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私は12月26日に、以下の投稿をさせていただきました。
これはスウェーデン政府が、アメリカ政府の言論弾圧にさらされているアメリカ政府職員をスウェーデンに脱出させ,そこで自由な言論をさせるプログラムを開始した,というDennis Hansという人物の記事をこれは,信憑性があるものとして,紹介させていただいたものです:
「中央情報局など米国政府職員がスウェーデンに亡命し始めた!」
http://www.asyura.com/2003/war20/msg/532.html
で、木村様の、これはホラではないか、という指摘を受けいていたものです.根拠をお知らせ下さい,とお願いする形で返答させていただいたのですが、いただいたお返事ではこれが事実の記事ではないと結論できないとのまま、今一つ判然としないまま,時間が経過していたわけです。で、これを掲載したニュージーランドの報道メディア、そして、筆者ご本人にコンタクトを試みました。
そして、著者DennisHans氏と直接連絡が取れ,これまで往復4度の電子メールのやり取りをしました。いただいたメールを公開サイトで掲示しかつ日本語ヘの翻訳をして良いかどうかの許可,また,他、細かい点について問い合わせていたため、阿修羅へ報告するのに時間がかかってしまいまいました。いただいた彼の電子メールの英語本文は以下です。そのあとに日本語で訳出しました。
Dear ****
My story is a satirical, fanciful tale. (In addition to straight stuff,
I write a lot of tongue-in-cheek material; see below for some
examples.) Apparently, some folks received a version of the story that
lopped off the following biographical note:
"Dennis Hans files fantastic stories from cities heユs never visited for
the Wishful Thinking Express."
That note DOES appear in the U.S. and New Zealand website versions of
the piece:
http://liberalslant.com/read.htm
http://www.scoop.co.nz/mason/stories/HL0212/S00082.htm
My purpose in writing the piece was to embarrass the Bush administration
and the media slugs -- and maybe put a thought in the head of foreign
officials (should they ever read the piece) to propose such a plan,
which would place a much-needed spotlight on White House deceit and
intimidation that is all too real.
I'm glad the story is spreading, either as straight news or satire. It
seems to be striking a chord either way, which suggests a whole bunch of
folk see an urgent need for some sort of Palme Plan.
Dennis
ANDDOVUS Nations Authorize メRegime Changeモ for USA
http://www.commondreams.org/views02/0507-07.htm
Bush Made Taliban a Target After Rove Met with Razor-Industry Execs
http://www.commondreams.org/views01/1212-03.htm
Sunday Night Warfare, or Where is Howard Cosell When We Really Need Him?
http://www.commondreams.org/views01/1109-04.htm
Latest Mega-Merger: CBS and Colombian Government
http://www.commondreams.org/views/052000-102.htm
[以上が彼の電子メールからの抜粋]
[以下がその日本語訳出]
私のこの記事はひとつの風刺であり架空の話です。(私は真実を基礎とした硬派記事を手がける一方で、このような空想的な話の執筆も多く手がけています。そのような記事の掲載につい最後部にアドレスを記しましたので,サンプルとして参考にしてください。)明らかに,筆者紹介のところの次の一文を見落としてこの記事を本気に受け取った読者もいました。
"Dennis Hans files fantastic stories from cities heユs never visited for
the Wishful Thinking Express."(筆者は訪問したことのない都市からのファンタスティックな話を、「こんなことがあったらいいな」,という題名の媒体に整理して提供している人物です。)
この一文はアメリカとニュージーランドで掲載されたウェッブサイトにはちゃんと記されています。
私がこれを書いた目的ですが,それはブッシュ政権と薄のろな報道連中を「祝福」するためなのです.この記事が外国政府スタッフに届き、かれらがこのパルメプランのようなものを創出してくれることを期待したものです(まあもちろんこの記事を彼らが万一読んでくれれば、の話ですが)。そして一方、この記事によって、ホワイトハウスの欺瞞と脅しが存在する事にもっともっとスポットライトが当たる事を期待して書いたものです.なぜって,ホワイトハウスが民衆を騙し,脅威を与えている事自体は,全くもって真実なのですからね。
このわたしの書いたものが,広がって読まれていることは喜びとするところです.それが,真実の書き物としてであろうと、風刺としてであろうと、です。どちらにしても、読者の心の琴線に触れたもののように思われるからであり、つまり、たいへん多くの人が実際にパルメプランのようなものが緊急に必要である、と見ていることを意味しているからです。
デニスより
ANDDOVUS Nations Authorize メRegime Changeモ for USA
http://www.commondreams.org/views02/0507-07.htm
Bush Made Taliban a Target After Rove Met with Razor-Industry Execs
http://www.commondreams.org/views01/1212-03.htm
Sunday Night Warfare, or Where is Howard Cosell When We Really Need Him?
