現在地 HOME > 掲示板 ★阿修羅♪ |
|
(回答先: Re: フィリピン政府は何を期待しているのか 投稿者 Silent Tears 日時 2002 年 12 月 20 日 23:11:39)
Silent Tearsさん、こんにちわ。
フィリピン・アロヨ政権は、アブサヤフ掃討に憲法違反の米軍引き入れを行ったように、米国政権の意向を強く受けています。(アブサヤフは、国軍ともつるんでいるギャング組織です)
東南アジア東部をざっと考えれば、フィリピンは、イスラム教が多数派を占める南部地域を抱え、領土係争中の中国はもとより、世界最大のイスラム教基盤国家インドネシアとボルネオのほぼ半分を領有するイスラム基盤国家マレーシアという二つのイスラム系国家と共産主義のベトナムに迫られているという状態です。
今回の外相の発言はASEANの意向を受けたものとは思えませんが、米国がイスラム世界の牙城である中東でことを構えるなかで予想される事態に備えるものだと思っています。
中東での米軍の軍事活動が本格化すれば、インドネシア・マレーシア(とりわけボルネオ)でイスラム組織(モロ解放戦線など)の動きが活発化し、それに同調してフィリピンのイスラム組織の動きが活発化する可能性が高いと見ているのでしょう。(フィリピンには共産党系のゲリラ組織もあり、その動きも活発化する可能性大)
そのような事態に対して米軍が頼りにできないとなれば、フィリピンが軍事介入を相対的に安心して要請できる国は日本になるはずです。
(中国はそれこそ属国になる選択と考えるでしょうし、インドネシアやマレーシアはフィリピンのイスラム組織叩きに介入するはずもないだけではなく、自国の対策で追われることになります。中国との関係で台湾に要請するわけにはいかず、台湾も外国に軍事介入する愚は選択しないはずです。韓国は、朝鮮半島に注力したいし、経済的余裕もありません。ベトナムとは領土問題もあります)
米国のコントロール下にあり経済力もある日本だけが、安心して軍事介入を要請できる相手ということになります。(日本はフィリピンに対して下心がない)
フィリピン外相の発言は、中東争乱とリンクするかたちで起きると予測している東南アジアのイスラム組織の動きに対して、日本の力を借りてなんとか対抗したいという意図の現れだと思われます。
イスラム組織の連合的な動きが強まれば、フィリピンの分裂や左派勢力も巻き込んだ内戦になる可能性もあります。
米軍の力がそれほどあてにならない状況を日本に補填してもらいたいというものでしょう。
日本に米軍の肩代わりを求めていると考えるのが素直だと思います。