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アメリカは正常か
アブ・ハバル
2003年01月26日
FBIが在米イラク人5万人を調べ始めた。彼らのほとんどはこれまでイラクのサダム体制に嫌気がさし、アメリカに移住してきた者たちのはずだと思われる。
ところが、アメリカ政府は彼らを調査の対象とし、同時に監視の対象にもすることにした。その結果、アメリカ在住ラク人たちはサダムに続く、新たな抑圧者(ブッシュ大統領)と戦わなければならなくなったということだ。
アメリカ在住イラク人がアメリカで受けることになった仕打ちは、当然のことながら在米ムスリムを大きく刺激することになろう。既に、イスラム教のリーダーがアメリカ政府によって、入国を拒否された、というニュースが彼のアメリカに住む家族によって明かされている。
その不安は、アメリカ在住イラク人にとっては、最も危険な状況が今後、自分たちの身に起こってくることを意味しているということだ。アメリカ政府に協力した疑いで、アメリカを離れたい在米イラク人が、何処の国で暗殺されるかわからないからだ。
それは、アメリカ政府が最近になって、アラブ系アメリカ人はCIAに協力すべきだ、彼らを使うべきだ、と言い出したことから想像がつこう。この話は、まるで第二次世界大戦時に、日系アメリカ人に対して行なったのと同じことではないか。
アメリカはイラクに対する戦争が、なかなか世界の賛同を得ることができないことと、戦争が困難かつ危険なものであり、アメリカにとってリスクの高いものであることから生じる不安を、アラブ系アメリカ人やイスラム教徒アメリカ人に対し、厳しく対応することによって解消しようとしているのだろうか。
どう見ても最近のアメリカの言動は子供じみているとしか思えない。第二次世界大戦後の日本占領時の手法をそのまま使おうと言い出したり、戦争犯罪人裁判をすると言い出したりしては欧州のひんしゅくを買っている。
戦争が叫ばれ始めたのは、昨年前半であったにもかかわらず、イラクとの戦争を声高に叫ぶ割には、湾岸のアメリカ軍将兵の数はなかなか増えていないのはどうしてか。湾岸に向かうはずのアメリカの空母が、途中で方向を変え帰国したり、行き先を変えているのは何故なのか。
アメリカは国連のイラク査察を数週間延長すると言い出した。それに加え、イスラム教のハッジ(大巡礼)が迫っている。こうした動かせない情況は、アメリカをして、3月中東にイラクとの戦争を始めることを、ほぼ不可能にするのではないか。その後は炎熱地獄の時期を、イラクと周辺諸国は迎えるのだ。
アメリアカの叩く戦争のドラムに驚いて、「戦争は近い」と叫ぶ中東専門家や官僚、政治家が日本では多いが、アメリカの真意が何処にあるのかを、もう一度考えてみる必要があるのではないか。
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