http://www.commondreams.org/views01/1109-04.htm
Latest Mega-Merger: CBS and Colombian Government
http://www.commondreams.org/views/052000-102.htm
[彼から私あての電子メール訳出終わり]
http://www.scoop.co.nzで掲載された(12月24日の)同一人物の記事の執筆者紹介に
Bio: Dennis Hans is a fearless scribe who relies on investigation and imagination to pen stories that may have kernels of truth. He can be reached at HANS_D@popmail.firn.edu.
つまり筆者は真実の核心部分を掴みうる話を、調査と想像力に依拠して書く恐れ知らずのライターである、とかかれています。
筆者は硬派なジャーナリスティックな記事を手がける一方で、一定のジャーナリスティックな事実を基礎としながらもイマジネーションを膨らませる事によって,真実の核心を突く、そういう方法論を使った執筆も手がけているということのようです。硬派記事の著者紹介欄には,上記の断り書きの一文を付けず,一方後者の方法論の執筆の際には,この一文を付すことによって,読者に,「いっておきますが、これはお話ですよ」という示唆をする、というルールで自己規律し、執筆者としての節度と責任を果たしているということのようです(この断り文もなかなか巧みに書いてあるのですが)。一定の事実を基礎とし、イマジネーションで話を組み上げ,風刺を孕んだウイットとし、もって、読者に事の核心部分を喚起する、伝達する,あるいは提案する.そういう戦略に基づく執筆スタイルを一方で採用している、ということのようです。
私自身,日本国内の報道チェックは阿修羅で拝見させていただき、もっぱら英語サイトで毎日相当な数の記事に目を通しているのですが、実は最近,そうした情報洪水のなかで、これほど私の心の琴線に触れた記事、快哉を叫びたくなったもの,胸のすくものはありませんでした。で,周囲の英語ネオティブに,この記事を読んでもらいみなで検討していたのですが、一様に,出て来た反応は、とりあえず、このアイデア(パルメプラン)は凄い!というものでした。現在の、アメリカ国内の,政府内外の厳しいゲシュタポ的言論圧殺状況の中では、特に,中央情報局内部での,分析担当官にかかっている強力なプレッシャー(ウソ情報を仕立てろ,という命令.これは事実で彼の記事にヒューストンクロニクル紙の記事が引用されている http://www.chron.com/cs/CDA/story.hts/nation/1607676))状況では、彼ら内部スタッフを国外逃亡させて,保護を与えた状況で真実を吐露させることでカウンターするしかないんじゃないか。たしかに、ベトナム戦争なども,政府内部職員が真実を明らかにして、反対のノロシをあげることができていたなら、これを阻止することができたのではないか。今回イラク戦争を押し進めている指導層のやり方についても,こんな方法が最も有効に,阻止できるのではないか.これは,世界各国で,採用すべき方法論ではないか.そんな形で,ある種の感嘆をもって議論を深めていた経緯があります。つまり、この記事は実に読ませてくれ,考えさせてくれ,他の人たちとどうしても共有したい気持ちにさせてくれたあまりにタイムリーでよくできたニュースストーリーだったのです。特にイラク戦争に甚大な懸念を覚え真剣に考えている我々のような人間には,ひどくアピールしてしまったのです。
