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(回答先: ロシア、イランが原発協力拡大で合意 米の反発必至 [CNN] 投稿者 あっしら 日時 2002 年 12 月 26 日 21:34:07)
【カイロ小倉孝保】ロシアとイランが25日、イラン国内で新たな原発建設を検討することなどで合意したが、米国の懸念に関わらずイランがロシアの協力で新たな原発建設に意欲をみせる背景には今後、対米交渉を進めるうえで米国に一方的に押し切られないため核を外交カードとしたいイランの思惑がある。
イランは、人口急増と産業化による将来の電力需要に対応するため原子力開発が必要と説明している。しかし、地元産業界などからは「石油、ガスの豊富なイランにとって原発は必ずしも必要ない」との見方が強い。
ロシアの協力で建設が進むブシェール原発1号炉については、革命(79年)以前にドイツの協力で完成間際だったため、その完成を急ぐことには一定の説得力があるが、それ以外の6基の原発計画については米国の懸念を考えればイランの裏の意図も読み取れる。
イランには最近、周辺諸国への米国の影響力拡大に対する懸念が広がっている。アフガニスタン、パキスタン、中央アジアは米軍の影響下に入った。米国がイラクに親米政権を樹立すれば、イランは周辺を親米政権に囲まれることになる。
イランでは今春ごろから、「ベラヤチ前外相らが中心になってアラブ首長国連邦・ドバイを拠点とする対米交渉の秘密窓口が設置された」といった米政権との水面下交渉に関する情報が飛び交う。イランには「イラクの次はイラン」との危機感があり保守派にも、対米交渉は避けられないとの意見が台頭している。
一方、イランは原発開発は平和利用に限ると主張するが、開発によって核技術を取得でき、いざという時には核物質と核技術は軍事転用できる。
実際に核兵器を保有しなくても、その製造能力を保有するだけで周辺国にとって大きな脅威だ。このため、イランは原発建設によってロシアとの関係強化を図りながら、核を外交カードに使う利点を得ることになる。
一方でイランは核開発によって国際社会からの批判が高まるのを避ける必要がある。イランは使用済み核燃料のロシアへの返却を約束し、国際原子力機関(IAEA)の査察受け入れを約束することでこうした批判は回避できると踏んでいるようだ。これに対し米国側は「使用済み核燃料の返却で核拡散の危険は減るかもしれないが、我々の懸念の解消には及ばない」(リーカー国務省副報道官)と警戒感を解いていない。
[毎日新聞12月28日] ( 2002-12-28-01:48 )