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(回答先: テロ:イエメンの病院で男が銃を乱射、米国人医師3人を殺害 [毎日新聞] 投稿者 あっしら 日時 2002 年 12 月 30 日 23:59:27)
【カイロ小倉孝保】イエメンで米医師7人が死傷したイスラム過激派によるテロ事件は、米政府のアラブへの対応にアラブ・イスラム教徒が不満を高めていることの現れだ。今後、米政府が国際社会の理解を無視して対イラク軍事攻撃を推し進めれば、アラブ諸国でこうしたテロが相次ぐ可能性もあり、米政府だけでなくアラブの親米政権も難しい政策運営を迫られそうだ。
アラブ社会には今、パレスチナとイラクの問題に対する、米国の二重基準(ダブルスタンダード)への不満が強い。
アラブ人からみれば、イスラエルはパレスチナの土地を占領しながら、国連決議を無視し、しかも大量破壊兵器を所持していることが明らかな国だ。米国がイスラエルを軍事的に支援しながら、大量破壊兵器の問題でイラクへの軍事攻撃を準備することは反アラブと映る。また、最近では核開発推進の意思を明確にしている朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への対応がイラクと違うこともアラブ人は不当だと感じている。
イエメンはアラブ諸国の中でもとりわけアラブの習慣を残し、国民の多くがアラブの連帯を意識する国だ。また、部族社会も残っており、大統領は重要政策決定に際し各地方の有力部族リーダーの意見を参考にするほどだ。
部族の中には、武装集団を持っているところも多く、政府はこうした集団の武装解除を計画しているものの、部族の意向を無視した政策遂行は、サーレハ大統領自身の政権基盤を揺るがすことになりかねず事実上困難だ。
しかし、昨年の米同時テロ以降、イエメン政府はテロ支援のレッテルを張られることを嫌い、米政府の対テロ戦争に協力している。国内のアルカイダ支援組織の壊滅作戦にも乗り出しているが、国民の反米感情は高く米政府への協力は政権にとって「両刃の剣」だ。
サウジアラビア、エジプト、バーレーンなどの親米国でも対米感情は確実に悪化しており今回の事件はイエメンだけでなく、こうした国々の政府にとっても警告となるだろう。
[毎日新聞12月30日] ( 2002-12-30-20:16 )