第3次世界大戦にも展開されかねず,ニュージーランドの総人口に匹敵する死者が出ると予想されるイラク戦争をどうしたら食い止めることができるのか。かなり真剣に毎日考えているわたしにとっては、瞠目に値する感興せざるを得ないアイデアでした。信憑性のチェックも、既に記したように,第一次的にはそれなりに施した上で,また彼の他の硬派記事も目を通じた上で、まあいいところまで信用できるのでないか、という判断に傾斜したため、この記事の紹介に及んだものです。ホラではないかという指摘を受け,掲載したニュージーランドの報道メディアに問い合わせをし、またこの筆者本人にも問い合わせをしていたところ,本人が時間を置かず上記のように丁寧に返事を書いてくださリ,4度の電子メールの交換となりました(ただ,阿修羅での「ハタ」さんというかたの指摘されたニュースサイトにも全く同一の文章が出ていましたので,どうやら,真偽の問い合わせに対し定型の文章がとりあえず用意されていたのかもしれません。ただaml linkでの水元さんというかたが引用文されている最後の1行, We will leave discussions about what is real for another time.は DennisHansさんの文章ではなく,それを掲載した人物の文章です。)
自分なりに,信憑性の第一次的審査を施してこの記事を「信憑性のあるもの」として,情報提供させていただいたのですが、結果としてこれがジャーナリスティックな寓話であった点、お詫びいたします。また、木村様ほか,真実ではないのでは,というご指摘、レスポンスをいただき,感謝申し上げます.
ただ木村様に申し上げたいことは、今後,常に情報出所を付していただけるとありがたい、ということです。真実ではないという噂がある場合,誰がどのような形でそういう情報が流れているのか,確認する必要があるのですが、その情報がなければ,確認や判断のしようがなく、いたずらに時間を失い、基本情報の錯綜が深まるだけとなり場合によっては流言飛語状態となリ,情報とっ散らかり状態となりかねないからです。
またこの記事を木村様のように、「ホラ話」「本年度大ボラ大賞」という理解のされ方は非常に不適切である事は、この筆者を弁護するためにも、特記しておきたいと思います。ホラ話といういいかたは、根も葉もないことを、愉快犯的に、おもしろおかしく人騒がせ的に、人を欺く目的のいたずら的で不真面目な輩の話、雑記的、雑文というニュアンスになります。しかし、今回の書き物は,その類のものと次元が完全に異なるものである、ということにご注目ください。事実を基礎とし,問題への批判と解決を目指した,極めて高次の意図をもったウイットによる、非常に戦略的でハイレベルな言論手法だ、ということなのです。実は私自身相当量の日分と英文に接してきていますが,このような言論方法にこれまで,お目にかかったことがありませんでした。今回非常に良い勉強になったのはこの点です。たとえば、パルメプランのようなものを愚直・ストレートに提案しても、何となくピンと来ない可能性が十分あリ,読者の注目すら引けず,記憶にも残らず,やり過ごされたしまう可能性があるのです。私自身そんな文章に興味を覚えなかったと思います。ところが,中央情報局の分析官が,スウェーデンに移住して,思いの丈を満身喜びの中で,ぶちまける絵柄は,何ともいえず,興奮、ないしカイカンが襲うわけです。そして,そのプランが人々をひどく勇気づけるであろうリアリティーを容易に想像出来,そのプランの有効性と有用性を感じることができるわけです。そこから自分のイマジネーションも発展して、世界の政府がこんな事やってくれたらいいのになあ,日本政府だったらどの程度できるのかなあ,といった想像力やアイデアを膨らませてくれる結果になっているわけです。ここにはストーリーテリング(story telling)、物語リというものの偉大さを再確認させてもらった契機が孕まれています。
また、もう一つは現時点のアメリカの言論封殺状況では、直接このようなことを提案することは、弾圧の直接的対象にされかねないのです(現論人の自宅が当局により令状なく急襲される現象が実際でてきており、発言者が取締り対象になりかねない危険な言論環境がアメリカの現状となりつつあります)。したがって,間接的につまフィクションだよ,と示唆しながら,つまりワンクッションおきながら、実は当局に対する核心的で厳しい批判や皮肉、人びとへの提案を巧みに打ち出す戦略的作法論を彼が提示してくれている面があるのです。政治権力を批判する搦め手の方法論であると申せましょう。
