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防衛庁は、周辺国の施設を高高度から撮影する滞空型無人機の装備化を目指し、新年度予算に二億六千万円の研究費を計上した。地球を周回する偵察衛星が一日一回しか目標を撮影できないのに対し、連続三十六時間の長時間観測が可能になる。日本初の“スパイ機”とも言える同型機の開発は、内外の関心を呼びそうだ。
滞空型無人機は他国の軍事施設を継続して観測したり、洋上の工作船を追跡するのが狙い。地上から二十キロ以上の高高度を飛ぶため、地対空ミサイルは届かない。領空侵犯にならない公海上空からでも朝鮮半島の内陸部にある軍事施設が撮影できるという。
地上から無線で操縦し、デジタル画像や動画を地上局に送信する。曇天でも撮影できるよう光学カメラのほか、レーダー、赤外線探知装置などを用途に応じて積み替える。グライダーのように飛ぶ滑空性能を考えて翼幅は約四十六メートルと大きく、ボーイング767並みの大型機になる。
初年度の二〇〇三年度はシステム構想設計と翼の風洞試験を実施。〇七年度までに総額十九億円を投じて開発・配備に必要な技術データを収集する。
米国には同じ目的で開発された「グローバルホーク」があり、米空軍はアフガニスタン攻撃に利用した。防衛庁は米国からの購入圧力をかわす意味から、滞空型無人機の性能をより高めたいとしている。
ただ、上空は旅客機の飛行ルートが縦横に走るため万全の衝突回避策が求められるほか、酸素の薄い高高度で動くエンジンの開発など技術面の課題は多い。
防衛庁幹部は「専守防衛の国是に沿った装備」と言うが、“のぞき見”される周辺国の反応が注目される。