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(回答先: 食習慣改善の重要性確認 青果消費拡大で国際会議 投稿者 倉田佳典 日時 2003 年 1 月 16 日 20:04:03)
01/22 15:00 野菜を食べて健康増進を 世界へ広がる新消費運動 経済301
共同
健康を増進するために、野菜や果物をたくさん食べようという運
動が米国や欧州などを中心に国際的に広がっている。日本では昨年
、運動の核となる民間団体が設立されたが、本格的な活動は始まっ
たばかり。なぜ今、青果物の摂取が注目されているのか。先進的な
取り組みを参考に背景を探った。
▽日米逆転
低カロリーの野菜や食物繊維が豊富な果物の重要性は、日本では
十分に理解されているように思われている。しかし実際は、食生活
の欧米化、外食やコンビニ食の増加で若者を中心に野菜離れが進ん
でいる。
一方、米国では一九八六年にカリフォルニア州保健省が食習慣の
改善を促す活動を開始。大腸がんなど生活習慣病の減少が確認され
、九一年には、「ファイブ・ア・デイ(5 A DAY)」をスロ
ーガンに、毎日五品目以上の青果物を食べる国民運動が始まった。
九○年代半ばには日米の一人当たり野菜摂取量が逆転。今や米国人
の方が多くの野菜を食べるようになっている。
▽予防医療
野菜や果物を食べる運動は欧州にも広がっている。一月中旬にド
イツのベルリンで開かれた「ファイブ・ア・デイ国際シンポジウム
」には二十五カ国が参加した。
運動の拡大の背景には、予防医療を重視する考え方がある。日本
では健康診断が重視され、病気になった人を生産力から排除すると
いう工業社会型の医療福祉政策の思想が残っている。しかし高齢化
が進み、経済成長率が下がると、医療財政が悪化する。病気になる
前の段階で手を打つことが一段と重要になる。
デンマークのファイブ・ア・デイ協会のモルテン・ストランゲ氏
は「野菜や果物の摂取で、がんや心臓病が二割近く減らせる。追加
的な医療コストはゼロだから、医療費削減につながるのは明確なこ
とだ。長寿化するほど、元気で長生きという人生の質を真剣に考え
るべきだ」と説明する。
▽米国主導に警戒も
欧米で浸透し始めた「ファイブ・ア・デイ」運動だが、医療関係
者と実業関係者、米国と欧州の間で少し温度差もある。シンポジウ
ムに出席したゲハルト・レッヒケマー・ミュンヘン工科大学教授は
「食物繊維に直腸がんの防止効果があるし、野菜が心臓病の防止に
大事だということも確かだが、疫学的・生物学的にはよく分かって
いないことが多い」と指摘。野菜ががんに効くというのは「仮説の
段階だ」と強調した。
また、米国の非営利組織・農産物健康増進基金(PBH)でマー
ケティングを担当するバーバラ・ベリーさんは「ファイブ・ア・デ
イをブランドとして確立していく」と意気込む。これに対し、フラ
ンスでの青果物摂取促進運動の標語は「ディ・パー・ジュール(一
日十品目)」と、米国に追従しない。
生産関係者が神経をとがらせる背景には、付加価値が高い野菜が
戦略的な輸出品目だという事情がある。一月十六日にドイツのベル
リンで開かれた青果物の見本市「フルーツロジスティカ」には、世
界各国から約千五百社・団体が参加した。港湾・倉庫・包装など物
流関係やマーケティングなどコンサルタント関係のブースへの関心
も高く、会場は「世界の野菜市場で競争する」という熱気でいっぱ
い。医療、財政、生産者、消費者と、それぞれの思惑を抱えながら
、野菜消費の促進活動は世界中に広がる勢いだ。
(了) 030122 1500
[2003-01-22-15:01]