今後日本の言論状況もアメリカ同様に暗黒化していく可能性、戦前のような言論弾圧の状況に陥るが非常に大なのです。そうなると,彼のような言論作法で対抗する準備もしておかなければならないのです。
いずれにせよ,この彼の言論作法を「ホラ」「本年度ホラ大賞」とか、「ウソ」「冗談」といったレベルで価値を貶めること、やりすごすことだけはしていただきたくないのです.(実際かれ及び掲載した報道サイトは、あえて微妙でウイットに富むいい方で,断りを入れており、彼らは責めを負うべきではありません)。むしろ彼の提案しているパルメプランのようなものを我々は真剣に考える必要があると思います。DennisHans氏の通常の言論スタイルの文章を見るとわかりますが、彼は優れたライターである事は間違いありませんが、この、事実と想像を混交させることでリアリティーを掴むという方法論での文章も手掛けることができ、実際人目を引く文章をかくことができるライターはそう多くなく、その意味で第一級の文章の書き手であるといえます。非常に敬意を覚えるものです。ちなみに、世界の絵画の歴史の分野で具象と抽象を混交させた方法論を初めて取った記念碑的作品は岡本太郎の「痛ましき腕」という作品で,国立近代美術館に収蔵されています。ピカソの、あくまで具象だが、空間を解体し、再構成することでリアリティーを掴むという方法論が、カンディンスキーなどにより完全抽象によるリアリティー把握という方法論によって19世紀絵画の最後の限界(ピカソといえど、やはり具象の域をでなかったという意味で19世紀的だった)が克服されるというかたちで克服されたあとに、岡本によってはじめて打ち出された方法論でした。絵画と文章を方法論的に平行化すると,真実の把握のための方法論として,こうしたやり方は立派に通用するものだ、ということになります。どうか,皆様、彼の今回の文章を、「ホラ」だの「ウソ」「冗談」だのと悪しざまにいって切って棄てることだけはやめていただければ,と思います(単に「撹乱的」になっても非生産的です)。これ言論人としては実は第一級の高等戦術であり,彼は非常に真剣かつギリギリのやり方で言論を構築していることをご理解ください。寓話的手法を持ち込んだが権力批判と受け止めていただければと思います。今後自分の書く文章様式としてこのような戦略的方法論を自分なりに修練したいとおもっています。
今回彼とつながりができましたので、今後英語圏メディアで扱われる事象につき,彼に各種問い合わ、相談に乗ってもらい、あるいは議論し、その結果や先端情報を踏まえるかたちで阿修羅でも情報提供させていただければ,と思っています。彼との御縁も大切にして行きたいと思っております。彼は当方が出したメールに対しても,非常に敏速かつ細かく親切に解答をいただくなどし、人柄をしのばせるものがあったことをここに付記したいとおもいます。今後彼の文章をぜひお読み下さるようお願いいたします.また,この文章を掲載したニュージーランドの報道メディアは必要最低限度の著者紹介をしており責任はありません.彼らもたいへん優れた活動をしていますので、どうか彼らのお立ち寄りいただくようお願いいたします。
当方のある種の至らなさ,限界をお詫びすると当時に、お読みいただいた(他のサイト含め)かた、各種レスポンスをいただいた皆様に本当に心より御礼申し上げます。ハタさんの紹介してくださった、
http://www.amerikanska.com/talkforum/thread.html?forum=3&thread=231というサイトは在スウェーデンのアメリカ人による,議論サイトですが,実はこれもかならずしも確定的な結論までいっていない,決め手を欠くボーダー線上にある状態の議論段階であり、ハタさんがおっしゃってるほどconclusiveとななっていません。わたしの直近にいる絵英語圏の連中や、アメリカ人をうまく引き込んだ,それだけ,巧みな文章だった、ということはいえましょう。
どうか皆様、パルメプランのようなものをふくめ、イラク戦争とその後の戦争を防ぐアイデアをもっとごいっしょに考えていきたいですね!日本が給油だけという形でも参加する事は絶対に反対です。