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テポドンの発射と言われている98年のロケット打ち上げは人工衛星を積載したものであり、それは、長距離ミサイル以上の軍事技術に直結するものだと書いてきた。
しかし、日本のメディアや知識人は、“北朝鮮”の脅威を煽りながらも、そのような冷静な見方をせず、あれは人工衛星打ち上げなんかではなくテポドンという射程3千Kmの長距離ミサイルだという言説を今なお続けている。
先週起きたイエメン沖でのミサイル積載貨物船拿捕事件を報じた「BBCニュース」は、北朝鮮はスカッドミサイル以外にも長距離ミサイルを保有しており、射程8千Kmの“スーパーミサイル”も保有していると伝えた。
ICBMは、射程6千Km以上のミサイルを指す言葉だから、BBCが言うところの“スーパーミサイル”はICBMである。
さらに、一昨日(日曜日)午後4時からテレビ東京で放送された「日高レポート」は、北朝鮮問題とイラク問題を取り上げ、北朝鮮問題については、現役国務次官ボルトン氏へのインタビューで構成されたものだった。(イラク問題は、元国防長官のシュレンジンジャー氏)
ボルトン氏は、番組のなかで、北朝鮮によるICBM技術の拡散を防止しなければならないと力説していた。(ボルトン氏は、ICBMという言葉を何度も使って問題解決の必要性を説いた)
日高氏は、わかった上での発言なのか、無知故なのか、「北朝鮮がICBMを保有しているのなら、東京も射程内だということですか?」という頓珍漢な(日本人の危機意識を喚起する)質問をしていた。
それに対するボルトン氏の回答は、「東京の北のほうを狙ったつもりでも南にそれることはある」というものだだった。
ボルトン氏は、北朝鮮が言うところの“核兵器以上の破壊的兵器”がICBMであることを匂わせていた。
日高氏が質問しなければならなかったのは、「北朝鮮がICBMを保有しているのなら、ロサンジェルスも射程内ということですか?ニューヨークやワシントンD.C.はどうなんですか?」というものである。
(ボルトン氏の回答が、「ニューヨークを狙ったつもりで、ワシントンD.C.やフィラデルフィアにそれることはある」というものになったかどうかはわからないが...)
米国が交渉の主導権を持っているのなら、東京がどうなるかという基準で物事が判断されるのではなく、米国本土がどうなるかという基準で物事が判断されるはずである。
健全なことだが、米国政権は“ビビリ症”なのである。
だからこそ、たいした軍事的脅威ではないイラクに対する攻撃は公言しても、とてつもない軍事的脅威である北朝鮮に対しては外交的に解決していくという姿勢を見せている。
イエメン沖のミサイル積載貨物船の拿捕やイラン向け戦闘艦船報道は、膠着状態に陥っている日朝交渉に業を煮やした米国政権が、北朝鮮をこのまま放置していると“大量破壊兵器”の拡散が進むということを明示するための演出だと見ている。
「日高レポート」では、ボルトン国務次官は、北朝鮮の核開発問題は8月時点から日本政府と協議しており、小泉訪朝はそれを踏まえた上で行われたと明言した。
日朝ピョンヤン宣言は、北朝鮮の核開発も承知の上で署名されたものであり、北朝鮮の核開発を知ったのは10月初旬のケリー国務次官補の訪朝以後だとする政府答弁は虚偽だということになる。
日本は、北朝鮮を脅威と考えるのなら、どれほどの軍事力を保有しているのかをまずきちんと認識しなければならない。
小型核弾頭がなくとも、放射性物質を詰め込んだ弾頭を打ち込まれればとてつもない被害を被ることになる。核弾頭そのものより運搬手段の能力のほうを重視しなければならないのである。
(世界最強の軍事力を誇る米国でさえ、そのような事態にビビっているのである。北朝鮮に対しては、ロシアや中国に対するほどの理解がないので、何をしでかすかわからないという恐怖をもっているはず)
米国のタガがはまっている韓国は短射程ロケットをようやく打ち上げたというミサイル技術だが、北朝鮮はICBMまで保有するに至っている。
南北朝鮮では鉄道連結や道路直通が迫っており、中期的にはなんからの連邦制統一国家が生まれる可能性が高いと予測している。
日本の核武装を煽るわけではないが、ロシア・中国・朝鮮半島という周辺国家がすべて核ミサイルを保有しているという認識の基づき外交や軍事を考えなければならないと考えている。
(米国が、自国の利益が犯されるわけではないときに、ICBMで本土を攻撃される可能性を認識しながら日本を助けるかどうかははなはだ疑問である。日本にお金を負担させて北朝鮮のミサイル輸出や核開発を断念させようとしている現実を見ればなおさらあてにならないと言わざるを得ない)