明。トルコはＮＡＴＯ条約第四条（
加盟国の脅威に対する協議）に基づく討議を要請した。　　　　　
　米国では三カ国の姿勢について「ＮＡＴＯは解体しようとしてい
る」（パウエル国務長官）「二流国家（フランス）の妨害は許さな
い」（キング下院議員）と反発の声が上がった。一部米メディアは
、国防総省がドイツなど欧州に駐留する米軍の削減を検討中と報じ
た。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　ラムズフェルド国防長官は十日、三カ国がトルコ支援を最終的に
拒否した場合、「ＮＡＴＯの残りの十六カ国が連合を構築して支援
する」と述べ、ＮＡＴＯの枠組みを外した軍事支援の可能性を示し
た。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　米政権は十四日の国連査察の追加報告を受けて、「イラクが協力
しない以上、査察継続は無意味」として打ち切りを要求する方針だ
。米英は対イラク武力行使容認決議案を安保理に提案、イラク攻撃
の最終準備を整える構えだが、フランス、ドイツ、ロシアは査察継
続を求め、米英との溝を深めている。　　　　　　　　　　　　　
　ＮＡＴＯは冷戦構造下、ソ連主導のワルシャワ条約機構に対抗し
てきたが、冷戦終結後は地域紛争の解決に軸足を移した。米軍は欧
州の要請に基づき、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争やコソボ紛争に
派兵し、欧州の紛争解決で中心的な役割を果たしてきた。　　　　
　米中枢同時テロ後、地球規模で「対テロ戦争」を展開するブッシ
ュ政権は、ＮＡＴＯにも対テロ機能を期待しており、米国内では「
ＮＡＴＯは核や生物兵器を使用するテロに対応できなければ役に立
たない」（ウォールストリート・ジャーナル紙）との声も強い。　
　米有力シンクタンク、ブルッキングズ研究所のガートホフ客員研
究員は「（今後のイラクへの対応には）現在の対立が反映される可
能性がある」と述べ、フランス、ドイツがイラク攻撃反対を貫けば
、イラクの戦後復興への参加にも影響すると指摘した。（ワシント
ン共同＝小片格也）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
（了）　　０３０２１２　１８１７　　　　　　　　　　　　　　
[2003-02-12-18:17]

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フォローアップ:

• 「先制主義」で根深い対立　異なる米と欧州の安保観　共同 倉田佳典 2003/2/12 20:04:41 (0)

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