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(回答先: サンデープロジェクト出演:独仏新提案に否定的=川口外相 [時事通信] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 2 月 09 日 14:24:26)
件名:《ESPIO!》 英国政府「コピペ文書」の意味
●(((((((((((((((((((((( ESPIO! ))))))))))))))))))))))●
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《公安情報 ESPIO!》
■ 英国政府「コピペ文書」の意味 Vol.189 02/09/03
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●HP(登録・解除) http://www.emaga.com/info/xp010617.html
1 これがパクリ報告書
すでに各紙で報道されているのでご存知の方も多いだろう。
フセイン政権がいかにインチキか印象づけるために、英国首相府(官邸)のウェブサイトで公開された文書が、
http://www.number-10.gov.uk/output/Page7111.asp
なんと驚くべきことに、実は研究者等の論文や記事を、文字通り「盗用」したものであることが発覚したのである。
あちこちの報道で登場している"Plagiarism"という耳慣れない単語は、「剽窃」を意味する。もっと分かりやすく言うと、「パクリ」である。
インチキなのは、ほかならぬ英国政府のほうだったのだ!
<参考>確固たる盗用の事実を「?」付きで報じる新聞記事
英、院生論文を「流用」? 文法など間違い同じ 対イラク機密文書2003.02.07 朝日新聞東京夕刊 2頁 2総
【ロンドン=欧州総局】英テレビ「チャンネル4」は6日、英政府が公表したイラクの大量破壊兵器開発に関する「機密文書」は、米大学院生が発表していた論文などの内容を引き写したものだった
、と伝えた。同文書は、パウエル米国務長官が5日に国連安全保障理事会で行った報告の中でも触れられていた。
文書は「イラクの隠匿、虚偽、脅迫の組織」と題して英情報機関MI6が作成、1月に公表された。情報源は明らかに記されていないが、ケンブリッジ大学の研究者らの調査結果によると、米カリフォルニア大の大学院生イブラヒム・マラシ氏が湾岸戦争当時の情報
を基に発表した論文など、雑誌上に公開された3論文と極めて似た記述が多数あったという。
中には論文のつづりや文法の間違いもそのまま丸写しになった部分もあった。ロイター通信によると、英政府報道官は報道に対し、「政府は諜報(ちょうほう)活動によってのみ情報を集めているわけではない」と話した。
このパクリ文書は、パウエルの国連報告に合わせて、その前日に発表された。
朝日記事にもあるとおり、ご丁寧にパウエルもプレゼンテーションの中で、同文書に触れている。
http://www.emaga.com/bn/?2003020023529365011476.xp010617
<参考>パウエルの言及
http://www.state.gov/secretary/rm/2003/17300.htm
I would call my colleagues' attention to the fine paper
that the United Kingdom distributed yesterday which describes
in exquisite detail Iraqi deception activities.
(仮訳)
昨日英国が配布した優れた文書に皆さんの注意を促したいと思います。そこではイラクの偽装活動について極めて詳細に述べられているのです。
そこでまず、上記新聞報道等を確認するために「チャンネル4」を検索してみると、次のとおりである。
http://www.channel4.com/news/home/z/stories/20030206/dossier.html
さらにダメ押しで英国政府に剽窃の事実を認めさせている。
http://www.channel4.com/news/home/z/stories/20030207/dossier.html
「チャンネル4」が報じるところによれば、イラク情報機関の活動実態について記した冒頭の文書は、「大学院生」の論文を含む3つの記事から、コピーされている。
そのうちの一つが、
"Middle East Review of International Affairs"
という雑誌に昨年秋に掲載された
"IRAQ'S SECURITY AND INTELLIGENCE NETWORK: A GUIDE AND ANALYSIS"
という論文だ。
http://meria.idc.ac.il/journal/2002/issue3/jv6n3a1.html
http://cns.miis.edu/research/iraq/iraqint.htm
この執筆者がIbrahim al-Marashiである。
「チャンネル4」の記事末尾で「例」が挙げられているように、間違いなくパクリであることがよく分かる。
"typographical error"、すなわち誤植まで同じなのだ。
<オリジナル>
"Saddam appointed, Sabir Abd al-Aziz al-Duri(80) as head
of Military Intelligence during the 1991 Gulf War.(81)
After the Gulf War he was replaced by Wafiq Jasim al-Samarrai.(82)
<パクリ>
"Saddam appointed, Sabir 'Abd al-'Aziz al-Duri as head
during the 1991 Gulf War.
