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(回答先: 動き出す米改革](下)大再編/事業の総見直しも 収益性低下、卸に危機感【日本農業新聞】 投稿者 hou 日時 2003 年 3 月 18 日 17:15:44)
「生産調整に関する研究会」第4回流通部会の議事概要
〇 日時:平成14年6月4日(火)10:00〜12:45
〇 場所:第2特別会議室
(大澤調査官)本日は全委員に出席していただき、ありがとうございます。また、企画部会から山田委員、和田委員に出席していただいている。第4回流通部会をただ今から開催する。それでは、部会長よろしくお願いする。
(部会長)これから始めたいと思う。前回はヒアリングということで、大変興味深い話を色々聞かせていただいた。今回からは議論を中心として、計画流通制度をどうしていくのか、ということについて論議を交わしていただきたいと考えている。いつものことながら資料が大変多いが、簡単に御紹介させていただく。最初に「現在の米流通の流れ」という資料がある。これは、最初の部会で作ったものを修正したものであり、ディテールにこだわらず全体をどう見るかについての資料である。整理したものは、例えば、生産者のところに自家消費という項目を入れたり、それから一番大きく変えたところであるが、政府という項目である。食糧法を見ると政府がプレイヤーとして位置づけられているのに、前の案では書かれていなかった。そこで政府の立場を入れた。それから、外国との関係も入れた。ただ、これが加工にどうなるかという部分は入っていない。これは簡単なように見えて、分かり易さのために非常に知恵を絞ったものである。より良いものにするため、皆様から御示唆があれば後ほどお願いする。これを見ると全体の流れがわかるということで、何かにつけて参考にしていただければと思う。また、可能であれば最終回に、もう少し改善したものが出せないものかと考えている。それから、確認だが、特にここで何かあればよろしくお願いする。私はあと加工のことが入れられればと考えているが、それ以外に何かあるか。
(岡阿弥委員)資料5の一番下のところに、農家手取り13,964円、出荷経費3,132円、卸小売経費4,358円、小売価格21,454円とある。そこで、出荷経費という名目で、ここには色々な要素が入っていると思うが、出荷にかかる経費は単純にこれだけですよ、ということでは問題があると思う。出荷にかかる経費はこんなにはかかっていないはず。
(部会長)このお金の部分のことだが、実は迷っている。後で議論させていただく。他にないか。これは全体にかかるものなので、細かいところにはこだわらないでいただきたい。全体が見える資料である。一応、この方向でまとめていくということでよろしいか。(異議なし)それでは、そういうことでお願いする。具体的な議論をこれから進める。議論の進め方だが、これまで、議論が錯綜しており、各段階での議論を一度にやってしまうと、分かりにくかった。そこで議論の枠組みというものを作ってみた。資料2を見ていただきたい。これはどういうことかというと、我々のやることは「現在の計画流通制度をどうするか」を考えるわけだが、生産者から消費者への流れとして、そこに議論すべき課題を質問の形式で整理させていただいた。これは事務局と一緒に仮のものとして整理した。今までの議論の流れと同じように、これに基づいて消費者を中心として、消費者の需要から遡って生産者の問題を考えるというふうに、順々にやっていく。そして、最後に全体の議論を行う。このように議論が進められるよう、土俵を作ったものである。流れとしては、消費者のところから始めようかと思っている。これはただ各段階の課題を整理したものであり、全体を議論するのは当然である。消費者の部分、真ん中の部分、生産者の部分、に整理して、最後に私は全体の議論をしてはどうかと思っている。この資料はただの議論の枠組みということである。それからは資料3だが、これまでの各委員の意見、部会に提出された資料をたたき台としてまとめたものである。この資料については事務局からの説明を聞いていただければと思う。それから、岡阿弥委員提出資料というものがある。これは、岡阿弥委員に苦労していただいて、全体の考え方というのを整理していただいた。大変ありがたい。これはこれから行う議論の中で、使わせていただければと考えている。その時、その時に説明していただき、議論していただければと思う。それでは、事務局から説明をよろしくお願いする。
(大澤調査官)議論の時間をなるべく多く取るために、資料説明の時間を出来るだけ圧縮するようにとの部会長からの指示であるので、資料3の枠組みだけ説明させていただく。資料3の論議の整理と検討のたたき台ということで、「項目」及び「これまでに出された論点」という左の二つの欄について、毎回整理している論議の整理というものを、基本的にそのまま貼り付けている。ただし、生産調整との関連を議論すべきだとか、部会の議論の進め方については、その後の議論も進んでいるので、そうした部分だけは省略させていただいた。あとは変更していない。それから「念頭に置くべき事実」とあるが、これは第一回以降、各回に出した資料のうち、皆様から出された論点に関係する部分を中心に結論だけ拾ってみたものである。これは、これ自体を議論するということではなく、今回の部会長が用意された「論議の枠組み」に即した議論をする際の参考にしていただければと思っている。それから、「議論の焦点」というところだが、これは今までの論点を踏まえて、どういうところが、議論していただく焦点になるのかということを、事務局として考えてみたものである。最初の3つの基本的視点というのは、今まで、議論された基本論からみて、社会情勢、消費動向の変化に対してどう対応していくのか、米業界の川上から川下の方々の業界をどう発展していくのか、それから、左から2番目の欄の2のBのところに、生産調整による安定生産、不作時等に備えた安定供給を行うことを基本するとあるが、この点との関係で、米の安定供給というものとどう調和させていくか、というのが、理念的には焦点となる。具体的には、議論の枠組みに出ているような各論点を議論していただくことになる。それ以下の議論の焦点については、基本的には部会長が整理された「議論の枠組み」を踏まえて作っている。資料4だが、資料3の念頭に置くべき事実の部分のバックデータである。これは第1回流通部会以降に出した資料を基に作っている。資料5は説明済みである。資料6は岡阿弥委員に用意していただいた流通関係に関する考え方の資料である。これについても、論議の枠組みの中で、各論点についてまとめられた大変有益なものと考えているので、論議の際に必要に応じて、適宜説明していただければと考えている。それから、参考で2つ資料を用意しているが、参考1は、前回の企画部会で委員要求資料があり、これのうち、流通部会に関係するものが非常に多かったので、参考として用意させていただいた。資料3−1は登録出荷取扱業者が買取集荷を行っている事例ということで、計画外を中心にいろんな形で買取集荷を行っている事例である。それから、次のページは計画流通米と計画外流通米との比較ということで、流通部会の事務局が作ったものであるが、第1回以降流通部会で出した資料を中心に、計画流通米と計画外流通米の違いについて、見やすく整理したものである。内容は、すでにこの部会で紹介しているものである。資料3−3であるが、米消費の動向についてということで、これは企画部会だけでなく本研究会でも議論になったものであり、ここ数年米の消費量が急激かつ不連続に減少しているという、需要量の推移を出している。需要量の減少を比較すると、昭和46年から平成7年では年に8万トン減少していたものが、平成7年から12年では年に25万トンの減少ということになっている。次のページ以降はそれの要因分析を書いているものである。4ページの(3)が1つの背景のまとめとなっていて、4つ要因があるという整理を行っている。
@デフレ経済の下で、米についても価格志向が強まっていること、
A家族構成の変化等の社会的構造変化の下で食の簡便化志向が強まり、朝ごはんを中心に米以外の食事が選択されるようになってきていること、
B中食、外食が伸びる中で、その分野における他の商品群との競争が激化していること、
C加工用では、様々な新規需要が開発される中で、原料用米の供給の面で十分な対応が行われていないこと、が要因になっている。最後に資料3−4だが、これは各種用途向け価格等の状況ということで、新規用途と既存用途、それぞれについてのキロ当たり、どれぐらいで供給されているのかというのをまとめた資料である。価格については、160円から16円まで大変バラツキがあるという状況である。以上である。前回提出した資料のうち、提出はしたが説明をしていないのもあるが、それらについても、論議の枠組みにある各論点についての議論をする際に、もし必要があれば、適宜説明したいと考えている。
(部会長)ありがとうございました。ちょうど、消費に関連する資料を色々紹介していただいた。それでは、議論に入りたいと思う。便宜上、消費者と流通との関係の部分から議論を始めたいと思う。よろしくお願いしたい。もう一度述べるが、第1回の時は、各委員からその方が関連する川上から川下までをすべて包括的に総合して、1人ずつ話を伺ったが、これからは、各論点について「これについては私はこう思う」ということで、議論を整理していかないとなかなかわかりにくいのではないかと思う。そういうスタイルでお願いしたい。簡単に書いたが、需要をどうみるか、需要の低下傾向をどう見るのか、あるいは需要拡大がどこまで出来るのか、あるいは、加工用の需要をどうみるのかといった論点がある。それから、表示をどう見るのかということが消費者と流通の関係の部分では出てくるのではないかと考える。需要の低下をどう見るのかということについては、もっと詳しくみると、需要は生産にも影響していると考える。それから、需要を見るということは、生産調整の目標面積をどう見るかということにも影響してくる。実は非常に大きな話が後ろにあるということになる。これについて、御意見があれば是非お願いしたい。では、門傳委員お願いする。
(門傳委員)需要の低下に係ることであるが、参考1の資料3−3の4ページで消費が減っている原因が色々と書いてあるが、これ以外に、例えば、家庭内残さの部分、今まで余計に炊いていたものを、必要な分だけ炊いて捨てないようにしている、あるいは、業務用でも、データを取ってお客さんが来る分だけ用意する、米を出来るだけ捨てないようにしているといったデータが食糧庁の方で、もしくは例えば主婦連とか、日生協とかそういったところで資料がないでしょうか。最近は残さの問題がよく言われているので、米だけに限らないが、自分の家庭でもそういうことがあるような気がする。もし、そういった資料があればいただきたい。それを減少の要因とするかどうか、また、問題があるかどうかは、現時点では分からないが、もし、そういうものがあれば、資料を出していただきたい。
(部会長)捨てないようにすると需要が減るということでよいのか。事務局お願いする。
(大澤調査官)平成12年に農林水産省で食品ロスに関する調査というのをやっており、今、探しに行っている。少しお待ち願いたい。
(部会長)それでは、小熊委員どうぞ。
