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【ニューヨーク佐藤由紀】米政権内のタカ派として知られるウォルフォウィッツ米国防副長官は23日、ニューヨークのシンクタンク「外交問題協議会」での講演で、米国の対イラク攻撃について「証拠は揃っている。過去の事例だけでなく、米国や同盟国が情報活動で集めた現時点の証拠もある」と語った。副長官はまた、イラク人科学者が国連査察団による単独聴取を拒否していることに関連し、「フセイン大統領が(査察官による)聴取に協力する学者と家族の殺害を命じた、との複数の情報がある」と述べ、イラクの独裁体制の現状を強調した。
副長官は講演で、「イラクの大量破壊兵器開発阻止は対テロ戦勝利の重要部分だ」と述べ、イラク攻撃の意義を強調した上で、「イラクが自発的に非武装化に協力しない限り、国連査察官が違反の証拠を発見するのは不可能だ」と攻撃の正当性を訴えた。しかし、具体的な証拠については「説明の時間がない」と、明らかにしなかった。
「証拠は出せないが政府を信頼しろ、というのか」などと聴衆から現政権に批判的な質問が続出したが、同副長官は「イラクを信頼するというのか」と矛先を変えた。
[毎日新聞1月24日] ( 2003-01-24-12:08 )