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l 円、4大売り材料でも底堅い?――ひと押し待つヘッジファンド
【NQN】22日午前の東京外国為替市場で、円相場は122円台後半でもみ合っている。早朝の時間帯から円売りが先行し、9時過ぎに一段安。1ドル=122円92銭まで値を下げ、122円97銭を付けた21日のニューヨーク市場に続いて123円に急接近した。
円売り材料は4つ。時系列でたどると、まず出てきたのが21日夕刻に伝わった補正予算案。「予想よりも、こぢんまりとまとまった」(三井住友銀行市場営業部)ことで失望感が広がった。追い打ちをかけるように英米系格付け会社フィッチ・レーティングスが日本国債引き下げを発表。さらにニューヨーク時間では米国株が大幅続伸した。
きょうの東京市場では、終息したかにみえた銀行株売りが再び活発になり、4大銀行株の戻りが急速に鈍くなった。こうした不安要因につけ込み、「ヘッジファンドとみられる海外投資家から円売り注文が小口ながら途切れずに出ている」(信託銀行トレーダー)という。
もっとも「円売り材料がこれほどたくさん重なった割に下げ幅は小さい」(バンク・ワン銀行の中村陽二・ディレクター)との見方も多い。
21日はナスダック総合株価指数が6月19日以来の高値を回復したが、この時の円相場は124円台だった。ちなみに6月19日の日経平均株価は1万476円。この点だけに着目しても円ドル水準は124円よりもっと下方に水準訂正しても不思議ではないわけだ。円が122円台で下げ渋っているのはイラク情勢の不透明感に加えて「ヘッジファンドに勢いがないため」との指摘が聞かれる。11月以降の急激な円安修正の過程で、多くのヘッジファンドは売買損を計上したとみられるうえ、11月は海外ファンドにとって決算シーズン。
円売りの新規持ち高を改めて積み上げるにはためらいがある。テクニカル面では10月21日に付けた円の安値(125円65銭)から11月11日の高値(119円10銭)までの上げ幅から61.8%(黄金分割比率=フィボナッチ比率)押した水準である123円15銭が重要な分水嶺(れい)だ。この水準を超えれば円の下落トレンドがより鮮明になる公算が大きい。ヘッジファンドはこの水準までのひと押しを待っているようにも思える。(田中彰一)
クイックより