現在地 HOME > 掲示板 > 戦争20 > 846.html ★阿修羅♪ --> |
|
【ウィーン福井聡】国際原子力機関(IAEA)緊急理事会が6日、北朝鮮の核開発問題を当面、国連安保理に報告しない方針を打ち出した背景には、イラク問題を抱える米国と、北朝鮮問題の緊張激化を避けたいロシア、中国という、安保理常任理事国の思惑の一致があったといえよう。
理事会筋は、決議の内容について「(朝鮮半島エネルギー開発機構の当事国である)日米韓3国が緊密に連絡を取り合った上、中国・ロシアの立場も配慮して、議長国・クウェートがまとめた」と説明した。
米国は、今月27日に大量破壊兵器開発疑惑をめぐる、イラクの査察結果の国連安保理報告を控えている。その時期に、北朝鮮問題の安保理報告となれば「事態は一層、複雑になる」との懸念があった。
一方、北朝鮮と深い関係を持つ中国、ロシアもイラク問題での米国との微妙な対応に加え、北朝鮮問題で米国との意見対立が生じるのを避けたいのが本音だ。
IAEA理事会決議は北朝鮮に「緊急に回答するよう」求めた。その一方で、IAEAのエルバラダイ事務局長は「数週間以内」と口頭で期限を明言した。IAEAのこうした複雑な対応も、米国、中国、ロシアの3大国の思惑を反映したものとみられる。
しかし、理事会筋は「北朝鮮が今後、再処理施設稼動など危険な方向に向かうのか、決議受け入れに向けた前向きな姿勢を示すのかによって、次にどのような段階を迎えるかが決まる」と発言しており、北朝鮮の対応によって、国連安保理への報告を行うという、IAEAの基本方針には変化がないことを強調した。今後の展望は、今月27日のイラク査察の安保理報告後に見えてくる可能性が強い。
[毎日新聞1月7日] ( 2003-01-07-13:04 )