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【ワシントン中島哲夫】ブッシュ米政権はイラクの大量破壊兵器に関する国連安保理への27日の査察状況報告を「追い風」と受け止め、安保理の武力行使容認決議や米国内世論の支持獲得に向けて動き出す。その一環として、米情報当局が入手したイラクの違反行為の「証拠」の一部を、来週にも公開する見通しだ。
この証拠公開はパウエル国務長官が行う模様だ。長官は27日付イタリア紙とのインタビューで、米国はイラクの大量破壊兵器保有の証拠を確保しており、情報ルートを守れるなら公開するとの趣旨の発言をしていた。また同日の記者会見では、査察団が調査対象施設に到着する直前にイラク側が何かを隠した例を査察官が報告し、米国も確認していると述べた。
28日付の米紙ワシントン・ポストは、ブッシュ大統領と政権ブレーンが重要情報の一部の機密指定を解除することを決めたと報じている。
パウエル長官は昨年の安保理決議1441で、当初ごく少数の賛成しかなかったのに各国外相を説得して「15対0」の全会一致採択にこぎつけた立役者。今回も「追い風」を背景に「新証拠」を提示する中で「可能ならば安保理の武力行使容認決議を確保する」という方針で突き進むとみられる。しかし採択の見通しが立たなければ決議案の提出も断念せざるをえない。その場合は国連とは別次元の「連合軍」形成を目指すことになる。
イラク周辺に展開する米軍が約15万人に達し、緒戦で重要な役割を果たす空挺部隊や海兵隊もそろうのが2月末ごろ。イラクがよほど大胆な譲歩をしない限り「3月初めに攻撃開始」を想定して準備を進めるとの見方が有力だ。
2月14日の次回報告までは問題なく査察が延長され、米国の各国への説得工作も継続すると見られるが、その後の展開は流動的と言える。
[毎日新聞1月28日]