(小熊委員)別の件を発言したかったが、最初に門傳委員の話に関して一言述べたい。生協の現場で起きていることだが、ものを捨てなくなっているというのは、明らかに傾向として現れている。どのような現象として現れているかということだが、生協では、かつてはまとめ買いということで、できるだけ大きなロットにしてもらって、それを安く提供するという形で、過去に色々な商品を供給してきた。例えば、3つ組みとか4つ組とか、あるいはケース売りとかで。1個ずつ買っていただくと、高くなってしまうので、大容量で買ってくださいと勧めていた。しかし、大容量で買ったのはよいが、家庭では、賞味期限が来たり、味が落ちたりして、結局捨ててしまっているという経験をたくさんの消費者がしている。そのため、今は、大容量は敬遠されつつある。ある意味では、1個売りにしてくれと。例えば、今まで3個パックとか4個パックとかで売っていたものを、1個売りにしてくれという要望が強い。おもしろいのは、1個売りにしたりすると、商品部の担当は供給高が減るから嫌だと言うのだが、実際はそうとは限らない。むしろ少量のパックにしたほうが、これまで買わなかったニーズが掘り起こされて、たくさん買ってもらえるようになったという現象が幾つか起きている。そういう意味では、既存の概念で捉えてしまうと、正しくニーズに対応できない状況にある。こうした状況変化には、明らかに環境意識の高まりや、ゴミの有料化も影響していると思う。そのような志向が強くなっていると考えていただきたい。次に、今の議論と違うことを述べたいのだがよいか。
(部会長)お願いする。
(小熊委員)三点ほど述べたい。一点目は需要がどうなるかということだが、全体として、以前も言ったことだが、人口が減るなかで、胃袋は限られているのだから、食べる需要量そのものというのは減ると考えてもらうしかない。ただ問題は、全体は減るのだが、お米だけを見たときに、比例して減るのかということである。食料品の消費者の指向性において、どれだけ消費者指向に合っているかによって、需要が劇的に下がるものがあれば下げ止まるものもある。場合によっては増えるものもある。我々の商品の現場でも、そのことについては確信もって、消費者ニーズにあった商品開発するんだということで、きっちり対応することが、大事だといわれている。次に二点目だが、競争力の源泉の1つに価格というのがあり、これが非常に重要であるということだ。もちろん、色々な方、色々なニーズがあるわけだから、健康指向ということで高くても買う方もいるし、環境問題の意識を強く持つ人もいるし、やはり味だという方もいる。けれども、価格という要素は絶対に外せないということは押さえておく必要がある。商品の価格について、同じ品質のものを出せば消費者は明らかに安い方を買うのは間違いがない。だから、価格を下げて需要を増やすという考え方も我々の事業の現場で当然ある考え方である。三点目だが、表示検査をどうするかということである。これは、消費者にとって重要な課題である。特に、最近の一連の事態をどうとらえるかだが、食品表示や食料品に生産・流通に携わる者に対する国民消費者の目というのは非常に厳しいということを認識すべきだと思う。我々も色々な問題を起こしたので、大変なお叱りを受けた。食品表示について、消費者の信頼というのはかなり落ちていて、極めて厳しいと認識している。牛肉については既にレッドカードである。現実に需要が減少しているわけである。それ以外の分野についてもイエローカードをもらっていると認識すべきだと考えている。具体的方法についてはこれから議論していただきたいが、食品表示、食品業に係わる者に対するモラル、これらの点に関して厳しい自己規制というか、自らを律することが必要である。そうでないと、消費の拡大なんて望めないと思う。以上である。
(部会長)ありがとうございました。大変示唆に富む話だと思う。需要が減るといっても、流通側の努力によって、それはかなり押さえられるということであった。それから、価格の問題、表示も考えねばならないということであった。それでは古橋委員お願いする。
(古橋委員)今、表示の話が出たので、一言申し上げたい。表示について、厳しくするということは当然のことだが、一所懸命守ろうとしても守れない面がある。精米については深刻な問題がある。それは、DNA鑑定ついてである。玄米の銘柄検査というのが、行われているが、目視によるものであり、必ずしも100%ではない。それで、生産者段階から流通業者にきて精米されたものがDNA鑑定を受けるとブラックだったり、グレイだったりする。非常に問題が起きている。特にJAS法が厳しくなったためということもあるが、行政が注意を出すだけでは止まらなく、我々は取引先との関係で、取引先がDNA鑑定するわけである。そこで、ブラックの烙印を押されると商売が出来なくなる。非常に深刻な問題である。この玄米の銘柄検査については、生産者も一所懸命作っていると思うが、色々な段階で、色々なものが混ざるという実態がある。一刻も早くこの点を修正するように、精米表示の見直しをしていただきたい。以上である。
(部会長)確認したい。具体的に表示の見直しと言われたが、いま3点セットで、年産・品種・地域となっているが、DNA鑑定では、品種だけにしか通用しないと考えている。そういうことで間違いないか。
(古橋委員)一言で言うと3点セットが自信を持って書けないということ。したがって新潟のコシヒカリと表示して、それがDNA鑑定の結果、アウトだったりした場合は、非常に問題がある。我々は生産者の作ったものをそのまま精米にかけても、自信をもって表示できない。原料の段階で問題があるということである。
(部会長)門傳委員よろしくお願いする。
(門傳委員)今朝、こちらに来て八百屋さんを覗いてみたところ米を売っていて、あるブランド、例えば、ひとめぼれと記載されている袋を裏返して見てみた。なんと、ひとめぼれ50%、未検査米50%と書いてあり、表には堂々とひとめぼれと書いてあった。これはJAS法上違法かどうかは分からないが、半分半分で、ひとめぼれと書いてあるので、詐欺だと思う。これはあんまりではないかと思った。一例だが、先程それを見てちょっと驚いた。
(部会長)長谷部委員どうぞ。
(長谷部委員)表示については、私ども販売業者であるから、関心のあるところであり、責任を持たなければならないと思う。今の門傳委員からのお話のように、そのようなお米が沢山流通している。特にディスカウントショップなどを見ると、先日も都の米穀関係者が交替され、米屋を見て廻りたいとのことで案内した。その道中でのディスカウントショップで、新潟コシヒカリと表示した米が山積みになっていた。価格は5kg1,350円。米の味は鮮度が重要なので、せいぜい1ヶ月、これから夏場では1ヶ月も保たない。そのようなところで、並べて売っているということは、買う消費者がいるということである。この中にも消費者に軸足を置いてとおっしゃる委員の方の意見が多くあるが、こうした問題について販売面だけに問題を提起されるケースが多いように思われるが、反面買う消費者がいるから、このような販売が続くのである。消費者の視点といっても様々な視点があり、生産者にも様々な生産状況があるのと同じように、現在の流通業者、また生産者の中にも食糧庁のリストにも載っていると思うが、食管時代から違反を重ね、食糧庁の指導に従わずにやってきた人が、今では模範的存在で、その道で指導、研修を受け入れている例も多くある。とにかく米を論じる時に、消費者といっても多様なニーズと考え方があり、一定していないという感じでいる。先程、古橋委員から話が出たように、販売業者としてここまで追いつめられたなら、少し今の表示制度を変えてもらいたい気持ちが私自身ある。3点セット表示、産地銘柄を強調する表示については、だいたい昭和47年頃だったと思うが、新規参入で量販店等が小売免許を取り、米販売を始めたのがきっかけで定着しだした。だんだん生産地からの宣伝がはじまり、仮に一番最初は宮城ササニシキの宣伝。その後新潟コシヒカリも宣伝されるというようになり、テレビ宣伝が行われるようになり、消費者が「宮城ササニシキや新潟コシヒカリはありませんか」という声が販売する側に届いてくるため、販売する方も売りやすい米を売ろうという判断で、だんだん事態が進行して、今日のように産地・銘柄が謳われなかったら米じゃないというような印象さえ受けるようなところまで来てしまった。この中にも経験ある方がいらっしゃると思うが、戦前などは米屋が自分の技量でブレンドして、一等米、二等米、三等米、徳用米という感じで米を販売した時期があった。消費者は販売店との信頼関係で買っているから、値段が少々高くてもよいからおいしい一等米をください、うちは家族が多いので徳用米をください、という選び方をしていた。それが、最近ではこのようなになった。東京などに搬入される産地銘柄米は百種類以上になると思うが、いちいち全部を表示することは、なかなか至難の業だと思う。また、100%という表示の意味に、不思議というか疑問が残る。有機の認定を受ける時に、一般の精米機とは別に専用の精米機の設置を義務付けられている。一般精米段階ではそのような厳しい条件は通用しない。また、農家のコンバインなど米の品種が変わるたびに掃除してますかということにもなる。色々な問題が生じてくる。この点をどうすればよいかという案は、今の私にはないが、表示についての検討の中でいれていただきたいと思う。
(部会長)どうすればよいかを聞きたかったが。中野委員どうぞ。その前に、ちょっと一言、議事進行について。流通部会以外の委員の方の御発言は、流通部会の委員の発言が終わってからということにしていただきたい。
(中野委員)需要の関係で申し上げたい。生産調整をやるということについて、需要がものすごく大事になってくる。それを少なくとも一年か二年前にある程度の精度で予測できるかどうか。例えば、来年900万トンとか、850万トンとか、いうような需要の予測がきっちりとできないと、今みたいに豊作で余るのか、あるいは、元々その需要量が間違っていたのかということが分からなくなる。そのあたりを勘案してどの程度見積もれるのか、そして、最終的にバランスのとれなかった分をどうやっていくのかを聞きたい。消費拡大をやるとかの問題とは別にして、要するに来年なり再来年にどの程度の需要量が見込めるのかを出す。この間の議論にもあったように、段々と需要が下がるということは、生産調整の面積が拡大するということでいいのかということ。当然、私はそうあるべきと考えており、需要にあった生産量を算出して、その計算をして、その上で足りなかったり、余ったりして、それをどこかで調整して、それは回転備蓄でなくて棚上げ備蓄でないと、この問題は解決しないと考えている。そういう意味で、どの程度の精度で需要量の予測というのが可能なのかを教えていただきたい。もう一点は、表示の問題で、長谷部委員が言われたように、私共としては、生産する現場では自分たちの作った米に非常に自信を持っている。そこで、是非きちんとした表示をお願いしたい。かつては、一年間かけて売る場合には、保管が長くなれば長くなるほど味が落ちてしまう。味が落ちてしまえばブレンドして、なるべく一定の味を保とうするのが、卸でも小売でも見られたが、今ではほとんど低温倉庫で一年かけても味がそんなに変わらない。だから、一年を通じて、最初から最後まで何とか銘柄100%というのがあってもおかしくないのが現状である。そこでやはり、表示をきちんとしていただくことと、検査、米の検査だけでなく、色々な意味での安全に対する検査というのを食糧庁なり一定の権威のあるところでやっていただきたい。