After the Gulf War he was replaced by Wafiq Jasim al-Samarrai.
本当なら"appointed" の後ろにはカンマが付かないのに、そのまま同じ間違いが繰り返されている。
つまり、“内容”をパクっているだけでなく、いわゆるコピペ(コピーペースト)していることが明らかなのである。
2.パクリの全貌
もちろん全文コピペなわけではなく、適宜言い換え(パラフレーズ)られている。しかし、次のとおり、悪意をもって、あるいは意図した効果を狙ってパラフレーズされている。
<参考>言い換えの例(注:この他の例は下記の「投稿」を参照)
■
(オリジナル)
"monitoring foreign embassies in Iraq."
(パクリ)
"spying on foreign embassies in Iraq".
■
(オリジナル)
"aiding opposition groups in hostile regimes."
(パクリ)
"supporting terrorist organisations in hostile regimes"
以上の事実に気づいたのは、「チャンネル4」の記事から、ケンブリッジ大学講師のGlen Rangwalaという人であることが分かる。
http://www.eccmei.net/~eccmei/P/auth4.html
この人がどうしてこんなことに気づいたかといえば、米英の政府発表、報告書、UNSCOMやUNMOVICの査察結果、そのほか広範囲の報道、文献などの公然資料を極めて緻密に検証して、イラクが大量破壊兵器を保有しているとする主張がどの程度正しいのか、あるいは信頼できないのか、批判的に分析しているからだ。
http://middleeastreference.org.uk/iraqweapons.html
普段からこういう作業を続けていたので、「アレ?どこかで読んだことがあるな」―そんなふうにピンと来たのだろう。
とはいえ、である。
たまたま、何箇所か無断引用した程度のことを大げさに騒いでいるだけではないのか・・・?
そんなふうな感想を抱く読者もいるに違いない。
正直、筆者も最初そう思った。
ところが、以下の投稿を見ると、ほとんどのページにパクリがあることが分かる。
http://cryptome.org/mi6-mi6.htm
このメールは、上記Rangwalaから送られたものがCryptome
に転送されたもののようだ。
「チャンネル4」が指摘した言い換え例がほかにも多数あることや、他は丸ごとパクっているのに、諜報機関の人員数等だけについては都合よく、過大に置き換えられていることなども分かる。
結局、英国政府の文書は、そのほかKen GauseとSean Boyne が執筆した"Jane's Intelligence Review"
の記事を中心にパクっているのだ。
それぞれの記事で「バース党」の英語表記が異なっているところ、各々コピペの範囲の応じて、英国文書にそのまま記載されているなどと記されている。
余りのデタラメ振りをにわかには受け入れがたく、
http://www.number-10.gov.uk/output/Page7111.asp
を再度確認してみると、たしかに政府文書であるにも関わらず、
"ba'th party" "ba'ath party"
などとバラバラの表記が混在している。
表記ばかりでなく、内容面においても、両者の記事を混同して、叙述に矛盾が生じていることが指摘されている。
3.パクリの意味するもの
Cryptomeの投稿も主張するとおり、この英国政府文書だけを読むと、あたかも英国諜報機関が独自に収集し、分析したインテリジェンス(諜報)の裏付けが存在するかの如く勘違いしてしまうことだろう。「天下のMI6がそういうのなら、致し方ない」、きっとそんな感想を抱いてしまうことだろう。
ところが、実態は単なるコピペ文書なのだ。
たしかに、文書は冒頭「この報告書は諜報資料を含む数多くの資料を引用している」などと断っている。
だが、断りもなく引用していれば、どこまでが独自情報だかまったく分からず、まさかここまで酷いパクリ方をしているなどとは誰も想像しないに違いない。
出典を記せないのには、なるほど事情があって、たとえば、日本政府が北朝鮮の脅威を強調するのに際して、「週刊文春の報じるところによれば」などと記していれば、誰も信用しないだろう。それが「文芸春秋」であろうと「週刊新潮」であろうと「朝日新聞」で
あろうと、その他諸々であろうと同様である。
"Jane's Intelligence Review"は権威ある専門誌だが、それでも政府機関が雑誌記事をそのまま根拠情報に掲げていれば、まるで説得力を欠いてしまう。どうしてかと言えば、政府には当該情報を検証する権限と能力があるにも関わらず、その作業を放棄しているか、もしくは裏付けがないことが明らかになるからだ。
