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【カイロ小倉孝保】イエメン南西部エッブ県ジブラで30日、イスラム過激派の男がキリスト教系の病院に押し入り半自動小銃を乱射、米国人医師3人を殺害し1人に重傷を負わせた。男はイエメン治安当局によって逮捕されたが、アフガニスタンで軍事訓練を受けたとの情報もありウサマ・ビンラディン氏率いるアルカイダのメンバーの可能性もある。イラク攻撃を計画する米国への不満が背景にあるとみられる。
治安当局によると、逮捕された男はアベド・アブデルラザック・カメル容疑者(32)で、男性の病院長と女性医師2人を殺害し薬剤師に重傷を負わせた。事件当時、医師たちは朝のミーティングを開いていた。
同容疑者はイスラム原理主義の野党「アルイスラハ」のメンバーとみられ、イスラム教のアルイマーム大学の学生との情報もある。「我が宗教を清め、アラー(イスラムの神)に近づくため」と犯行の動機を語っている。サヌアの米国大使館は「イエメンに対し人道的支援を行ってきた米国人への攻撃を非難する」との声明を発表した。
イエメンはビンラディン氏の父の出身地で、同氏の人気は高い。かつてはイラクに出稼した者が多く国民に親イラク感情が高い。湾岸戦争(91年)でも反イラク陣営に加わらなかった。
また、イスラム過激派も多いとされ00年10月には、アデン沖で米駆逐艦を狙ったテロが発生し米兵17人が死亡。今年10月にはフランスのタンカーに対するテロも発生している。政府は米国の支援でイスラム過激派の拠点とされるマーリブ周辺を中心に、過激派の掃討作戦を続けているが、完全に武装集団を壊滅するには至っていない。
ジブラは首都サヌアの南約170キロ。被害のあった病院はバプティスト系の病院で67年に、地元の人々への医療支援を目的に設立されている。
[毎日新聞12月30日] ( 2002-12-30-22:14 )