(部会長)事務局にお話を伺いたい。需要の見通しがきちんとしないと過不足などの事態がいつでも起こって、その幅が大きくて困るのではないかということであった。私もそう思う。実は、生産の方から言うと、減反の面積などは5年とか10年などの長期で固定した方がやりやすいという声が上がっている。私もそうではないかと思っている。ただし、5年、10年と長くすればするほど、需要の見通しの精度が低くなる可能性も大きいということになり、これは一長一短である。需要の見通しがもう少しきちんとできるのかどうかについてどうか。
(計画課長)先程資料で説明したとおり、最近の需要は不連続かつ、急激に減少している。数十万トン単位で上下していると思わざるを得ない。この要因としては、まずは他の商品との競争が挙げられる。他の加工品などで安いものが出るといった、マーケットの環境によって、消費がずれてくるということがある。そのため1年前、2年前にある程度の精度をもって需要を予測するというのは不可能であるという前提に立って物事を見ざるを得ないと私自身は考えている。昨年、需要の見通しを30万トン減らして900万トンとしたのだが、この際に、3種類の基礎データをすべて公表している。単年度で差引の需要量をみたら907万トンである。3年分の生産、3年分の需給調整をやって、つまり、3年分の平均を出せばこれである。家計消費等から積み上げたらこれである、というように3種類のデータを開示した上で議論していただいたわけである。惜しむらくは、その時点での需要に関して、去年の消費が動向調査では、ある程度横ばいの数字が出ていたがゆえに、その900万トンという需要が減らないという予測の下で、101万haという数字を出したわけだが、実際には15万トン程度減っていると思わざるをえない。自主流通の売れ行きから見ても、消費の落ち込みは10万トンあるいは、それ以上減っていると思わざるをえない。従って、これは生産調整部会でも、企画部会でも議論があったが、そういう前提に立って、予測時と実際の適用時のタイムラグをどうみるかということと、需要が上方にずれた場合のリスクと下方にずれた場合のリスクをどう考えて、計画をどう組むのか、そこを透明な議論の中で生産計画を立てる。しかも、その生産計画というのは、ある程度フレキシブルな中で対応するしかないのではないか。このように事務局としては考えている。
(部会長)よろしいか。苦渋の答弁だったと思う。では、中野委員どうぞ。
(中野委員)結局、今言われたように、予測は不可能ということになって、ある程度上下する10万トンや20万トンの範囲で、足りなかったときのリスクを考えると若干大きめに設定せざるをえないという話だったと思うが、それでよろしいか。
(計画課長)先程、私が述べたのは、この研究会での、上方にずれるリスクと下方にずれるリスクについての評価が必要だという議論を紹介しただけである。どちらのリスクをどう評価するのかはそれぞれの時点で決まる。もう少し具体的に説明すると、過剰在庫がある場合、上方にずれるリスクの方が高いのではないか。在庫が足りないときは下方にずれるリスクの方が高い。そういった、その時の状況によるのではないかということである。
(中野委員)了解した。結局は予測しがたいものの、ある程度不足がないように生産していくのが、米政策ではないか。予測がしにくいものを、ある程度うまくできるような形で供給を確保していくために、生産していく。これが、今回の米政策の基本の問題である。この点をきちんとしていかないと、どれほどまでに、予測不可能と言ってもある程度の幅で、50万トンとか20万トンとかの幅で予測が出来るのであれば、それをある程度覚悟してやらざるを得ない。そうした場合に、やったけれども、予測より少なくて余った場合に、どういう処理を、誰が責任を持って需給調整をおこなっていこうとしているのかが大事になっていくのではと考えている。その辺が議論としてなされるかによって大きく違ってくる。
(計画課長)予測不可能ということを言ったわけではない。正確に、1年前、2年前に確かな精度をもってということは不可能である。今、おっしゃったように、ある程度の幅をもって、その幅については透明な議論の中で決めていくべきだと思うが、それと正確に予測するというのは別問題だと思う。
(部会長)よろしいか。御意見のある人は手を挙げてください。横川委員どうぞ。
(横川委員)まず、表示の問題を取り上げたい。例えば「魚沼産のコシヒカリが生産量の10倍も販売されている。」とか「外国産米の輸入実績があるのに、店頭にはなく在庫もない。」ということを耳にするが、このようなことからも消費者が表示を信用できない、つまり業界を信用していないのが現状である。消費者がわかりやすく必要な情報の表示という視点で見直さないとこれからは通用しないと思う。例えば、ブレンドの比率を明確にしたり、食味値をゾーンで表示するということが考えられると思う。次に、需要減についてであるが、消費が落ちた内容の分析が十分ではないと思う。何故売れなくなったのか、どこに問題があるのか、を根本的に分析する必要がある。本来のマーケット原理でいけば需要の減少には必ず原因があり、結果的には、需要の拡大策によって回復するか、出来なければ需要の減少が加速されて供給が自律的に縮小されるかのどちらかしかない。
(部会長)前にも先程の3点セットに加えて、食味について表示すればどうかという意見が藤尾委員からあったと思う。藤尾委員、何か一言どうぞ。
(藤尾委員)そのとおりである。実は表示とか、3点表示や認証などは不安定である。他の食品、例えば小麦とか砂糖などでも、原産地キューバだとか聞いて判断する人はいない。米もやはり味で上・中・下を決めるべきである。私は3点表示とかをやめて、味を中心に考えていかないとダメだと思う。それが一つ。もう一つ需要の問題だが、私自身、需要は減っていないと考えている。問題は数字の取り方が全くなっていないことである。900万トンと言っているが、私は米がもっととれていると思う。900万トンで計算するから、毎年消費が減ったというこになって、お客さんが米を食べているということの方がおかしいのかと思うようになる。実際は米の需要は外食産業で増えている。若干減っていると言えば家庭だけである。他は順調に伸びていると思う。食糧庁のほうでも、900万トンで考えるのをやめてはどうか。ここ4、5年すばらしい種が東北などでできている。冷害に強く、味はほどほどだが単収が高いという品種ができている。それを昔と同じように、単収9俵で発表していたら、大きな間違いではないか。従って、数字について真剣に取り組んでいただきたいと考える。
(部会長)立花委員、関連であればどうぞ。
(立花委員)米の需要の動向について、わからないので教えていただきたい。先程の参考1のところで、需要量の比較を見せていただいた。これに関連して基礎データの初めに、日本は人口減少社会になっていくとある。こういったすう勢の中で将来どう見るかということで、我々産業界の中では、80年代〜90年代はかなり外国人労働者、特に東南アジアの方々がずいぶん日本に来て、バブルの崩壊とともに、その雇用が問題となっている。あるいは、今ワールドカップが行われていて、日曜日の東京駅なんて人種の博覧会のようになっている。日本から出ていくのは1,500万人、入ってくるのは500万人というギャップはあるが、そういった外国人の行き来、滞在とか、もちろん先々の政策の動向によるので、外国人労働者が増えるのか増えないのかは分からないであろうが、こういった需要の問題で価格に大きく影響を与えることもあるのではないか。外国人労働力の推移、増加なり減少なりを過去の需要量の比較の中では、大きな要素ではないかもしれないが、どの程度のものなのかという感覚がない。おそらく、ある程度の期間で10万トン単位で増えたり減ったりしているのだろうが、需要量の比較、あるいは岡阿弥委員のおっしゃったようにどうして減ったのかに関連して、どう考えているのかを教えていただきたい。
(計画課長)かつて、100万人とも200万人ともいわれた不法就労者、確かに100万人の方が居たとすれば、人口の1%、2倍食べたとしたら2%ということは、1,000万トンの需要としたら20万トン、その分は需要が減少したと数えられることは事実だと思う。ただ、バブルが崩壊した後、しばらくしてから、この需要の減少が急速になっているので、外国人労働者がいなくなったという影響が、落ち着いた後の減少と我々は考えている。先程の藤尾委員のおっしゃった数字の検証だが、多分、それは生産量のデータが、実際より少し低く出ているのではないかという御指摘かと思う。ただ、生産計画を作る段階は、この生産量のデータと実際の生産量の乖離が仮にあったとしても、(ないと信じているが)それによる減産量については、乖離の率が一定である以上、減産量について変わらないと仮定を置いて、生産計画を作っている。従ってこの900万トンは現在の生産量から出た供給量をベースとしてやっている。例えばそれが乖離が無いと信じているが、あったとしても、その減産量については同じだと考えている。
(高橋委員)先程来から、需要を調査して、需要が落ちた分だけ生産を減らすべきだという意見が出たが、私は結論的に言って無理だと思う。何故かというと、需要では、誰がいつ、どういうことを調べるのかという問題がまずある。そもそも需要を調査した方が良いかどうかも言い切れないし、もう一つ、生産者が需要に基づいて作付けを行えるかという問題がある。色々、気候・風土の関係、あるいは面積等の関係、品種・種類の関係等計画ではそういうものを作ろうと思ったが、色々な理由でできなかったということになる。とても無理な議論を皆さんしているなと思っている。もう一つ、古橋さんが言われた表示の件だが、例えば食糧庁でもご存じだと思うが、新潟の魚沼の実生産量は分かる訳だが、その8倍とか10倍とかが流通している訳で、新潟米の入った空き袋が500円位で売買されているとか、それが事実かどうかは分かりませんが、うわさは聞いているので、そういう根本の事をお調べになっていただかないと、生産者団体から回ってくる自主流通米の中身が、本当に間違いないのかという考えを持つのは自然であり、当然だと思う。だから、そういった点もメスを入れていただいて、卸が安心して買えるような検査をしていく、あるいは民間検査でいえば、指導していくというようにお願いしたい。
(部会長)犯罪に関する部分と仕組みに関する部分は違う。犯罪は取り締まらなくてはいけない。仕組みは、また違っていて、生産調整をやるということを決めたら、需要をとにかく決めなければ、どれだけの面積を生産調整したら良いか分からないということになるのではないか。
