現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産23 > 676.html ★阿修羅♪ |
|
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/special/021207/
十一月末、全国の七十銘柄が上場した第七回自主米入札取引。落札平均価格は前年同期に比べ七回連続で下落し、半数の銘柄に落札残が出る低調な取引だった。参加した卸は、「米改革で、価格はまだまだ下がる」と見通した。
流通規制の緩和、実勢価格の反映へ価格形成の見直し、効率的な経営体への重点支援、多収穫品種開発。米政策改革大綱や生産調整研究会の最終取りまとめには、市場重視、低コスト化に向けた装置≠ェ組み込まれた。消費減退、過剰在庫、デフレ圧力といった現状を踏まえた時、米の生産費削減、米価引き下げのシナリオが浮かび上がる。
□□■
「効率的な経営体育成で生産費は下がる。六十キロ一万二、三千円になるだろう」「多収穫品種などで、やがて一万円米価時代が到来する」「コシヒカリ、あきたこまち、ひとめぼれと、低価格の米は生き残る。その中間の米の行き場がない」と、米卸の多くは、米価が下落するとの見方で一致する。
「生産調整は実効性が伴うか疑問。農業団体主体では縛りがきかず、米価は下がる」と関東の中堅卸。「今後は、努力して需要のある米を作った農家が残り、努力しない農家は退場という当たり前の世界になる」とみる卸もいる。
米改革は、JAグループにとって、今まで以上に農家を結束する努力と販売力強化が問われる。経済事業の柱である系統米穀事業の総見直しが、待ったなしの状況だ。
「安穏としていられないのは卸も同じだ」(食糧庁幹部)。業界団体によれば二〇〇一年度決算で、米卸二百社のうち三割が経常赤字になった。一九九五年の食糧法施行で新規参入が相次ぎ、縮小傾向の市場でのパイの奪い合い、スーパーからの値下げ圧力などで、粗利益率が悪化しているためだ。
米価の一段の下落は、収益の減少を招き、卸の経営をさらに悪化させる。米政策大綱では、表示規制や産地・流通情報を把握できるトレーサビリティー(生産履歴を追跡する仕組み)の確立がうたわれ、「米卸のコスト上昇要因になる」(大手米卸)。加えて、規制緩和で従来にない流通ルートが可能になり、卸が中抜きされる恐れもある。
□□■
米改革が動き出す中で、卸も対応を迫られる。「全農を経由せず、JAや農家との関係を強めたい。トレーサビリティーにも都合がいい」「精米販売だけでなく、炊飯や総菜事業などを模索する必要もある。卸連合で仕入れ・物流を共同化するのも選択肢の一つだ」と、関東の卸は話す。
こうした中で、大手・木徳神糧の木村良社長は四日、会見し「現在三十万トンの販売量を三年後をめどに二倍にし、国内主食用米マーケットの一割を確保する」と宣言。米事業の収益性が落ちる中、「規模拡大を追求する。卸との統合や提携を慎重に進める。大綱による変化になんとしても対応する」と語った。「現在三百八十ある登録卸の中で、将来、残るのは三十くらい」と都内の卸幹部は危機感を募らせる。米改革が、業界再編成の「導火線」になるだろう。