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【アンマン福島良典】イラクの大量破壊兵器開発に関するパウエル米国務長官の5日の新証拠開示について、アラブ世論は「説得力のない証拠」(ヨルダン紙)などと受け止め、武力行使は正当化され得ないとの見解が一般的だ。その一方で、イラク攻撃準備を加速する米国を前にアラブ諸国政府は有力な代替案を打ち出せず苦慮している。
6日付クウェート紙アル・ワタンは新証拠開示で「開戦間近」と論評した。ヨルダン・タイムズ紙は社説で「目新しい内容はほとんどない。テープや衛星写真、匿名の証言などについては多くの人が信憑(しんぴょう)性に疑問を抱くだろう」と指摘した。
アラブ連盟のムーサ事務局長は「すべての証拠は査察団に提供されなければならない。検証できるのは査察団だ」と査察延長を要請。「決定を下せるのは国連だけだ」と述べ、開戦を急ぐ米国をけん制した。
アラブ連盟は当初、3月24日にペルシャ湾岸のバーレーン・マナマで緊急首脳会議を開く予定だったが、「湾岸での軍事的緊張」を理由にカイロに場所を移し、3月上旬に前倒し開催する方向で調整している。これに対し、イラク攻撃による国内不安定化を危惧するサウジアラビアは戦争黙認につながるとみて反発、アラブ諸国で足並みの乱れが出始めている。
大半のアラブ諸国では「外交解決の道は閉ざされ、戦争は不可避」との見方が広まっている。エジプト紙アルアハラムは1月31日、「平和解決を目指すアラブ諸国の努力にもかかわらず、イラク政権は大言壮語の声明を出し、米国内の好戦陣営を勢いづかせている」と指摘、フセイン・イラク大統領の危機対応に不満を表明した。
[毎日新聞2月6日] ( 2003-02-06-20:22 )