(高木委員)表示の問題に関連して、事務局にも聞きたいことがある。先程、中野委員からあった生産者は自信を持って生産している。だから、100%の表示、例えば何とかという品種100%という表示は信頼してもらっていいんだとの御発言に関連して、よく聞くのが、種子が先祖返りをしている場合があるということ。これが制度的にどうなっているのかということだが、種苗法上は、自家採取ということは認められていたのではないかと思うが、当然、そういうことは起こり得ることであり、それを生産者は品種について自信を持っておられるのかも知れないが、結果的にはそうでないお米が出来てしまって、それが流通し表示の段階で、DNA鑑定したらそうではないということになる。そして、これは一体誰の責任なんだ、ということになる。表示が消費者に本当に信頼されるためには、そういったことに対して、キチッとしたチェックをして、本当に表示が確実に出来るのようにしなければならない。生産者も別に消費者を騙そうとしたわけではなく、たまたまその先祖返りをした種子を使ったのであれば、種苗法上キチッとしなければいけないし、そういう種子を使っているかどうかを確認しなければならない。本当にそう言うことがずっと出来るのかどうか、そうした場合、表示制度というのは、その辺からもう一度キチッと見直すべきである。また、信頼をされる、そして需要に見合った米作りという観点から、生産者が自信を持って自分の米はこうだといえる事も当然必要である。従って、この両面から、表示制度を抜本的に見直すべきではないかと思う。それから、農産物検査制度についてであるが、今は、おそらく形状の検査、産地のことも含めてそういう検査になっていると思うが、一体その検査をしたことが、流通段階で本当に大丈夫になっているのか。流通段階の最後の小売りの方々にとって、そこのところが大丈夫なように、流通段階の確認なりが行われるようになっているのか。もし、なっていないとすれば、つまり、「検査はしました、しかし、最後の流通段階で何か分からない、誰も証明出来ません」ということになっているとすれば、検査の問題も表示との関連でどうするのかも含めて、一度点検し直してみる必要があるのではないかと思う。それから需要の話に関連してであるが、これは確かに事務局も言ってたように、これを確実に見通すことはおそらく困難である。どんな食物でも配給しているのなら別であるが、そうでない限り、需要をキチッと見通すことは困難である。ただし、色々な指標というものを前提として、一定の幅で予測はできる。やはりそれは、色々な他の農産物でもそうであるが、そこのところが狂ってしまったら、国の責任だとか何処の責任だとかということになると、これはもう議論がどうにもならなくなる。どんな農産物も、需要は、生産者側が予測を立てながら、もちろん国がそれに一定の資料などを提供することは当然であるが、それを見ながら生産をし、基本的に不足が出れば、そういう時に備えて備蓄している訳であるから、政府の備蓄米を出す。そうでなかったら、いつも生産は過剰気味になってしまうのではないか。
(福井委員)需要をどう見るかという話が、先程から委員の方々から出ているが、需要を予測するのは非常に難しい訳で、そうは言っても、我々小売業という立場にとっては、需要というのは非常に大きなファクターである。これによって大きく儲けたり、損をしたりしており、我々は全て自己責任において、マーケットをどう見るのかというところから、データなりをキチッと把握して、森を見たり木を見たり、木を見たり森を見たりしている。しかし、先程から出ているデータが違うということになると、全く話が別問題となってしまう。その与えられたデータを見る限りは、お米の消費は、ダウントレンドなのは間違いないというなかで、我々小売業としては、どういう販売戦略をとるのかという話になってくる。そうした時に我々はリスクを背負って商売する訳であるから、そこには市場をどう読むかということと自己責任ということが市場経済の中では当たり前のことだということである。表示の問題で、DNAという話もあったが、表示の3点セットは、確かにお客さんから商品を見た時には、これは何処産で何年度産でどういう米なのということは、一つの選択の幅であることは間違いないことである。先程、藤尾委員が食味のことを言っておられたが、それだけではない訳で、その裏に、お米を商品として見るのか、お米をお米として見るのかというのがあるのではないか。お米として見た時には、そういう3点セット、JAS法というものが基準となってくる。しかし、商品として見た場合には、それは本当においしいのか、味はいいのか、品質はいいのか、鮮度はいいのか、ということが消費者が商品を見た時の目線から判断される訳である。そこで判断されて、「あっ!おいしそうだね。ところでその商品は何処の産地の商品なの。」というように繋がっていくだけであって、キチッとした表示の問題は、おいしいのかおいしくないのか、品質が良いのか鮮度が良いのかといったものが、一つの基準として、お客さんに伝わるような仕組みというのがやはり基準として出てくるべきものであると考えている。それから、先程の需要をどう見るかと言う話に戻るが、今の流通、今のお米の仕組みをこのまま踏襲しようとすると、過去ずっとそういうものを踏襲しながら、マーケットが当時はどうだったのか、そして、更に若干の手直しをした場合に、このマーケットというのが更に変わるのかという話になる。我々は商売しているから分かるが、このマーケットの流れを大きく変えることについて、これは相当大変な努力を必要とする訳である。従って、このマーケットをキチッと見据えた中で、事をなしていくべきではないかと思う。そうすると、今までのやり方・仕方が間違っていたので、もっと大胆にやり方・仕方を考えていかないと、このお米の需要というものは変わっていかない。そのための流通をどうするかという話になってくると思う。そうした場合に、お米をお米としてみるのか、お米を商品としてみるのか、それによって考え方が変わってくる。そして、その時に、もっと消費者のニーズに組み込んだコストパフォーマンスの良い、新たな流通を構築していかないと、このマーケットは変わらないと我々は考えるべきではないかと思う。是非とも今のマーケットを変えるのだったら、大胆に流通、この米の流れ図そのものを変えていこうとする意志決定がないといけないのではないか。従来のやり方・仕方の中では、米の消費は伸びていかないのではないかと思う。量販店が価格を決めているという話もあるが、一つの価格の決定というのは、我々が価格を決定している訳ではなく、市場がそれを求めているから、それに反応して販売をするということであって、一部のどちらかというと自己責任が欠如されている方、若しくは被害妄想的な方がそういう量販店が悪いのだと、量販店が価格を崩すから生産者の方も困るのではないかという話になっているのではないかと感じている。我々は常に買い手市場の中で商売をやっており、お客の情報・ニーズというものを汲み取りながらやっているため、量販店が市場に関わり過ぎていると、悪者扱いされるということがあるので、是非その辺のことを御理解いただきたいと考えている。
(部会長)表示制度についてであるが、商売柄、試食会という品種・銘柄を当てる、ご飯を食べ比べるものに何回も出たが、今まで当たったことがない。消費者の方が表示で何で不満を言うかと言うと、高いお金を出しておいしいといわれる銘柄を買ったのに、おいしくなかったという、簡単に言えばそういうことである。私も、最高級品の有名銘柄米よりもおいしい何でもないお米をたくさん食べている。本当においしい米が結構ある。だから表示で何を要求しているかというと、消費者は本当に何年産のコシヒカリとか、何処の地域産とかを要求しているのか。そうでなくて、おいしいというものがその表示で分かるということを要求しているのか。私は消費者は何か後者の方を要求しているのではないかと思う。
(福井委員)味の基準であるが、私もそうであるが、食べ比べて当てると言うことが難しい。だから、味に対する基準を業界全体としてどうしていくのかというところに議論が一つある。それがメーカーによって違ってくることになると、味の基準は何処なのかということで、今、市場が混乱していると考えている。
(岡阿弥委員)価格形成の問題まで出たが、需要動向の問題、表示の問題、価格の問題について、資料6から引用して申し上げる。P3の4.「消費者への末端価格は、おおむね入札価格と連動している実態」という書き方をしている。私は必ずしも量販店だけが価格を引っ張っているとは思っていない。それぞれのお米の需給があって、ここではあきたこまちを示しているが、量販店の場合、特売とする時は、この「×」の線、試算価格の下を潜って売る。しかし、各量販店の店頭価格を平均すると、この「×」線の上をいっている。儲からない商品は扱わないというのが、商売では当たり前で、やはり儲かるように扱う。そういう点では、ある程度価格形成センターでの価格形成と量販店の価格が連動しながら動いている。この価格は何処で決まるかと言うと、まず全体、総需給である。お米の全体の消費量と全体の生産量の需給バランスで決まるから、今年は大豊作だということになると、出来秋から価格は落ちる訳である。従って、総需給のバランスでもって全体の価格水準が決まって、それぞれのおいしい、まずい、有名、有名でないという要素から銘柄間で値段が決まる。そこで、バランスをもって価格形成センターで入札で価格が決まれば、ほぼ小売りはそこに連動しながら動いている。個々の量販店には競争政策があるから、ここは特売で少し頑張ろうとか、色々な形で自分の売上を伸ばそうとしている。しかし、総平均としては、大体落ち着いたところで動いている。こういう状況になっているということが私どもの認識である。これが価格の形成のところであり、やはり需給に連動して動いているのではないかという見方をしている。2番目に表示の問題で、それぞれ業に携わる方はキチッとやっている。従って、おかしいのは産地だという話がこの場でも出ているが、その産地の状況がどうなっているかというと、同じ資料6のP3の3.安心・安全性を確保するための取り組みの実施状況、種子更新率の72%(13年産)のところをみてもらいたい。自家採種も認められているが、出来るだけキチッとした米を作ると言うことは、種子を更新していかないと先祖返りの問題も、先程高木委員からも話があったように出てくる。したがって種子更新率をいかに高めていくかということが、私は重要ではないかと考えている。今、消費者が表示を見る時に、銘柄とか産地は重要な指標である。食味というのは単に食味計だけではなくて、自分が子供の時に食べていた米がおいしいとか、その地域の米がおいしいとか色々な消費者の選択肢があるので、食味を入れることも重要だと思っているが、種子とか産地がはっきりしていることが、消費者の選択にとって重要だと思っている。だから今の検査制度とかそういうものを大幅に見直すというより、何を消費者の為に加えるべきか、今の基準に何を加えるべきかということ、そして、消費者の選択肢の幅を選択しやすいようにすることが極めて重要だと思う。3番目に需要の予測の問題であるが、こうすればお米の消費が伸びるという案が色々あって私も大変勉強になった。しかし、少子化なり高齢化なりが進むとともに、軽労となっている。自宅で仕事もでき、通勤労働さえもなくなっていく時代の傾向の中では、やはり全体の需要減退という、いわばあまり人体のエネルギーがいらなくなっている。むしろ電気エネルギーだとか人間に変わって働くエネルギーの需要がたくさんあるというように、全体のエネルギーを見る必要があると私は思う。やはり人体のエネルギーが減少傾向の中で、なおかつその時々で振れたりする訳である。従って、そういう傾向の中で、需要がフレキシブルに動き、それに併せて生産もフレキシブルに動かせるようなシステムの構築、なおかつそれで農家が困らないようにするために、米に変わり得るものを生産できるという形で、作物転嫁をフレキシブルにできるシステムの構築が、これからの日本の中では必要ではないかと思う。従って、需要にかっちり生産を合わせる事は到底できない。需要が先行して、種子を更新して田んぼを新しく切り換えても、これは2年後である。だからすぐにはできない。その点に対して、一定のセキュリティーなのか、一定のフレキシブルなクッションの役割を持つシステムなのか、そのあたりをキチッとおいてやる必要があると思う。