こんな杜撰な報告書を天下のMI6が作成したものであるとは信じ難い。
そのため、投稿記事では、「イラクとアルカイダの関連を示す情報など存在しないため、MI6は英国政府への協力を拒んだのではないか」などと指摘しているのである。
もっとも、翻って考えてみれば、たとえパクリだったとしても、
元の引用記事内容が正しければ、パクリ文書も内容自体は正しいと言えるかもしれない。
Ibrahim al-Marashiは"Center for Nonproliferation Studies"
で勤務し、その前はハーバード大学の中東研究センターで、イラクから押収した文書の分析作業に従事していたのであった。
http://cns.miis.edu/cns/staff/mara.htm
国務省や議会調査局、国防大学でイラン・イラク関係等について研究してきたわけだから、単なる「大学院生」などではない。
この点で、チャンネル4や朝日新聞の報道振りは、それはそれである種の「誘導」があると言うべきだろう。
いささか想像力を飛躍させれば、この人物はCIA等からリクールトされているのではないのか、とすら思えるほどだ。
しかし、最大限好意的に見ても、問題の英国政府文書は単なる「引用」などではなく、その実態はまさにコピペであることからも分
かるとおり、慌てて作成されたことが明白である。
突貫工事のお粗末さを暴露されたというだけでなく、ほかにも同じようにあちこちからパクっているのではないかという疑惑も当然生じる(実際、江畑謙介は、パウエル報告について、朝日新聞のインタビューに答えて、移動式の実験室等を偽装したとされる「18
台」というトラックの台数以外、ほかの情報に新味はない旨指摘している)。
さて、つい先ほどサンデープロジェクトを見ていると、川口順子外務大臣は、このパクリ文書について田原総一朗から質問されて、「報道でしか知らない」「あくまでイギリスの話である」旨述べていた。
これはこれで驚くべきコメントである。
なぜなら、もし「報道でしか知らない」ことが本当に事実なら、外務省は英国政府の公表した文書すら、未だにまともに再検討していないことになるからである。
上に記したソースなどからも明らかなとおり、誰でも簡単に内容をチェックできるし、報道からすでに数日を経ている。大臣はともかく、外務官僚なら1時間もかけずに問題点を列挙したペーパーを作成することだろう。川口にも当然、報告が上がっているはずだし、上がっていなければ、それ自体おかしい。
にも関わらず、まるでそのことが当然であるかのように、川口は「知らない」ということを吐露して恥じる様子がないのである。
さらに許しがたいのは「あくまでイギリスの話である」などとする情報操作である。このパクリ文書は、パウエルの国連演説と歩調を合わせて発表されたもので、パウエル自身、演説中に引用している。両者は断じて無関係などではない。
パウエルは自分の発言が、"assertions"(断定、主張)ではなく"facts"(事実)である旨、演説中わざわざ二度にわたって明言し、強調している(逆に言えば、そう断らなければならないほど、明白な証拠に欠けているということでもある)。
さらに、こんなふうにも述べているのである。
My colleagues, every statement I make today is backed up
by sources, solid sources. These are not assertions. What we are
giving you are facts and conclusions based on solid intelligence.
(仮訳)
皆さん、本日私が述べることはすべて、情報源、確実な情報源によって裏付けられています。これは断定的な主張などではありません。我々が示しているのは事実であり、確実なインテリジェンスに基づく結論なのです。
パウエルによれば、その発言は、尊大にも、“すべて”確実なインテリジェンスに基づいているという。
したがって、その論理的帰結として、「確実なインテリジェンス」の一つに、このパクリ文書が含まれていることも、火を見るよりも明らかである。
すなわち、このパクリ文書の一件は、決してトンマな笑い話などではなく、いかに英米の示す証拠なるものが胡散臭いかという有力な証左であるばかりでなく、わが日本国の外務大臣、ひいては外務省も、一国の将来を左右する外交政策を判断するにあたって、その
実、まともに“証拠”や情報を、独自に分析・検証などしていないという恐るべき実態を、雄弁に物語っているのである。
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