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(回答先: イラク攻撃の時期、数カ月ずれ込む可能性 [ロイター] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 1 月 14 日 16:42:06)
【ニューヨーク=勝田誠】イラク攻撃の開戦時期が遅れる見通しが強まっているのは、国連安全保障理事会を始め国際世論が米国の思惑通り動いていないことが大きな要因だ。国連による査察が「報告書提出期限」とされた今月27日以降も継続するのが確実となる中で、米国には新たなジレンマが持ち上がっている。
◆外れた米の読み◆
安保理の空気は、昨年11月に決議1441を採択した時点から、様変わりした。採決の際、仏露中の慎重派から、シリアまで賛成票を投じ、米国は「安保理は一気に『開戦不可避』でまとまる」と期待した。
だがこの米国の読みは、次第に外れていく。査察開始から約50日経た今でもイラクの大量破壊兵器開発の証拠は見つからず、イラクは従順に査察団に従い、しっぽをつかませない。約1万2000ページに及ぶ申告書提出、さらに「証拠はないが、疑惑は晴れない」とする国連査察団の中間報告提出を経て、仏露中は「それならあくまで査察を通じて証拠を見つけるべきだ」との意を強めた。
米国の最大の同盟国英国の逡巡(しゅんじゅん)も大きい。ブレア首相は一昨年の対アフガニスタン軍事行動では、一貫した強硬姿勢で国際世論を引っ張ったが、今回は国内世論で、「攻撃賛成」(各種世論調査で33―39%)が、「反対」(同40―44%)を現時点でも上回れず、与党労働党内すらまとめ切れていない。
◆査察継続へ◆
こうした国際世論を考慮、米政府も1月27日が「期限」ではないとの見解を示すに至り、査察当面継続の流れは決定的になった。
ただし、今のペースで査察継続しても大量破壊兵器疑惑解明に突破口が開けるかどうか疑問であることも事実だ。イラク人科学者など兵器開発関係者のイラク国外での事情聴取が「切り札」と目されてきたが、こうした科学者が現れた場合も、せいぜい末端の科学者か、情報かく乱目的の工作員の可能性がある。中核でかかわった科学者の国外聴取は依然困難と見られる。
また、査察継続容認は、米国にとってもろ刃の剣だ。「証拠が挙がらない以上、攻撃を正当化することができない」という袋小路に陥る可能性があるからだ。事実、世論調査によると、米国民も「証拠を見つけるまではイラク攻撃を待つべきだ」との意見が多数派だ。
こうした状況では、武力行使を明確に容認する第二の安保理決議の取り扱いについては、まだ議論になる段階ですらない。仏露を含む安保理構成国の大半が、新決議採択が必要とし、米国が依然、「決議1441で十分であり、必要ない」(米外交筋)とする構造には変わりはないが、現状では査察期限をいつまで設定するかが「開戦」時期を左右する最大の焦点となっている。
(1月14日22:15)