(和田委員)消費者に一番身近な表示の問題が出ているので発言したいと思う。先程からの話から表示制度をどうするかということと、決まった表示制度が守られるかどうかということの2点があると思う。やはり今回の生産調整を考える上で、表示制度はこの流通部会で検討していただけることなので是非お願いしたい。どこの部会で発言したかは忘れたが、今の表示制度が良いかどうかということと、表示制度が消費者にとっても大変解りにくいし、ややこしくなっているということを申し上げた。大変失礼とは思うが、ここにいる委員の中で、正確に今の表示制度がどうなっているかということを全部理解して覚えている方というのは、本当にご商売で必要な方だけではないかという気がする。表示制度というのは、全てそうだが、私はここにJAS法を持っているが、非常に細かく決まっている。だから机の上で見ている分には非常に整理されている。役所の整理した仕方だから。しかし、それが実際に米袋の表示になって店頭に並んだ時に、消費者にとってそれが分かりやすいかどうか、分かりにくいのもあるし、中には違反しているのもある。そしてそれの区別が付かない訳である。制度がややこしいから、こういう表示になっているのか、違反があるのでこんな表示になっているのかということがある。先程、門縛委員から、未検査米の表示があったと言われたが、未検査米の表示は出来る事になっているが、あまり表示されていないと思う。未検査米を使ったら、当然表示は出来ないから、検査米の表示だけがそこにあって、あとは書いていない、その辺のところを消費者が全部覚えろというのは無理な話である。だから、表示というのは、少なくとも日本語が読める消費者が、これとこれのお米はこう違うということで選べるのが表示であり、あらかじめこれだけの事を全部覚えておかなければ、消費者の生活に役に立たないというのは、本当の消費者のための表示ではないと思う。他の食品でもそうであるが、それなりの表示が原則である。そういうことを言うと私は時々叱られて、消費者だってちゃんと表示の勉強をしなければいけないと言われる。しかし、食べ物だけではなくて、繊維製品、電気製品、工業製品、雑貨から、今はサービスに至るまで表示の制度が色々ある訳で、それを全部覚えろと言うのは無理な話であるから、消費者が売り場に立った時に、この商品とこの商品とはこう違うと言うことが分かるような表示を是非考える必要があると思う。先程、生産者の方は一生懸命作っているのだから、配合割合をきちっと分かるようにしてもらいたいと、大変明解な事を言われたが、これが本当に出来るのか、そしてその正確性を担保出来るのかどうかの両面から、是非もう一度根本から考える必要があるのではないかと思う。一番初めに門縛委員が、捨てる量の事を言われたが、問題として大きなものと思う。小熊委員も言われたが、消費者は出来るだけ捨てないようにという感覚が段々徹底しているので、例えば、私も外食の際に量が多い時が多いので、出来るだけご飯を少なくして下さいとか言うが、それにちゃんと応えてくれる店もあるが、面倒臭いところもあって、多ければ捨てるからという言い方をされるところも正直なところある。廃棄の問題については、調査した資料があると言う事で後ほど伺いたいが、先日、名古屋に伺った時に、門縛委員と一緒に食事をしたが、あの時の食事のご飯の量はおかずに比べてすごく少なかった。ご飯の割合が少なくなったなと感じている。ただ、捨てれば、これは全部消費量となってくる。そこら辺の矛盾点を含めて、おかずがあれほどあれば、ご飯の量は少なくなってくる。脱線するが、あれだけのカロリー量を計算したら、おそらく全員成人病と言う位のカロリー量だと思った。やはり、出来るだけ捨てないようにと、消費者も買う時から考えている、そして、料理をする時にも出来るだけ捨てないような傾向は、これから益々強くなっていくだろうと思う。私たちの母親が主婦の時代は、大根1本を買ってふろふきにしたり、おみおつけにしたり、煮物にしたりという工夫が良い消費者という言い方をされたが、今は家族の数に合わせて、たとえ少々割高であっても半分を買って来て、それを新しいうちに捨てないで使い切るという心がけに変わっているということも念頭におかなければならないと思う。
(部会長)消費者と流通との接点について色々お話いただいているが、あと1、2ということで締めくくらせていただきたい。
(四位委員)検査のことについて考え方を述べたいと思う。先のヒアリングの時に、生産者の代表の2人の方が、今の農産物検査法における検査というものは、形状中心であるからあまり意味がない、と切って捨てられたと記憶している。私は多少考えが違って、先程、岡阿弥委員が言われたように、生産者から見た場合に、現行の検査制度は安全とか安心に対するギャランティー機能を果たしていると思う。形状と食味の問題というのは別の問題であると思う。食味は農産物検査法上の検査とは別の分野の問題だと思う。検査制度は、安全・安心にギャランティーを与えるシステムとして、もう少し評価すべきではないか。もう一つ大事なことは、流通量の把握については、事実上、計画外流通米の未検査米で届け出もされていない米があるのでつかめていない。だから、検査の持つもう一つの重要な役目として、流通量を把握するということが、極めて大きな機能として存在をする。それから、競争の不公平感というのが、計画流通米と計画外流通米に存在する。検査手数料の負担とかも不公平感の一つとして生産者が認識をするのではないか。いずれにせよ、検査はトレーサビリティの有効な手段と思う。形状検査は価格にも結びつく訳で、やはり検査が廃止になった時にどういった混乱状態が起きるのか予測がつかない。必要な項目を新たに加えて更に検査をキチッとしていくことが、今後の安全とか安心とかに一つのギャランティーを与える機能を果たすことになるのではないか。前回のヒアリング時には、どなたも検査を一刀両断に切ってしまわれたので、多少その辺のところをもう少し有効な機能として評価すべきだという意味で申し上げた。
(部会長)四位さんが今言われた検査というのは、第三者ということかそれとも国がやるということか。
(四位委員)農産物検査法に基づく検査のことである。
(門縛委員)米だけでなく表示全般について、近年、ぱっと思い出すだけでも、添加物の表示がなされたり、プラとか紙とかのゴミの分別表示が変わったり、つい最近ではアレルギー表示なんかも載ったりと変更されてきている。実は加工食品とか小売りの現場では、そうした変更にある程度の猶予期間はあるものの、1回商品のパッケージを作ったら何年も使うので、変更があったら非常にロスがある。問い合わせても技術センターで見解が若干違ったりということがあるので、是非、その表示を見直すという場合は、管轄がどのようになっているか私は知らないが、仮に米の表示だけを見直しても、他にも波及する恐れがあり、そうなると米だけでなく加工食品の現場、小売りの現場で混乱が起きると思われる。色々と罰則とかもあるようなので、そうした点を御留意願いたい。一つ加えるということは大変なことなので、各現場の声を是非聞いていただいて、改善ということを是非念頭においてお願いしたい。
(部会長)表示については、実は消費者団体の方から、昔はああいう表示が欲しい、こういう表示が欲しい、これもあれも書けという話ばかり伺っていた。最近は表示が多すぎて分からないという意見も一緒に出てきており、たくさん書けばいいというものではない。コミニュケーションというものは、情報が多過ぎると無視する。保険を契約した時の裏に細かい字で書いてある。あれを全部読んだ人は大変な人である。大体読まない。表示というのはそういうもので、簡にして要を得たというのをうまく考えればいいなと思う。どうしてもというのがなければ、1の消費者との接点の話は一区切りさせていただきたい。最後にまた全体を通してということでよろしいか。よろしいようであれば、生産者との接点のところにいく。真ん中の部分はちょっと技術的な部分があるので、実は後にしようと思っている。生産者との接点の部分で、一応ここには生産調整をどうするかと書いてあるが、生産調整部会との関連があるので、できたら置いておいて次の回へということで、豊作分処理をどうするかということと私の考えでは共同計算とかそういう問題についてどうだということ、あるいは市場の情報というのを生産者にどの様に流していくかと言う問題、その辺で議論していただきたいと思う。一応、あと1時間位を思っているが、もちろん足りない部分は次の回にするということであるが、それでは、生産者と流通との接点について御意見を伺いたい。
(古橋委員)販売委託の問題だが、販売委託というのは我々からみると、生産者からの間接販売であるから、生産者の販売努力とか販売姿勢とか販売に対する工夫が、ストレートに伝わって来ないといった感じがする。それから、入札価格イコール相対価格問題があるわけだが、非常に価格が硬直化していると前からも申し上げているが、それが委託に関係しているのではないか、つまり、入札価格イコール相対価格だから販売委託になっているのか、あるいは委託だから価格をイコールにせざるを得ないのか。いずれにしても、価格の硬直化は販売委託に関係があるのではないかと思っている。
(部会長)何か反論があるか。
(中野委員)販売委託が今のままで良いかと言う意見だが、生産者からすると例えば、50アールとか1ヘクタールとかの量を作っていても、量として販売するするのはわずかである。例えば10アール10俵取れたとしても、1ヘクタールで100俵。そうすると個人で細かく分けて販売するのは別として、それだけのものを自分だけで動かそうとすると、非常に無理がある。ほとんど農協に委託すると、1ヘクタール分でも50アール分でも荷で集めて販売先をキチッとやって貰えるものであるから、おそらく生産者の顔が見えないというのではなく、生産者としては、自分のところの米をみんなの米と一緒に売ってくれという感覚で委託されているのだと思う。それがやりたくない人は自分で売っている。自分で売っている方も非常に問題があるのは、売り残しが出た場合どうするかということである。やはり売り残った場合には、それを委託するといったやり方で、生産者の方と農協の間でものすごい信頼関係があり、自分たちがどれだけ作っても処理をしてくれるということである。ただ、それが需給のミスマッチとかの情報が入ってないとかの問題になる訳だが、それは農協でキチッとどういう品種でないと売れないといったことをやっているので、個々の生産者が自分で売るよりも委託した方がいいという感覚を持っている。その辺を自分でやりたい人は直接やっているが、現場に行くと非常に煩わしい問題が出てくるので、それを解決する為にも、自分では生産したらカントリーエレベーターに持って行って、それをそのまま委託するという形が一般的である。それは強制でも何でもないことであり、かえって自分のところに乾燥機など持たなくてもいい訳だから。そういう意味ではすごい信頼関係があって、そういう形になっている。それが県で一本になり、全農が色々と販売先を交渉してくれることになってくる。そういう実態になっていることだけは御理解いただきたい。
