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1月16日(木)
[要約]ブッシュ大統領は北朝鮮が核開発を放棄すれば、大規模な援助を表明するなど、北朝鮮へ強硬姿勢を変化させている。これは米国の北朝鮮封じ込め政策に、「効果がないだけでなく危険」(ニューヨーク・タイムス紙)という指摘と、「最初から交渉を拒否する外交はない」(国務省高官)という批判がでたからという説がある。また今はイラク攻撃に専念したいために、北朝鮮の問題に蓋をしたいという説もある。しかし北朝鮮は、この変化を「国際世論を欺瞞する謀略」(北朝鮮・外務省スポークスマン)として反発し、援助を受け入れる姿勢を示していない。さらにアメリカの変化を、北朝鮮の恫喝に譲歩した成果と判断し、さらに強硬な姿勢に出ることも考えられている。
[コメント]ブッシュ大統領の提案は明らかに謀略である。北朝鮮に対して、支援をエサに、アメリカに対する依存心を高める作戦である。独裁者がこれを受け入れれば、アメリカに依存する支配者のイメージができる。北朝鮮国内のカリスマ性など吹き飛んでしまう。「北朝鮮は絶対に受理できない」、そんなことを100も承知で、アメリカが北朝鮮向けに出した「心理戦」の声明である。それを北朝鮮が謀略と非難しても、アメリカは痛くも痒くもない。まあ、北朝鮮はアメリカに舐められているのだ。この上、強硬な姿勢を示しても、「もし援助が欲しいなら敵対行動をやめなさい。そうすれば、アメリカは話し合いで友好的に解決する用意がある」で片付けられる。アメリカが軍事力を使わない北朝鮮崩壊の方法とは、援助をエサに金正日のカリスマ性を打ち壊すことである。
もし金正日がブッシュ案を受け入れて、核開発中止と反米姿勢転換を表明し、アメリカから援助の食糧と燃料を受け入れれば、それは金正日の滅亡を意味することになる。長い間かけて築いたカリスマがなくなり、国民が独裁者を恐れなくなる。次に北朝鮮国内で、アメリカに降伏するより、戦って死んだほうがいいという者たちが、金正日を暗殺する可能性だってある。
最近、北朝鮮が日本に戦争を仕掛けるとか、日本でテロを起こすという企画で、マスコミからの取材が多くなった。北朝鮮がワイワイ騒いでいるのは、国内の緊張感を高めて末期的な事態発生を防ごうとしていることと、アメリカに脅しが通じて交渉を有利に展開できると誤解しているだけの話だ。北朝鮮のだれも日本と戦争をするつもりはない。北朝鮮に頼まれもしないのに、日本のマスコミが北朝鮮の「架空」の軍事脅威をあおってあげる必要はないと思う。
毎日いろいろなマスコミから、「北朝鮮の工作員が地下鉄や地下街でサリンと使うとどうなりますか」、「テポドンを東京や大阪に打ち込んだらどうなります」、「北朝鮮の炭素菌や天然痘を築地の市場で散布したらどうなります」と、同じ質問を受けている。「何のために、どうして」が私の答え。「やめようよ。そんな北朝鮮の体制の危機をおもちゃに遊んでもしかたないよ。日本人がわが国の軍事力に怯えていると北朝鮮が喜ぶだけだよ」。
今までは、そんなことを思っていても、私には何も出来なかった。いつももどかしさを感じていた。しかし今は違う。多くのマスコミ関係者が、このホームページを読んで取材に来るようになった。北朝鮮との戦争ものがどれだけ馬鹿馬鹿しい企画が気がついてくれだした。
http://www.kamiura.com/new.html