現在地 HOME > 掲示板 ★阿修羅♪ |
|
(回答先: 米国務省、イラク政権打倒後の石油部門について反政府勢力と協議へ 【ロイターニュース】 投稿者 あっしら 日時 2002 年 12 月 21 日 14:52:48)
12/21 16:07 「体制の変化」望む国民も 長期独裁と経済制裁に疲 外信54
共同
イラクへの武力行使の構えを見せる米国に対し、イラク国民の大
多数は反感を抱いている。だが、フセイン大統領の長期独裁と国連
の制裁による経済的困難に疲れ果て、反米感情を持ちながら米国の
軍事的圧力による「体制の変化」を望む人も少なくないようだ。今
月上旬まで約三週間イラクに滞在し、国民の心情を探った。
フセイン政権は、イラク北部にある大統領の出身地ティクリット
の地縁、血縁の関係者で固めた少数支配で成り立っている。政権が
維持されてきたのは、厳重な言論・報道統制、政敵の粛正や反対派
への弾圧、大統領に対する個人崇拝の強要といった全体主義的な支
配の技術を総動員してきたことによる。
今年十月に実施されたフセイン大統領の信任の是非を問う国民投
票では「有権者全員が投票。100%の賛成で信任」という異常な
結果が発表され、政権の独裁ぶりと弾圧を恐れる国民の実情を逆に
照らしだした。今のイラクで人々の政治的な本音を客観的に探るの
は不可能に近い。
バグダッドの消息筋は「フセイン大統領に対する批判は家の中で
も危険。小耳に挟んだ子供が外でしゃべったら命取りだ」と言いな
がら、テレビの音量を上げ「イラク人のほとんどは『変化』を望ん
でいる。その『方法』は問わない」とささやいた。
政権の迫害を受けたイスラム教シーア派やクルド人などからも恨
みを買っている。豊富な石油の輸出で潤った過去の記憶があるだけ
に、今の経済的窮状はこたえる。「政権に寄生する大商人にも『体
制転換』で米国資本との直接取引を望む者がいる」(同消息筋)と
いう。
キリスト教徒の若い女性は「戦争は嫌だ」と言いながら「今の状
況は最悪。外国に出られる人は皆逃げた」と語った。ある中年男性
は「将来は真っ暗。一部の連中は別にして、国民の多くは米国の攻
撃を待っている」と言い切った。
イラクでは、人権や言論の自由を大切にする人ほど政権崩壊を待
望しているという印象を受けた。欧米などに生まれていたら、恐ら
く米国の対イラク攻撃に真っ先に反対していた人たちであるのは皮
肉だ。
三度の投獄経験を持つイラク人記者は、米国の対イラク攻撃に反
対して外交的解決を訴えるイタリアからの市民団体を取材しながら
「彼らがイラクに生まれていたら、違う意見だったかもしれない」
とつぶやいた。(バグダッド共同=船津靖)
(了) 021221 1606
[2002-12-21-16:07]