(立花委員)一つは生産調整と計画流通の関係である。私は基本的にどうも冷静に見ると生産調整と計画流通は、論理的には必然的な関係は無いのではないかという感じがする。つまり、計画流通が行われないと生産調整が実行できなくなるのかというと、必ずしもそうではないだろうと思う。この生産調整と計画流通との関係は、やはり見直す必要があるのではないかと思うことが、疑問点でもあり、私の考えである。二つ目は系統の米事業において、販売の委託は強制されたものなのか、農家は選べるのかどうなのか。現に計画外においても末端の農協では扱われている、これはおそらく買い取りだろうと思う。そういう形で現にやっているのであれば、系統の米事業として需要に対応するという意味からも、販売委託ではなく、買い取るという方法も、これからの消費者ニーズへの対応を考えた場合に、大きな一つの論点になるのではないかと思う。計画流通制度において、販売委託は制度に組み込まれているのかどうか。おそらくこれは組み込まれていないと思うがその辺のところを意見と質問とさせていただきたい。
(部会長)それでは、岡阿弥委員。
(岡阿弥委員)三点について述べる。委託だから価格が硬直的であるという問題、生産調整と計画流通は関係あるかないか、販売委託だけなのか他は組み込まれているのかとう発言があった。まず委託販売であるが、ものを集める集め方というのは販売委託契約のもとに商品を集めるのか、商品の価値で買い取っていくのか、これは様々であって、何も一つに限ったものではないということ。また、今の販売委託のやり方そのものが極めて買い取りに近いと、私が前にレポートしたように、年内の仮渡金のレベルが最終生産段階の93%のレベルに達している。それから半年以内に95%を超えるというような状況の話をしている。もうひとつは仮渡金を出すときに、計画外流通米集荷業者がそれを見て、その上の水準で集めていくという、まさに価格として機能しているというのが実態。その後、最終的に全部買い取ってあといくら儲けようが、それを流通業者の儲けだとするのか、協同組合らしく、全部掛かった経費で最終精算するのか、そのどちらを選ぶのか、組合員としてどちらの方式が納得できるのか、それは組合員の選択である。従って両方を実施している農協もある。要するに買取だったらいくらだよ、委託であれば仮渡し金はいくらだよとやっている農協がある。これから生産者そのものも色々な形で精算する訳なので、そういう選択の提示の仕方は増えていくのではないかと思っている。どちらにしなければいかんと上から強制すべきものではない。それぞれ地域地域の組合員の納得づくの中でやり方を考えていけばよいと私どもは思っている。それから、2番目に生産調整と計画流通の関係であるが、自主流通法人ということになると、両方が法制的に、業務として組み込まれていると感じるが、実務的には何が組み込まれているかというと、実際には資金の負担が組み込まれていると私達は思っている。計画流通において生産調整ないし流通調整等の資金負担を計画流通米出荷生産者にすべて課しているので、従って計画流通制度が無くなるということは、その資金を負担しないということとイコールであって、では誰が負担するのかというところにいく。今、計画流通が競争上不利だというのは、その負担があるということが一番大きな問題である。そういう意味では生産調整して過剰になったものをどのようにして処理していくか、そういうものを全部計画流通が負っていく訳であるから、そこが関係していく。従って過剰処理を別のかたちで出来るのであれば、これを切り離しても何の問題ないと私どもは考えている。もっと細かく手続きとか色々やると齟齬がでるかもしれないが、大まかにいうとその資金負担の関係とかが無くなればリンクする必要はないのではないかと思っている。ただ、全体の問題からいうと計画流通のような制度を無くしたときに、今、計画外流通は流通量の把握ができていない。需要に見合った生産ということを考える場合に、流通なり在庫なり、それから何時出てどういうふうなリスクを持って流れているのか、リスクを回避する為にはどのような手段があるのかといったことが極めて重要なことである。そのことから、計画流通しか把握されていないのは極めて問題がある。これから何かやるにしても、そのことを把握するための新しいシステムが必要になる。それなしに計画流通を簡単に止めるという訳には行かないだろうと私は思っている。検査制度もまさに計画流通制度を止めたらどうするのかという問題がある。そこのところが検討すべき事項ではないかと思うところである。それから、先程、委託販売と入札と相対が硬直的であり、そこと何か連動しているのではないかというような意見があったが、今、価格形成センターをまったく切り離す訳にはいかない。切り離した場合には価格の透明性が失われてしまう。切り離すのではなく、弾力的なルールが作れないか検討している。私たちはまったく硬直的になっているとは思っていない。
(部会長)事務局、調査官。
(大澤調査官)立花委員の質問にお答えする。一つは販売委託制度と食糧法との関係であるが、第2回に「第1種登録出荷取扱業者の新規参入について」という資料を出したところであり、それにも載っているが、食管法時代には基本的には委託集荷のみを認めていたが、食糧法になってからは、農協なり、全集連系の商系業者がなっている第1種登録出荷取扱出荷業者の要件では、その販売の仕方として、売渡の委託の他に直接の売買も可能になっており、両方が認められていることになっていて、両者の法的な差別はない。生産調整と計画流通の関係についてであるが、もう一つ昨年見直しを提起した時の議論をひとつ紹介する。登録出荷取扱業者という制度をどう見るかという論点である。現在、計画外で無登録の業者が存在するという中で、登録出荷取扱業者は、通達上ではあるが、生産調整に関する関連業務の実施が一部義務付けられている。無登録の業者が新しい制度で位置付けられた場合に、この生産調整に関する業務をどのようにみるのかということが一つ大きな論点としてでている。この研究会で最初に流通と生産調整との関連ということが論点としてでてきたが、その背景となっているのが、そういうような無登録業者と生産調整との関係というのが一つの論点となっているということを報告させていただく。
(部会長)横川委員。
(横川委員) 話は変わるが、生産調整を今後続けていくのかどうかという議論がどうしてもっとないのか。私は現状の生産調整のやり方では必要ないと思う。例えば、なぜ美味しいお米が生産調整されて、美味しくないお米と一緒に扱われているのか、私はそれが不公平であると思う。要は、一律的な生産調整では意味がないのである。それから、計画米と計画外米の問題であるが、なぜ2本に分けなければいけないのか。計画外米を制度として認知し一本化することによって、今まで不透明な取引から生産量すらもわからなかった計画外米の実態が明確に把握されてくると思う。そうなれば現在の検査制度の矛盾も同時に解決出来る。即ち計画流通米が検査を受けて計画外米の多くが無検査で流通しているという事実に対して消費者が抱いている「何故、検査を受けていない米があるのか」という不信感の大部分が解消される。最後に、価格の問題である。先ほど岡阿弥委員がおっしゃったチョイスができる価格の決め方は良いと思う。ただ、そのやり方が全国レベルでどこまで普及しているのかということがポイントだと思う。また、入札制度では3分の1の数量で指標価格が形成されるのは我々の目からすると少し量が少ないのではないかと思う。さらに入札参加の範囲を拡大し市場価格に近い形で決まるようにするべきだと思う。「美味しいお米がどこかに大量に留まっているために価格が上がってしまう。」、また、「お米が余っていると言うのにお米の価格が上がる。」という作為的な価格コントロールがまかり通っている。つまり、消費者にすれば非常に不自然なことが起こっており、それがお米に対する信頼を失ってしまうという結果になっている。そういう意味では、透明性ということと、仕組みをシンプルにするということと、難しい専門用語などをなくしていく努力をもっとする必要があるのでははないかと思う。
(部会長)価格形成センターに関する件については、もう少し後で議論いただくが、前の部分について、他の方の意見はないか。藤尾委員。
(藤尾委員)実は委託販売とか共同計算とか色々問題があるが、計画米と計画外米、それから、減反を真面目にしている生産者と全然無視している生産者との対応の調整が難しい。この前の名古屋の意見交換会で、非常に真面目な生産者が出席していて、この様な話になった。「あなたは減反してますか」と尋ねたら、「減反してます」と答えられた。「作ったお米はどうしてますか」と尋ねたら、「全部勝手に売ってます」とのことだった。それでは、「その他の小麦や大豆はどうしてますか」と尋ねたら、「自分では売りにくいからきちんと農協に出してます」と言いにくいことを言ってもらった。この方は全部いいところを取っている。この話はすべて米の制度の中で繋がっていて、補助金にしても、すべて一つのものを選ぶか、あるいは選ばないようにしている。例えば計画外、私は計画外を売りますという人はすべて、助成の対象から外す。計画米を売る、減反も協力するという人には、国なりJAなりがきっちり責任をもってあげる。その時に価格が下がった場合には、十分に補てんをするということにしなければ、いい加減な話ばかりになってしまうと思うので、この場で報告する。
(部会長)生源寺委員。
(生源寺委員)今の横川委員の発言の冒頭に、そもそも生産調整をやるべきかどうかという話があったが、全体研究会の座長という立場で若干説明をしたい。今の問題は入口の問題であり、1月18日に研究会が発足して以降、かなり議論した。生産者委員の側からは、むしろ生産調整を本当にやってくれるのかという議論があった。4月の最初の時点で、一応議論の整理をした。議論の方向としては、生産調整をすぐ廃止するのは難しいのではないか。ただし、副作用の少ないものに替えていくということは当然必要であるし、それから未来永劫生産調整という方式を前提にするような議論ではどうか、ソフトランディングを目指すべきではないかといった論点。あるいは、そもそも誰のための、何のための生産調整かということをきちんと議論すべきだなど、いくつかの関連する論議を整理して、これを受ける形で各部会を設置して、現在、議論をしていただいているところである。生産調整そのものの意義といったことについて、流通、外食あるいはいろいろな立場から御意見いただければと思っている。
(部会長)横川委員。
(横川委員)生産調整については最終的には止めるというのが私の意見である。ただし、そこに至るまでのプロセスとしては、補助金の出し方を変えて、生産調整を自主的にやる人には、たくさん出した方がいいと思う。助成が少ないからやらないという声も聞くので、自分もやりたいという人にたくさん出すのも良い。ただ国の助成にも限界があるので、効果のない方を削って効果のある方に振っていくことを考えていかないと税金の無駄遣いになっていく。私は方向としては、予算枠は今のままだが、例えば減反の協力者には沢山払うという調整をしていきながら、将来は調整しないで自由な生産で価格のバランスがとれる形ができれば、そのような方法がよいと思う。
(部会長)木村委員。
(木村委員)今の横川委員の意見も同じだと思うが、先程、藤尾委員が言われたように、今まで議論されているのは不公平の問題であって、生産調整をきちんとやった者にはきちんと所得を補償していくという、この後で議論されると思うが、経営所得安定対策話がこの後必ずでてくると思う。それとのリンクをどうするのかという話がかなりのウエイトを占めるのかなと思う。それと併せて、流通の流れを見ていて気が付いたのだが、一番左側の計画外流通米が318万トンあるうちの届出が47万トンしかない。届出義務があるといいながらなぜかザル法のような感じになっており、だから数字がつかめないでいる。そして毎年米が余るものだから、余ったものの別途処理については計画流通している米によって処理している。これが不公平の原因なので、生産調整を守る、しっかり届出して計画流通させている生産者については、先程藤尾委員が言われたように、別の諸々の生産調整として麦でも大豆でもやった部分については、きちんと国が面倒みるといった経営所得安定対策をやることが、横川委員の話に通じるのではないかと思う。
(部会長)法律には計画外流通には届出義務があると書いてあるが、法律が形骸化しているのではないか。届出したらどうなるのか。価格が安定するとかしないとか、数量把握がするとかしないとかでなくて、ただ届出義務があるとしかないからで、事実上形骸化したのではないかと思っている。飛田委員。
(飛田委員)今、部会長の方から届出の形骸化とかの話があったので、行政の立場で、現在、食糧法関連の仕事をしているなかで気が付いた点について話したい。食糧庁にとっては耳の痛い話になるのかもしれないが、ご勘弁をいただく。計画流通米と計画外流通米の議論がなされているが、そもそもこの計画流通制度ができた背景というか根拠だが、食糧の安定生産、安定供給という従来の食管法の性格をこの中でやらせるという形で計画流通米というものが出来たのだろうと思う。過剰米の需給調整である調整保管、エサ処理とかこういう過剰米の処理を計画流通米の中でやらせるという仕組みになっていて、そこに若干の助成措置も出している。この計画流通米とい制度のなかにそれなりの役割を持たせていることだと思う。しかしながら実態はどうか。需給が逼迫していなくて非常に過剰な状況にあることからすると、計画流通米が、全国の各地域に年間を通じて計画的に供給をしていくという使命を持たされていても、実態としては各県の農業団体が計画的に販売しているのではなく、自分の商売のために販売しているのではないか。従って、ここでいう計画流通というような国全体の供給をスムーズに行うということは行われていない。そういう意味で計画流通というものは機能していないのではないか。ただ、緊急時の問題があるので、特に出荷登録業者とうい登録制度を設けて、いざ緊急時には、その業者を通じて、ある程度安定供給のコントロールができるという仕組みになっていると理解している。従来の限度数量に当たる生産者計画出荷基準数量が現在の計画流通制度にあって、これを国が決めて、都道府県を通じ、市町村を通じ、農業者にあなたはこれだけ生産をしなさいという数字が示されることになっている。それから、政府買入は備蓄米に限定してしか買入れしないわけであるが、これも政府買入基準数量というものを農業者に示してこれだけ買入れをしますよというような制度となっている。これについても、その示された数量に応じて農業者が生産をしたり、出荷をしたりしているかというと、その数字はほとんど示されているだけで、実際は機能していないように思う。それから政府米の買入についても、農協の中で、政府米と自主流通米を扱うので、当然国が政府米としてこれだけ買いますよというような時には、その数字に合わせて後で全体の数字を作るということで、現在の過剰な状況では、制度はあまり機能していない。私どもがやっている事務についても形式的にやっている状況のような気がする。
(部会長)計画流通制度の根幹の話であったが、法律では計画出荷基準数量が農家に割当られたり、色々な事をやらなければならないことが法律には書いてあるが、実際には、意味があるかどうか。もっと言えば、米穀の安定供給というものは、現在の計画流通制度がなければ安定供給できないのかどうかという話にも繋がっていくことだと思う。長谷部委員。
(長谷部委員)今日はもう少し突っ込んで議論が進展していくかと思っていたが、立場立場の意見が多いと思う。計画外流通米がこれだけ伸びているのは何に原因があるのかという議論がないというのも、私は残念だと思う。それから、先程の横川委員のああいう意見もあったが、こんな生産調整は、お金使ってやる必要がないのではないかと思うのだが、それではどういうふうにやったらどうかという意見はあまり挙がっていない。私は横川委員と違って、生産調整というのは、ある程度やるべきであるという考え方を持っているが、こんなに、とにかく飯米用農家から大口生産者まで、計画外米だけを出荷する人、多様な健康指向の有機米を出荷する農家、これを一律に十把一絡げで規制したり指導したりするといっても、なかなか結論がでないと思う。私の考え方というのは、まず生産者に「生産調整をしないと米の価格が下がるというリスクを背負いますよ」というメッセージを送りながら、生産者の自己責任において生産調整をやらせて、もしその調整がうまく行かず米が余るようであれば、その生産調整に3千億のお金を使っているのだからそのお金を使って処理すれば良い。色々と話を聞くとだんだんと補助金が増えてきているそうだが、流通量が減ってきて補助金が増えているという不都合な状態も直さなければならない。仮に余ったときには、このように5年も6年も前の備蓄米が沢山あって金食い虫になっている訳だから、これを海外に援助米として出して、3千億円を余った米の処理に使うというような処理の仕方に変えれば良いのではないかという感覚を持っている。表示にしても、生産者は我々には問題はないんだということが長年言われてきている。結局は、流通業者が悪者と言うけれども、流通業者の中にも真面目に取り組んでいる者も多くいる訳で、生産者全部が優等生とは私は見ていない。表示については、みんなが受け入れられる制度に持っていくべきではないかと思う。昨年表示違反で公表されたある業者がいるが、その業者は魚沼コシヒカリと偽って山形はえぬきを販売していた訳であるが、その違法表示をしていたお米を食べたらとても美味しいくて、魚沼コシヒカリと変わらないような味であった。それはなぜかというと、穀物検定協会の食味ランキングでは山形はえぬきも魚沼コシヒカリと同じ特Aランクに属してしている訳で、当然のことである。あまりにも産地銘柄ばかりが有名になって、いわゆる食味についてのPRが不足している。銘柄信仰が流通の段階で問題になっていると思うので、参考に申し上げておく。
(部会長)福井委員。
(福井委員)本来、生産調整ということになると、ニーズが欲したときに何をどれくらい、どういう形で、ということが生産調整という部分に結びついてくるのかなというふうに考えていくと、それをやるための組織・仕組み情報というものをどうしていくのかというところに物事を置き換えて考えていかないといけない。水田がこれだけあるよとか、農家がの数がこれだけあるよとかの話からではなくて、ニーズにどう応えて調整をどう図っていくのかと、そこの議論になっていくのではないかなと思う。情報の共有化も含めて、組織というものを構築して欲しいと考える。
(部会長)高橋委員。
(高橋委員)長谷部委員から備蓄米についてお話あったが、第一点として8年産以降備蓄米の量がどれだけあるのか教えていただきたい。備蓄米は必要であろうが、100万トンを50万トンとして、その後の年産毎の需給のバランスをみて、備蓄米を買ってもらうことができないか聞きたい。
(部会長)備蓄米の数量は、当初150万トンプラスマイナス50万トンとしていたものが、100万トンとなって、それプラスマイナス50万トンということになっている。
(高橋委員)価格の圧迫材料となるので、生産者に不安を与えるから、これを防ぎたいと思う。
(部会長)この話は備蓄とは何かということと関係している。需給調整のためのものなのか、それとも国民の食糧の安全保障のためのものなのか、実際は一緒にやっているようなものである。私はこれはおかしいと思う。国民はそれは別にしているんじゃないかと思っている。どちらも農林水産省がやっているので、どうしても一緒になってしまう。
(高橋委員)150万トンプラスマイナス50万トンという数字には裏付けがあるものと思うが、私はどうしてこんなに備蓄米を必要とするのかなと思う。
(部会長)事務局、簡単に説明お願いする。
(計画課長)現存する備蓄米の量だが、今年の3月現在で、8年産が9万トン、9年産が54万トン、10年産が21万トン、11年産が44万トン、12年産が39万トン、13年産が7万トンで合計で174万トンということである。それから150万トンの根拠は通常起こりうる不作が2年連続した場合にでも大丈夫な数量ということ。100万トンしたのは、消費量が減少したことと、在庫を持つ事自体が価格の停滞要因となっているということである。10年に1回の不作あるいは不作が2年続いた場合に対応できる量として、端境期直前で100万トン持てばよいのではないかということで試算している。
(部会長)基礎的な資料は準備しているが、それを説明していると議論するのが大変なので、色々な資料が必要であれば後で準備する。小熊委員。
(小熊委員)次回、私どもの総会があり、出席できないので、今回トータル的な発言をさせていただく。一つは今の議論との関係であるが、需要と供給のギャップというものは市場経済に生きているものにとって本当に一番頭の痛い仕事で、私も飲料の担当したときには、猛暑と冷夏で余ることと足りないことを繰り返し経験してきた。もちろん、これはすべて自己責任でやらざるを得ない。私どもは生協で協同組合だが、余ってしまえば二束三文で売ったり、足りなければ生産者と相談して休まずドンドンつくっていただくということを日々やってきた。これに対して、需給の問題をこういう公の場で議論していただけるということだけでも非常に特別なんだと考えていただきたいと思う。現実に需要と供給が合わないということで皆苦しんでいるわけで、これを第三者に責任転嫁できればこんなうれしい話はない。二つ目は、食と農というシステムはどうもどこかで切れているシステムになっているなと感じている。その根幹には食の変化を生産者が捉え切れないシステムがどこかに組み込まれているから物事がうまくいっていないのではないか。三つ目はそこから出てくる結論的なことであるが、やはりどう考えても複線的なシステムであることに原因があると思う。計画内、計画外とか分かれていることで生れている問題があると思う。不公平感とうことがでているが、私から見ると狭い世界でお互いに指刺し合って、あいつが貰っているとか、優遇されているとか、されていないとか、いがみあっているという感じがしていて、大方の国民から見た時に、その議論がどういう感じに見えているのか、やはりきちんと考えてほしい。それと、生産調整と流通システムと表示検査の問題がごちゃごちゃ絡み合っている。それぞれ目的は違うと思うが、それぞれについて、目的に対して最も効果的なことは何なのかということについてきちんと整理する必要があると思うし、その枠組みの中で言えば、現行の計画流通制度というものは見直す必要があると思う。四つ目は、先程来、生産調整が上手くいく為に色々な補助が必要という議論があるが、この点についての議論では納税者の目線とか、納税者の視点ということを是非押さえていただきたい。税金を使って行う施策は納税者の理解なしに続かない。特に、近年の財政危機の問題を踏まえて言えば、大変厳しい目線で国民や消費者は税金の使い道について見ている。「日本の農業を守る為」とか「米の消費拡大の為」という一般的な説明だけで何億円もの税金を使うということは、これは納得されないと思っていただきたいと思う。最小のコストで最大の効果をあげるということをもっと真剣に考え貰わないといけないと思う。最後の五つ目であるが、何を表示するかという問題の議論があったが、ベースにあるのは消費者の知る権利だということだ。ただ、消費者の知る権利であるが、先程、門傳委員が言われたようにパッケージの広さとか表示できるスペースが限られているとか色々問題があるわけで、何を表示するかということはまた別問題である。基本的に消費者が知りたいということがあれば、それに対してそれが正当なものであればきちんと流通のサイドが応える義務があるわけで、それをどうしていくかという問題と、具体的にパッケージにどう分かり易く表示するかということは、それはそれで分けて整理して議論しないといけない。そうしないと小さい字でたくさん載せて、結局役にたたないということになると思うので、そこは押さえて欲しいと思う。次回はペーパーだけの参加となるのでよろしくお願いしたい。
(部会長)古橋委員
(古橋委員)今も生産者に対する助成金の話がでたが、資料のなかで気になる資料があるので質問させていただく。資料3の3ページ、不公平問題というのが左側の一番上に付いているが、その横の@規制緩和を行う際、助成措置と川上と川下の不公平の是正を含め公平な競争条件の確立に寄与すべきという項目があるが、これについては私どもも要請をし、今回の制度見直しでは最大の課題かなと思っているところであるが、その資料として右側に念頭におくべき事実というのがあって、その下の方に流通施設に対する国の助成というのが出ている。その一つは生産総合対策等ということで、農協系統に出しているものだと思うが、予算額は583億円のうち2件で5億円となっている。これが13年度の実績だと思うが、つまり予算はあっても5億円しか使っていないよと。一方卸リース事業については予算が6億円だけれど5億円使っていて38件で、同じくらい使っているという表なのか。この意味する数字が分かりかねるので教えていただきたいということと、これは過去に相当施設助成されているはずである。従って、その部分が出ていないのにこれだけなぜ出てきているのか教えてほしい。
(部会長)事務局、簡単にお願いする。
(大澤調査官)限られたスペースの中で、最小の数字だけ出すということにしている。もしよろしければ、過去の実績も次回出したいと思っている。それから後、内数というのは生産総合対策が特に乖離が大きい訳だが、米だけではなく畜産も対象となっており、その他、野菜、果樹すべての生産対策を含んでいるので、その中で、第1回の部会における意見の中で精米施設に対する補助についての実態を示されたので、その分を実績として出している。
(部会長)岡阿弥委員。
(岡阿弥委員)それでは、だんだん包括的な議論がでてきたので、三点話したい。今、計画流通制度があった方がいいか、ない方がいいかというような議論ではないと思っている。例えば、計画外流通といえば顔の見える販売を中心にやっている。それはそういうお米で良いではないか。だけど計画流通数量の中にあるお米というのは、たくさんの生産者がそれぞれの田んぼで作ったものを大量流通で売るシステムとして動いている。ここに名前が違う上に、それぞれのシステムの違いで動いている米があるわけである。逆に計画外のお米を顔の見える販売以外で売ってきた人は色々と火傷をしてきている。業者が逃げたとか、お金を取りっぱぐれて夜逃げされたとか色々なケースがある。だからそちらの流通というのはこれから色々な混乱があるだろう。計画流通、委託販売は問題だと言われるけれど、ここは委託販売でリスクヘッジしようという形で動いている生産者もいる。そういうものをトータルのシステムとしてどうみるかということが私は大事ではないかと思う。もう一点は、一定の太い流通制度はやっぱりいるんだということ。そういうものがあって流通を把握し、価格形成を行い、しかも過不足調整をするかどうか、そこに負わせるのかどうかということを、これからもどうするのかということ。大消費地に対する安定供給ということは相変わらずある。地場流通中心というのは野菜をやっていれば分かるが、消費地へ持っていったら地場に環流したとか、他の農産物には歪みがある。米は安定している。そういう行ったり来たりがない。そういうのは今のシステムが機能しているからではないかと私は思う。だから仮に制度の名前を変えようが、そのシステムを確保するためにどんなものがいるんだということが議論の中心ではないかと思う。それから業務用が伸びるのに対するその対応をどうするか。そういう新たな事態が生まれてきたら、それにどの米がどのように対応していくのか、そのために価格形成をどうするのかという議論を進めていけば良いと思う。ここの議論の中で、計画流通は要るとか要らないとか、計画流通は、あれが悪いとか、これが悪いとか議論しても私は無駄ではないかと思う。むしろどんな機能をどんなお米が果たしているのか、その機能は要るのか要らないのか、ということを議論する事が重要ではないかと思う。そういうつもりで資料6を書いている。
(部会長)流通制度が要るんだ、しかし、それは現在の計画流通制度を維持する事ではないということか。
(岡阿弥委員)現在の計画流通制度のなかでも色々な機能があり、それをどんな米が果たしており、どう評価するかということ。
(部会長)山田企画部会委員。
(山田企画部会委員)小熊委員から、過不足の時に大変苦労があるという話があったが、たとえ話で話した訳であるから、なかなかそれを捉えてものを言えないが、清涼飲料水が不足していることで苦労されたことと、主食である米をきちんと届けることとは違うのではないかと思う。そこで、主食である米も安心なものを安定供給する必要がない、一般の清涼飲料水と同じなんだという観点に立った時に、一体安定供給という問題をどのように判断したらよいのかということが非常に難しいというか重要であると思っている。そこで、若干、需要と生産の対応の問題に関連して話すが、正確な需要に生産が対応できれば、自ずから、水が土にしみ通るように物事は治まる訳で、後は流通がどうしようが、販売がどうしようが治まる訳で、何の苦労も要らないと思っている。私も、これまでの生産調整の取組の中で、こんなに苦労するのなら、いっそのこと自由にしてしまったらどうか、自由にしてみて、本当に痛みが分かるようにしてみたらどうかというふうに誘惑にかられることは何度もある。一方、計画生産の実施者だけにメリットを付与する形で仕組みができないのか、常にそう思っている訳であるが、所詮、実験はできない訳であり、一旦実験したうえで過剰米が発生した場合の苦労は並大抵のことではなく、平成8年産米の80万トンの調整保管の米に800億円の生産者から集めたお金で対応した。こんな苦労はもう絶対に嫌だという思いが今はある訳で、だから過剰を作る事はできないので、過剰を作らない仕組みを苦労して考えなければいけないと思っている。そこで、正確な需給見通しを作れるか作れないかという話であるが、やはり一定の幅を持ったものしか出来ないと思う。とすると、まず需給調整機能のための全体需給計画はできるだけしっかりさせる。しかし、どうしても短期の需給は幅があるということだと思う。それでは、その短期の需給の変動の調整をどうするかという事であるが、もちろん価格で調整できれば、それに越した事はないのだが、どうしても残る部分が出てくる訳である。米は腐らないのでどうしても残ってしまう。残って2〜3年先までいくと、経費負担も大きい。そうしたら、それを生産者の段階で調整するのか、流通業者の段階で何らかの形で調整するのかという選択があると思う。一方、政府がそれに関与するのかしないのかということがある。これは、政府が何がなんでも財政投下してやれと言うことでは毛頭なく、合理的な範囲で、納得のできる政府の関与はどうなのかということだと思う。政府の関与の仕組みとして、制度的な仕組みをコンパクトに作っていくことだと思っている。高木委員からも発言あったが、一定の幅を持った対応しかない。不足の事態は備蓄で対応できる仕組みが残っているが、過剰の時の対応が一番のポイントになると思っている。福井委員から、流通業者は価格見通し、需要動向でリスクを被った対応をやっているぞという発言があったが、流通業者は一年間の販売活動の中で取り返せることもあるかもしれないが、200万人以上いる生産者は一旦作ったものは取り返せない訳で、水田がぬかるんで機械が入らないため、青刈りもできないから、仕方なく作った米をエサに処理するという対応をしているが、そこに無理がきているのではないか。全部政府の責任だということは毛頭言わないが、こうした実情の下で短期の需給調整の仕組みを制度としてどのように仕組むか、その負担をどうするのかということだと思う。
(部会長)高木委員。
(高木委員)色々と需要の見方とか議論があったわけだが、私も生産調整部会を担当しているものとしてお話させていただく。これまでの会議において「需要にあった米作りということが基本だ」ということが合意されているわけだが、それぞれの委員が色々とそれをどう理解しているかということが分かった。やはり門傳委員がおっしゃったように、食の変化とかが農業者にしっかり伝えられていないというのが今のシステムの中にはあるのではないか。先程来、委託販売、共同計算の話しがあったが、今の制度を前提とすれば、当然必要だということになるかもしれない。しかし、制度が変わった場合も共同計算、委託販売が続けられるのか、そういう事を考えると絶対的なシステムとは言い難い。逆にいうと、農業者に情報が伝わらないという副作用がかなりあるということであれば、やはり改革が必要。山田委員から平成8年の過剰の時に生産者が非常に苦労したという話があった。しかし過去のことを考えてみると、かつて過去2回に渡って過剰の処理をすべて税金で3兆円ものお金を使って処理したことがある。「国の全量管理の下でのことであるから、当然である」と言われればそれまでであるが、しかし、先程の小熊委員からの話しのように、国民の税金を使って制度を運営している以上、国民の理解が得られる形でなければいけない。また先程、小熊委員の発言で、清涼飲料水というのは単なる例示でおっしゃったことであり、物の需給ギャップというのは自己責任で処理するという前提があって、どういう役割分担で、国民の視点ということも考えながら、仕組みを作るかということにつきるのではないかと思う。
(部会長)皆さん、たくさんまだまだ言いたい事があると思うが、時間の制約があるので次回にお願いしたい。事務局から追加資料の説明があればどうぞ。
(調査官)皆様のお手元に12年度から毎年実施されている、食品ロス調査の結果概要をお配りしたので、後程御覧いただければと思う。
(部会長)大事なことをもう一度申し上げる。6月6日までに、皆様に流通制度を中心にした流通部会の立場から見た生産調整、流通制度、その他関連施策について提案を提出するということをお願いしている。誠に恐縮であるが、20人近くいるので、できれば1,500字位にまとめていただくようお願いする。なお、次回は生産調整部会が検討していることの状況報告があり、今日残っている問題、それから皆さんから書面でいただいた御意見等を整理して議論していきたい。次回は6月14日10時から、この会議室で開催する。次回も御出席をお願いする。長時間、議論いただき感謝する。